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GLOBAL SHOUT!  作者: 丸尾累児
Chapter3「お嬢様、現実は厳しいモノでございます」
25/53

第4節「海底大空洞に挑め!/その4」


 一難去って、また一難。

 いまの友紘たちにはそんな言葉が似合うだろう。結局、あの後ミカリンの暴走して連れてきたネプチューンの矛を戦利品として持つドラゴンに全滅させられた。

 そのことをレイドダンジョンの入り口に戻って、ロイが代表して追及するはずだった。ところが怒りの沈まぬ友紘が割り込んで、ミカリンと取っ組み合いになってしまったために話し合いにならなかった。


 あとのことは言うまでもない。



「もういいわよ。やらないなら、私は帰るから」



 そんな傍若無人なことを言って、ミカリンは去って行った。

 おかげでその場にいた全員のやる気はめっきり削がれた。もはや死に体も同然で、饒舌にまとめ役を務めていたロイも口数が少なくなっている。

 またクローバーラウンズのメンバーも幾人か残っていたが、さすがに自分が所属するコミュニティオーナーのあまりにヒドい態度に不審を抱いていたのだろう。

 口々に「抜けようかな」と言葉を漏らしていた。

 友紘も仲間たちの暗いムードに呑まれ、肩を落としていた。


 そんな中、とっさにロイの口から思わぬ言葉が飛び出る。それは、攻略を諦めて半ば返ろうとするメンバーの気持ちに一筋の光をもたらすモノだった。



「よろしければ、また後日やり直しませんか?」



 その言葉は、友紘にとっても炎天下の砂漠でオアシスを見つけたぐらいの言葉だったのは間違いない。


 なにせミカリンと争った後である。ヒドい目に遭ったという疲労感がロイの言葉によって救われ、友紘の渇いた心は瑞々しいまでに潤った気がした。




 それから、後日。




 友紘はロイの呼びかけに応じて、再度レイドダンジョンの入り口に立った。もちろん、ミカリンを除いた先日のメンバーがこの場に集っている。

 加えて、新たに別のTCメンバーが参加してくれることになった。


 今度こそイベントダンジョンをクリアできる。


 友紘はその期待感から気持ちを新たに気合いを入れた。



 そして、数日ぶりにダンジョンへ突入。



 ロイの「行きますよ」の一言に全員が武器を握りしめていた。

 レイドダンジョン内は、先日攻略に取りかかったときと同じで構造自体はなにも変わらなかった。さらに攻略方法もほとんど同じである。

 違ったことがあるとすれば、配置されたモンスターが前回とは違っていたことだ。

 しかし、これはシステム側がランダムに配置するモンスターを決めているだけで攻略方法はほとんど変わらない。友紘が事前にまとめwikiで調べて把握していた情報だった。



 着々とラスボスの部屋に向かって進む。



 前回は、ミカリンがネプチューンの矛のNMを勝手に連れてきてしまったこともあって、ラスボスとの戦闘にこぎ着けることができなかった。

 それだけに友紘の中には「今度こそ」という強い思いがあった。



「どうした? なにやら、いつも以上に気合い入ってねえか?」



 と、察した泰史に訊ねられる。

 それに対して、友紘は真剣そうな表情で答えた。


「まあね。前回はアイツのせいで滅茶苦茶だったからな」


「ミカリンか~。そういや、アイツのTCからずいぶん人が減ったらしいな」


「ああ、それさっき抜けた人から聞いたよ。なんかみんな触らぬ神に祟りなしでいたみたいだけど、あそこまで極端なことされちゃったら、さすがに同じTCにいたいと思わなくなるよね」


「……だな。その意味じゃ、今回のことはいい教訓になったんじゃねえの?」


「俺もああいう輩に関わらない方がいいってこと、ずいぶん学ばせてもらった気がするよ」


「なるほど。そりゃあ気を入れ替えて、イベントに集中したくもなるわな」


「ところでクロウさんや」


「なんですかい、クルトさん」


「どうして忍者をやろうと思ったわけ?」


「……はい? なに言ってんの、オマエ」


「いや、だからさ。どうしてそのジョブで始めようと思ったのかなぁ~って」


「それ言ったら、オマエだってなんで武術家で始めたんだよ」


「もちろん、一番の理由はカッコイイからだよ。あと、手数も多くてある程度ダメージを与えられる前衛職だし」


「んなこと言ったら、俺だって同じような理由よ……ってか、なぜそんな質問をしてくるワケ?」


「うん、ちょっとね……」



 そう問われ、友紘は口を閉ざした。

 すぐにでも答えたかったが、いまさら自分の始めたジョブに疑問を抱いているとは言い出せなかったからである。仮に1から別のジョブで始めたとしても、その頃にはオープンベータ版は終わってしまう。

