セーブデータ3 彼女は単なる女性以上の何かです。芸術的特質と多くの魅力を持つ妹です。
夏の間ご無沙汰でした、宮島命です。
いやー、時間が全然取れず皆様を待たせてしまいました。
いつも通り五百文字強です。
ではお楽しみください。
彼女曰く「犬以下の価値しかない兄」がお使いをしている頃妹は……
「クフッ……クフフ……あーっはっはっはっはぁ」
爆笑していた。
「馬鹿じゃねえの、あの兄貴」
訂正しよう
すげぇ馬鹿にしていた。
それはもう、この世のすべてを手に入れた魔王のように満面の笑みで。
「財布、ここにあるんですけど……」
彼女の手元には彼の物と思われる財布があった。
「かっこわりいなぁ……」
そう言った彼女の顔は悪役そのものだった。
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『ガチャガチャ……』
そんなことをしていると兄貴が帰ってきた音がした。
その音が聞こえてからの妹の行動は早かった。
鏡を取り出して身だしなみをチェックし、
財布をいつも彼が座っている辺りに寸分違わず投げ込み、
彼が部屋に入ってきたのを確認すると、
帰って来た兄に対して笑顔を向け、
「おかえりなさい、おにいちゃん」
と、言った。
何も知らない彼は、
「ただいま、ハル」
と笑顔で答えを返した。
これが、彼女と彼の日常。
彼女にとって彼とは自分よりも下の存在であって、それ以上でもそれ以下でもなく、
彼にとって彼女とは自分が守るべき存在であって、それ以上でもそれ以下でもない。
さながら、王女とナイトの契約のように、何時の間にか二人の間に出来ていた約束。
彼と彼女の関係はいつまでも続いていく。
短くてすいません。
今回はここまでということで読んで下さりありがとうございました。
キーワードにもある通り超不定期更新ですので『そういえばあんな小説があったな~』みたいな感じで思いついたときに読んでいただけたらうれしいです。