表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
GLOBAL SHOUT!  作者: 丸尾累児
番外編「エル・ヴィオラ トリビューン! 一撃冒険団編」
39/53

「ハマナ・カバナの突撃同行取材!/第2回」」


 前回までのあらすじ。


 ユーザーコミュニティへの突撃同行取材を敢行したボクとプラウド。女の子3人の小さなコミュニティだったけど、それでもボクは超うれピー(死語)。色々手料理をごちそうになれるかと思ったけど、プラウドに突っ込まれながらもATNPCを引き連れてバベルの塔に行くことに。

 そこで待ち構えていたのは、女神のような美しさを持つ女の子だったっ!?


  ↑ 違えよ。 byプラウド





 さて、団長の振り返りなど無視して……。

 (本人は納得がいかない様子)



 続きと行こう。

 前回は長靴キャッツのみなさんに同行して、傭兵ギルドでATNPCの勧誘を行った。

 その結果、魔術士、魔法学士、戦士の4人のATNPCの勧誘に成功! ちなみに団長のメインジョブはシーフ、私は重奏騎士という今回追加された吟遊詩人とナイトのエクストラジョブだ。

 この重奏騎士の説明については、のちのち詳しく説明する。


 我々は、ATNPCを連れ立って『バベルの塔』へと向かった――目的は、もちろんダンジョンの攻略だ。

 通常、プレイヤー同士の攻略ではDPSに対して、高い火力を求められる。

 ところが、今回導入されたATNPCはNPC自身が学習すると同時に、サーバが新たなNPCを生み出す際に学習で得られたデータを元により強いNPCを構築するように出来ている。こうしたシステムのおかげで、プレイヤーは少人数でも高難易度のダンジョンに挑むことが出来るというわけだ。



 ただし、デメリットがないわけでもない。



 プレイヤーはATNPCに対して、高い金銭を支払わなくてはならないし、傭兵の場合だと拘束時間が契約内容次第で決められてしまう。

 当然、粘り強く交渉すれば、こうした拘束時間は多少なりと延長するだろう。これが今回雇った傭兵ギルドのATNPCの特徴である。



「ん~ということは、彼らって攻略中に帰っちゃう可能性もあるってわけ?」

「そういうことですね、団長」

「じゃあ、いきなり戦闘中に『時間になりましたので帰ります』なんてこともあるんだ」

「もちろん、そうなった場合は救済措置として終了後に帰還というシステムになってますよ」

「なら、安心だね!」



 読者のみんなもご安心いただきたい。

 団長の杞憂など小さな悩み事のもの――拘束時間が決まっているからといって即時帰還するわけじゃない。言葉がしゃべれるATNPCは、プレイヤーとのコミュニケーションが図れるのだ。


 当然、彼らとの交渉も可能。

 引き続きATNPCとの冒険を楽しめるってわけさ。


 そんなことを話しながら、我々はバベルの塔の奥へと進む。

 タンク役は、ナイトのヴァネッサさん!

 そのヴァネッサさんを筆頭にリリンさんが切り込み、プリーストのアウラさんが回復する。私と団長は、ATNPCたちと共に攻撃と支援に徹し続けた。



 最初に待ち受けていたボスは――鉄巨人っ!



 門兵を思わせる出で立ちでありながら、その巨体は圧巻。



「でっけえなぁ~、ホントでっけえな~」



 なんで2回も言うのよ。

 相変わらず団長はネタを差し込むのが好きだなぁ~。

 そんなことは、さておき。

 さっそくATNPCと共に攻略に取りかかる我ら。複数敷かれる円形範囲の床設置型ギミックは、数秒間凍結してしまうので床の上を滑る仕様となっている。

 しかも、壁際には手すりがなく、滑りすぎると塔の下へと真っ逆さま。

 円と円の間に生まれるわずかなスペースが安全地帯だ。しかし、殲滅が進むと今度は巨人が体躯に似合わぬ大きさの剣をなぎ払って攻撃を仕掛けてくるので、安全地帯も安全地帯と呼べなくなる。

 パーティの連携が鍵だぞ。



「この大縄跳び失敗したら、一発即死ってキツイね」

「まあ、そういう仕様ですし」



 とにかく、剣と氷のギミックを上手に交わしながら近付いていこう。

 ヒーラーや遠隔DPSは剣を避けながら、頭上から降ってくる大岩に注意が必要だ。その際、滑って落ちてしまわないように。

 こういったとき、NPCはどう動いているか?

