エイリアンの置き土産
解放分のストーリー終了&残り100万ポイント
ちょんちょん
何かが俺の顔をつついている。気になるけど目が開けられない。
俺はエイリアンとの戦いで、つい調子に乗ってバタフライエフェクトを使って自滅した。死に戻ったならもう動けてもいい頃なんだけど……
ペチペチペチペチ
何かが俺の顔を叩き始めた。地味に痛いから止めて欲しい。
「ニャー!」ザシュッ
「アウチッ!?」
顔面に鋭い痛みが走る。くそ、俺の寝込みを襲うのはどこのどいつだ!? 動けるようになったしとっちめてやる!
「俺、覚醒! 反撃の時間だオラーッ!」
「ンニャ」
「……セレネ?」
あれ? 何でセレネがいるんだ? 古代兵器の爆発には巻き込まれていなかった筈だが……ってそもそも眷属は復活できないんだったな。尚更何故ここにいるのかがわからなくなったんだが。
「あ、よく見りゃここ草原じゃん」
つまり俺が死ななかっただけですわ。古代兵器の自爆攻撃には即死効果はなかったんだな。そして暗くて動けなかったのは気絶でも食らってたんだろう。
「セレネは俺を起こそうとしてくれてたのか。偉いぞー」
「ニャフン」
「大丈夫ですか、ライリーフ君?」
「あぁ、ソフィアも無事だったか。俺は大丈夫なんだけど……」
「装備が見事に消し飛んでますね」
耐久値が残っているのは世界樹の木刀と大怪鳥のマントだけだ。他の装備は軒並み爆発を受けて壊れてしまった。
中でも迅速のラビットシューズがロストしてしまったのが残念でならない。
あれは俺が一人で倒したネームドモンスター達の素材で作った物だ。効果もAGIを50も上昇させてくれる素晴らしい仕上がりだった。
ステータス上昇効果だけなら幻影水晶の剣も持っていたけど、あれは割りと簡単に作れるのでロストしても悲しくもなんともない。また作るのが若干面倒なくらいかな?
「まぁこれでも収穫が無い訳じゃないからいいけどな」
「収穫……何かいいアイテムでも手に入りましたか?」
「あ、それも確認しなきゃな」
収穫ってのは鎧が壊れたことだ。こいつは壊れる度により強く生まれ変わるらしいが、その強化の幅が早めに確認できるのは有難い。まぁ、1日持たずにぶっ壊れるとは思わなかったけどな!
それじゃアイテム確認の前に再生までの時間を見ておきますかね。
転聖龍鎧・ドラグディザスター(使用不可)
[再生まで残り11:57]
うーむ、意外と時間掛かるのな。いや、むしろ12時間で全壊状態からオートで直るなら早いのか?
とりあえずこいつの性能チェックは明日のお楽しみってことで、エイリアンからドロップしたアイテムを確認しよう。
アイテム
リトルマウスウィップ ☆☆☆☆☆
ATK220 HP450/450
追尾 恐慌
エイリアンの口から飛び出す小さな口
使用者に寄生することで能力が解放される
初っぱなから変なのあったわ。耐久値の変わりにHPが表示されてるんですけど。寄生するとか書いてあるし、もしかしてご存命だったりします?
一応ソフィアにHPのある装備を知ってるか訊いてみよう。
「なぁソフィア、HPのある装備って知ってるか?」
「装備なのにHP、ですか? んー、リビングアーマーの類いでしょうか? あ、でもあれはモンスターですね」
「ふむふむ、OK参考になったわ」
「はぁ……?」
この装備は封印決定だな。少なくともモンスターの可能性がある装備、なんていつ裏切って牙を剥いてくるかわからない物を使う気にはなれない。
気を取り直して次のアイテムを見ていこう。
アイテム
宇宙獅子の大牙 ☆☆☆☆☆
エイリアン・レグルスの牙
切れ味は鋭く、分厚い鉄板を簡単に貫く
エイリアンハート ☆☆☆☆
宇宙から飛来した生物の心臓
臓器と言うより何かのコアのように見える
宇宙獅子の外套翼 ☆☆☆☆☆
エイリアン・レグルスの鬣の一部が変化した帯状の物質
日の光を屈折させる機能があり、姿を隠し身を守っていた
この器官により宇宙空間でも単独で生存が可能になった模様
サイバーヘルム(モデル・レグルス) ☆☆☆☆
DEF100 耐久値400/400
無闇に格好いい獅子を模したフルフェイスのヘルム
機械的でありながら野性的なフォルムは最高にCOOL
「何か微妙だな」
外套翼ってアイテムは銀河の切れ端の代用になりそうだからいいとして、他がいまいちパッとしない。
最後の奴とかレア度の割に性能が低すぎる。見た目も格好いいっちゃ格好いいんたが、これだけで着けるとなるとちょっとな……。
「わぁ、格好いい兜ですね!」
「欲しいならやるよ。俺は使わないし」
「いいんですか!? ライリーフ君は優しいですね!」
「はっはっは、それなりにな!」
ソフィアめ、このデザインの良さが分かるなんて意外に少年的な思考回路なのか? 後でメカ物のフィギュアでも作ってプレゼントしてやろう。
「ンニャ」
「お? そのアイテム……セレネ、お前まさか回避の瞬間にスティールまで仕掛けてたのか!?」
「ニャー」
ふふふ、ハイスペックな眷属を持てて俺は嬉しいぞ! で、肝心のアイテムは何を手に入れたのかな? 見た目は瓶に入った石ころだけど……
アイテム
エイリアン細胞(休眠中) ☆☆☆☆
熱に反応して急速に分裂、進化を繰り返す謎の細胞
危険物につき取り扱いには注意されたし
やだ、フケ取りシャンプー持ってこないと……じゃねーよ! 何だこれ!? 説明文が注意喚起とかヤバ過ぎませんかね?
