アンドロイド開発悲劇
「うーむ…」アンドロイドを開発販売しているとある会社、その社長は唸っていた。
「アンドロイドの売り上げが悪いんだがどう言う事だね?」
部下は言った。
「ええ、今年の売り上げは前年の7割です」
書類を投げて溜息を付く。
「何でだろうかね?うちのVK6型アンドロイドは高性能で故障もしない、10年保証付きだぞ」
部下も困ったように言う。
「ええ、それが最近は人間が尊ばれてアンドロイドは嫌われるようになりまして」
「そうか、アンドロイドも開発された初期は目新しさもあってか売り上げが倍増して行ったんだがな」
「過去の栄光ですね」思いめぐらして見ると、まさに過去の栄光じゃないか。
あの当時は高性能になればなるほど消費者は買い続けたんだから。と社長は考えた。
「やはり問題は」社長は立ち上がって言った。「VK7型アンドロイドはどうするかだな」
部下も困ったように言葉を返す。
「ええ、それについてですが…」
社長は部下の言葉を遮って話を始める。
「やはり行動システムはある程度完成形に近づいてきた、やはり他の所で勝負しないとダメだろう」
「つまりはどう言う事でしょう?」
「つまりは外見だよ君、絶世の美女に命令出来て悪く思う人は居るまい」
にこやかにそう結論を出す社長に部下も明るい口調になる。
「確かにその通りです、さっそくVK7型アンドロイドは外見を売りにしましょう」
翌年、部下はまた社長室に入って来た。
「さて、今年になってから発売を始めたVK7型アンドロイドはどうだ?」
「ええ、売り上げは順調に伸びています、ですが」
少し部下の表情が陰る。「何だね?」
社長もその反応に眉をしかめた。
「ええ、やはり美男美女揃いだと人間味が無いのか、怖いと言う意見が出ているようです」
「なるほど、VK8型アンドロイドではそこらへんを改善して、親しみやすい外見にしたまえ」
「ええ、了解しました。開発部に言っておきます」
翌年、部下はまた社長室に入ってくる。
「さて、VK8型アンドロイドはどうだね?もっと人間に近くしたが」
社長はにこやかに受け答える。
「ええ、そうなんですが、やはりシリコンとゴムでは限界があるようで、皮膚や肌色が人間らしくないと言われているようです」
「なるほど、ならば人間の皮膚を培養して使いたまえ」
「ですがそれでは、強度の点で問題が出てくるのでは?」
「大丈夫だとも、人間の年齢より少しだけ長く持てばいいのだから」
「ええ、ではそう伝えておきます」
そのまた次は、筋肉が人間と同じになった。その次の新型は、内臓が人間に近くなった。
そのまた次は、腹痛や妊娠すら可能になった。そのまた次は、病気回路が搭載された。
「さて、」と社長。
「今年の売り上げはどうだね?こんなに人間に近くしたんだから相当売り上げは良くなっているはずだろう?」
部下は少しおびえて言葉を返す。
「ええ、それが…」ためらう部下に社長は少し怒ったように言う。
「何だね?また売り上げが落ちたというまいね」
部下は怯えて言った。「ええ、その通りでして…」
部下は首を縮めながら話を続ける。
「やはり本体がいくら人間に似てても、やはり先入観がありまして…人間では無いと言う点が売り上げを落としているようです」
社長は指先が震え始めていた。
「だとしたら、人間じゃないと売れないじゃないか!人身販売はいかんよ君!」部下はますます縮こまって言う。
「ええ、ですから完全にとは言いませんから、人間に近くすれば良いんです、そうすればきっと売り上げが上がるかと…」
社長は爆発寸前だった。
「なら、人間そっくりのアンドロイドを作れ!そうすれば売れるだろう!」部下は逃げ帰るように社長室を出て行った。
さて、そのまた翌年社長は暗い顔で聞いた。「VK30型アンドロイドはどうかね?」部下はいかにも暗い顔で言った。
「ええ、それが一応売り上げは安定しているんです、ですがやはり作られた機械は嫌だ、反発がありまして…」
社長はもはや怒る気力も無く言った。
「なら、人間と同じ発生方法のアンドロイドを作り給え、そうすれば売れるだろう?」
その翌年、ある一室で少年と少女が話していた。
「これが私の開発物語です。」と少女は明るく話終わった。
「だとすれば、」と少年は話し始める。
「君はどうやって作られたんだい?」少女は元気一杯に言葉を返す。
「私は、人間から産まれたアンドロイドなの!」
小説家になろうと言うサイトの題名から考えてやはり小説の端くれとでも言うべきものでも書くべきだろうと思いたち投稿した次第であります
だから書いたと言う訳では無く何時か思いついた物を流用しただけなのですがね
この作品を見てクスっと笑ってくれる人が一人でも居れば大満足です
もっとも誰も見ずに膨大な数のネット小説の中に埋もれると言う可能性が大では無いでしょうか
なにせ日本の識字率はほぼ100%ですし
そして一人が多数の作品を生み出せる以上日本語で書かれた作品は億を超えると考えれますし
実際はもっと少ないんでしょうけどね