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徒然怪談  作者: 由希
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きぬこさん

僕の街には、『きぬこさん』という都市伝説がある。



僕が最初にその名を聞いたのは、幼稚園の時だったように思う。言う事を聞かない悪い子は『きぬこさん』に拐われるよと。

それ自体はよくある話だ。しかし他と違うのは、『きぬこさん』に実際に会う方法が伝えられている事だった。

「早く呼べよ」

僕は他所の街に住む悪友の佑一にせがまれて、今から『きぬこさん』を呼ぶ所だった。『きぬこさん』は呼び出せば、身に降りかかる一番近い不幸を教えてくれるのだという。

「行くぞ」

ペットショップで買ったばかりのハムスターにナイフを突き立てる。ハムスターは暴れ、叫んだが、やがて動かなくなった。

その死骸を人型に切った紙と一緒に燃やし、『きぬこさん』と三回唱える。これで合っている筈だ。

「……!」

急に目を見開いた佑一の視線を追う。するとそこには、いつの間にか一人の女性が立っていた。

「教えよう。お前達は死ぬ」

女性がそう言うと、急に視界が回転した。回る視界に、佑一の首が体から離れて飛んでいくのが見える。そして首のない僕の体も。

……ああ、噂は、何も間違っていなかったなと、妙に冷静になりながら僕の意識は暗転した。

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