表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
10/285

チュートリアルで詰んだかもしれない.7

 デスペナルティ。

 種族レベルが3になるまではアイテムのロストは無く、LUK以外の全ステータスが半減する。

 そしてゲーム内時間で4時間かけて徐々に元のステータスに回復していく。

 なるほどなるほど。特に俺のプレイの妨げにはならないようだ。

 いきなり何故こんなことを調べているかと言うと、死にまくったからだ。何故かって?それはギルドの登録が()()()だったからさ。

 きちんと仕事をこなせるって証明に、3つのクエストをクリアすることで正式にギルドへの登録が完了するらしい。

 そして俺に出されたクエストがこれだ。


《蹴り兎の腿肉の納品》

蹴り兎の腿肉 0/10


《森の薬草採取》

薬草 0/20


《ヒルクの実験》

ヒルクの実験を手伝う



 報酬が書かれていないのはこれがテストだからだ。登録料の代わりでもあるんだってさ。

 識別も鑑定も持っていないので薬草の見分け方を受付嬢に訊ねると実物を見せてくれた。

 ふむふむこれが薬草ね?なんて眺めていたらクエストが達成されていた。どうやらチュートリアルフィールドで集めた草?の中に薬草があったっぽいな。

 その場で薬草を渡して1つ目のクエストクリアとなった。

 そしてとりあえず実験とやらはスルーして、分かりやすい納品を先に済ませてしまおうとした訳だが……。





 奴らは強かった。

 フォーチュンラビットと違って自分から此方に向かってくる。それだけでも俺は苦戦しただろう。

 だと言うのに奴らは更にとんでもなかった!真っ直ぐ突っ込んできた所に合わせてカウンターを叩き込んでやる!と息巻いた俺が見た光景は、拳の届く直前に()()()()()攻撃をかわすキックラビットだった。


「ちょっ、空中三角跳びとかアリかよ!?」


 動揺した俺はあっさり顎を蹴り抜かれ死に戻った。

 その後俺はムキになって兎に挑んだとも。

 投擲術の効果で石の届くギリギリの距離から攻撃をしかけてみた。そして逃げながらの投擲。後ろ向きのせいか命中精度が低くてろくに石を当てられないまま、圧倒的AGI差の前に追いつかれ鳩尾に一撃くらって死に戻った。

 ならば木に登って一方的に攻撃を続ければ勝てる筈!……空中ジャンプがあるのを忘れてて普通に死に戻った。

 へいもうキレたぜ兎さんよぉ……石なんか捨ててこの拳d死に戻った。

 お前の動きはすでに見切った、俺に同じ技は通じないぜ!今必殺nフルコンボをくらって死に戻った。

 死に戻った。

 死に戻った。

 死に戻った。……………。


「なぁ、あんたさっきから凄い勢いで死にまくってるみたいだがデスペナ中は無理しないほうがいいんじゃないか?」

「デスペナ?」


 死亡回数が20回をこえた所でスキンヘッドのプレイヤーに話しかけられた。


「知らなかったのか?死んじまうと4時間もステータスが低下するんだよ」

「マジか!」

「詳しくはメニューのヘルプに載ってるからそれをよく読むんだな」

「教えてくれてサンキューな!けどさっきからってことはずっとここにいたのか?」

「ああ。識別をゲットしたくてな。ここからならゆっくりとメインストリートを眺められる。噴水広場より効率は落ちるが半日もあれば手に入る筈なんだ」

「識別ってそんなことで覚えられるのか」

「なんでもいいから一種類の物をたくさん見ることが取得条件らしい」

「それで道行く人の観察ね。続けてれば他のスキルも増えそうだな」

「看破なんかも取れるらしいぞ」

「へー。あ、俺ライリーフな。ライリーフ・エイルターナー」

「ウォーヘッドだ。よろしくな」




 とまぁ、ウォーヘッドとフレンド登録をして別れた後に冒頭へ戻る訳だ。

 特殊なステータスしてるからデスペナの影響がほぼないとは言え、何か問題があるかもしれない。一応ステータスを確認しておこう。運がよければスキルも増えてるかもしれないしな。


name ライリーフ・エイルターナー

種族 人種 Lv1

ジョブ 研究者 Lv6


ステータス 状態:デスペナルティ

HP 10

MP 170 (-160)