 もちろん、プレイヤー同様に連携を取って回避してくれる。



「次、大剣来ます!」



 このように声掛けをしてくれて、なおかつ物理攻撃の弱体デバフを私用してくれるなどプレイヤーにとって美味しい攻撃をしてくれるのだ。

 今までのルーチンを繰り返すだけのNPCならば、このような機敏な動きなどできないだろう。

 では、もしヒーラーであった場合はどうするのか――答えは明確。

 ヒーラーとなったATNPCは、その独自の思考でプレイヤー全員の回復をまんべんなく行ってくれる。これはソロプレイヤーでも攻略が難しいダンジョンにおいても、貴重なパーティメンバーになりそうだ。



「プラウド。オマエの出番だぞ!」



 そう言って意気揚々と攻撃を仕掛ける団長。

 私ので出番と言うからには、前に出るしかあるまい。なにを隠そう私ことプラウドのジョブは、今アップデートで実装された重奏騎士なのだ。

 重奏騎士とは、盾に備えられた魔法の楽器によって自身を強化するアビリティを発揮するタンクのこと。

 クロスアビリティ『戦歌』は様々な種類の歌があり、強化や回復などバリエーションに富んだものが用意されている。これらを使えば、自分だけではなく味方の継戦能力もアップするのだ。



 こうして、我々は1ボスである鉄巨人を難なく殲滅。

 ところが塔の中に入ってからが問題だった――。



「なんじゃこりゃ……?」



 団長が驚くのも無理もない。

 壁や床一面に羅列された文字だらけ。これは、なんらかの仕掛けが施してあるのだろう。詳細については、実際に攻略して確かめてもらいたい。



 そうこうしているうちに2ボスに突入。

 ところがどっこい――さすがハイエンドコンテンツいうべきか。

 2ボスは巨大な蜘蛛型の化け物で、床一面が蜘蛛の巣で張り巡らされている。

 これに足を取られて動きが鈍っているところへ落下物や遮蔽物が落ちてくるので、ボスの全体攻撃をまともに食らってしまう。

 一筋縄ではいかないらしい。

 それから、我々は何度も死んで制限時間を浪費し続けていった。



「うーん、なかなか攻略できないですね」

「大丈夫だよ、こんな時こそ『ゲム通』の攻略本を……」

「コラァーッ!! なんでよりによって他社の書籍出しちゃってんのさ!」

「あ、でも最近ゲームレビューの件で色々とあったし、この本大丈夫かな?」

「ウチはきっちり評価してますからね。そこんところ、ハッキリと言っておきますよ」



 際どいネタを出しおって……。

 念押しで申し上げるが、我々は『月刊一撃ゲームステージ』の編集記者である。 こんな記者のプライドの欠片もないようなことは絶対にしてはならないと胸に誓って言おう(団長を除いて)。



 この後、どうにかしてATNPCと共にバベルタワーをクリア。

 ATNPCの活躍もあって、なんやかんやで楽しめました。



「いやぁー予想以上にATNPCは活躍するね」



 と感想を漏らす団長。

 それほどにATNPCがプレイヤーの思考に近い動きをすることであろう。普通のNPCであれば、特定のルーチンに沿った行動しか出来ないが、ATNPCは思考するNPC。その点を考えて、レイド攻略に活用することをオススメする。

 取材に協力してくれた長靴キャッツのみなさん、ありがとー!!




☆次号予告☆

次号はな、な、なんと……っ!?

ATNPCと結婚しちゃったプレイヤーさんを紹介するぞ!!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