「ニャフン」
「ドヤ顔の所悪いんだけど、コレはすぐに処分するからな?」
「ニャー?」
「何故ですか? せっかくセレネちゃんが手に入れた物なのに」
「下手すると災厄よりヤバい生物が野に放たれる事になるからね」
「そんなに危ない物なんですか!?」
宇宙の事は宇宙の奴らに丸投げしよう。きっと宇宙人なら安全に処分してくれる筈だ。
え?野球ボールで撃墜されるような奴らの技術を信用していいのかって? 俺が所持してるよりはいいと思うね。もし問題が起きても俺のせいにならない所が特にいい。
それにここの所戦ってばっかりだから、暫くのんびりホーム作りに専念したいんだわ。
エイリアンを殲滅せよ!なーんてクエストが発生しちゃ困るのだよ!
「ほい、これでいいか?」
「ふむ、確かに。しかしエイリアン・レグルスがこの地に流れ着いていたとは驚きだ」
「お、やっぱり宇宙人はアレを知ってるのか」
「当然だ。宇宙珍獣大百科辞典にも載っているからな。宇宙動物園でも1番人気なのだぞ?」
「へー」
「君、もう少し興味を示してくれてもいいのではないかね……?」
ファースに戻り宇宙人に入手したアイテムを見せた所、やはり目当てのアイテムだった。これでお使いも終了だな。
「宇宙人、ついでにこれも預かってくれ。そして出来れば処分を頼む」
「エイリアン細胞……それも侵略型ではないか。物騒な物を持っているのだな、君は」
「エイリアン・レグルスからセレネがゲットしちゃってな」
「ふむ……となるとこの星は何者かに狙われている可能性がある。レグルスはその尖兵として送り込まれたと考えるべきだろう。侵略型の細胞は人為的に産み出された物だからな」
「マジかー」
なんかまた長そうなクエストのフラグが立ってしまった。俺は宇宙戦争にでも巻き込まれるのだろうか?
「安心したまえ。帰る際に我々がスペースシールドをこの星に展開しておくから、それで暫くの間は侵略を防げる」
「おお、そんな事できるのか!」
「彼の者が本気でこの星を狙っているのでなければ、シールドに気がついた時点で侵略を諦める筈だ」
「もし本気だったら?」
「この星の時間にして約9ヶ月程でシールドは破られ、本格的な侵略が開始されるだろう」
ゲーム内での9ヶ月ってことは……リアルだと3ヶ月後でちょうど夏休みの辺りか。
……あれ? もしや俺、夏イベの情報ゲットしちゃった感じか!?
作者はB級映画とか好きです。
そんなB級映画のネタが満載の怪○王女はもっと好きです。
新シリーズが連載されててとても嬉しい。
100話達成!とか喜んでたけど、よく考えると100話も書いておきながらまだ作中では一月ちょっとしか経っていない。
そんな事実に震える今日この頃。
おまけ
サイバー装備について
エイリアンシリーズからドロップする装備。
ヘルム、スーツ、グローブ、ブーツの4つが共通で存在する。
全てを身に付けると仮面なライダーっぽい見た目になる。
モデル○○で一式揃えると、宇宙空間で活動可能等の特殊な効果が発動する。
エイリアンシリーズからはこの他に武器がドロップする。
エイリアン・レグルスの場合『大戦斧・レグルス』がドロップする。