STR 3 (-2)

VIT 1

INT 9 (-8)

MND 8 (-7)

AGI 7 (-6)

DEX 14 (-13)

LUK 567 +20

残りステータスポイント9



スキル

【体術Lv5】【投擲術Lv8】【集中Lv14】【精密動作Lv6】【解体Lv3】


控え

採取Lv14 採掘Lv1 身体制御Lv1 探知Lv1 疲労軽減Lv1 受け身Lv1 登攀Lv1 逆境Lv1


ジョブスキル

研究


装備

初心者のナイフ

初心者の上着

初心者のズボン

初心者の靴

幸運の証


称号

【再生の兆し】 【幸運の訪れ】 【無謀な挑戦者】【ウォーキング・デッド】



 な~んか色々増えてるぞ……?

 称号は死に続けたのが原因だろうからとりあえずおいといて。

 今まで無かった表示とかあるな。

 スキルレベルもここで見れるようになったのはありがたい。そういえば最初は種族レベルもジョブレベルも書かれてなかったような気がする。

 まさかプレイヤーに合わせて表示が変わるようになってるのか?なんてなめんどくさいシステムを……。でも後々使いやすくなるならいいの?。

 ()の中の数字の分だけ今のステータスから引かれてるんだな。

+は……アクセサリーか。

 ん?ステータスがなんか上がってるっぽいな。

 たしかジョブレベルが上がると自分で振り分けられるポイントの他に、ジョブに合わせたステータスの上昇があるんだったか……?

 リジェネスライムとの戦いが長かったせいで光介から教わった基本的なことが抜けてきてるな。チュートリアルクエストが終わったらきちんとヘルプを読もう。

 次は称号だな。

 リジェネスライムとフォーチュンラビットの称号も確認してなかったしついでに見ておこう。


【再生の兆し】

リジェネスライムを討伐した証

効果

10秒毎に最大HPの1%回復


【幸運の訪れ】

フォーチュンラビットを討伐した証

効果

ジョブレベルアップ時、LUKが上昇すると更に1ポイント上昇


【無謀な挑戦者】

1日に意図せず戦闘で5回死亡した者の証

効果

スキル【逆境】を獲得


【ウォーキング・デッド】

1日に意図せず20回死亡した者の証

何度でも立ち上がる姿はまるでゾンビ

効果

HPが0になる攻撃を受けた時、確率でHPが1残ることがある



 へー、称号でもスキルが増えたりするのか。

 リジェネスライムの称号効果は俺だと実感できないが、HPの高い人が手にいれると凶悪だな。兆しってことはこれより効果が高い称号があるのかね?

 フォーチュンラビットの称号は素晴らしい。LUK4桁を目指す俺にはもってこいの効果だった。

 さすがに自分でポイントを割り振った時には効果が無いみたいだが、それでもかなり強力だ。ユニーク並みの遭遇率の低さは伊達じゃないぜ。

 そしてメインディッシュは死亡回数で獲得した2つの称号だ。

 勘の良い読者諸君ならもうお分かりかな?そうだろうとも。俺にだってわかるもの。この組合せの凶悪さ!

 スキル【逆境】。HPが低ければ低いほどステータスが上昇するパッシブスキルだ。

 そして称号【ウォーキング・デッド】の()()()()()()()()()()。そこに俺のLUK特化のステータスを合わせれば……。




 ふ、ふはは、フハハハハッ!これは遂に俺の時代が来てしまったかもしれない!

主人公は今、人外への道を転がり始めたのです!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