 それだけに動かそうとする唇は錆びた扉のように重かった。



「なんだよ。さっさと言えよ」



 と泰史がせかしてくる。

 そのせいか、友紘の中に迷いがなくなった。

 意を決して、話を切り出す。



「実は武術家をやめて、他のジョブをやろうと思ってるんだ」


「なんだ、そんなことか」


「そんなことじゃねえよ。俺にとってはスゴく重要なことだ」


「……で、ジョブ変えて、オマエさんはどうしたいワケ?」


「どうって……。そりゃあもっと強くなりたいに決まってるじゃないか」


「だったら、武術家でもいいだろ。ワケもわからず最初から始めようなんてやってたら、なに1つ極められないぜ?」


「そりゃあそうだけどさ」


「サブジョブを変えるだけじゃダメなのかよ」


「確かにその手もありだけど、召喚士以外で役に立つジョブってあったかなあ?」


「いっぱいあんじゃん。例えば、ステータスをバランス良く底上げする戦士だとか、付加効果と回復が同時に付く気功術が使えるようになるプリーストだとかさ」


「う~ん、俺が求めてるのはそういうんじゃないんだよ」


「じゃあどういうのがやりたいんだよ?」



 と問われ、友紘は腕を組んで思い悩んだ。

 別に武術家と召喚士という組み合わせがイヤだったわけではない。むしろ、いろんな雑誌で言われている通りベストな組み合わせだとも思っていた。

 さらにユアたんに負けた悔しさも相まって、気持ちが強い変化を求めてしまう。友紘はしがらみのようなそんな感情にとらわれた。


 不意に「おい」と声を掛けられる。

 声に従って振り向くと、祐鶴が不機嫌そうな顔つきで見ていた。その後ろでは、すでに全員の準備が整え終えたらしいメンバーが部屋の扉の前に固まっている。



「2人とも、いつまで話してるんだ。そろそろボス部屋に突入するぞ?」



 友紘はそうした指摘に惚けたような声で「ゴメン」と謝った。

 ラスボスを前に別なことで少し思い悩みすぎていたらしい。友紘は気持ちを切り替えることにして、再度泰史の方を向き直った。



「やっぱり、もう一度考えてみるよ」


「マジでその方がいいって。よく考えた上で変えるか変えないかを判断しろよ」


「うん、わかってる」



 それから、友紘はラスボス部屋の方に身体を向けた。

 扉の前には、幾人ものメンバーが集っていた。その中央では、ロイがいつでも突入可能であることを現すように巨大な石の扉に手を触れている。


 友紘は装備やアイテムを確認すると、改めてラスボスに挑む気持ちを高めた。



「いいですか、行きますよ?」



 直後、ロイが準備状況を確かめてくる。


 友紘が「準備オッケーです」と返事をすると、連なるように全員が同じ答えを返した。すると、一足先にロイが扉を開けて中へと入っていく。

 友紘は一団と共に駆け足で入室し、視線を部屋の奥の方へと向ける。



 すると、そこには屈強そうな肉体を持つインディゴブルーの肌を見せる巨人がいた。



 大きさを一言で表すならば、その頭をいまにも天井にこすりつけそうだということだろう。だが、友紘たちがまだセーフティエリアにいることもあり、凶暴さを現す鋭い眼光とは裏腹に定められた位置に留まっていた。



「突撃~っ!」



 不意にロイから戦闘開始の合図がなされる。


 それと共に各員が一斉に駆け出した。


 前方を注視すると、ウサ猫が先行して雑魚を引きつけている。

 入室前、ロイが説明していた通りの囮役をこなすつもりらしい。ただ今回はウサ猫だけでなく、他にも3人の囮役がいるようだった。


 それは、友紘の位置からもハッキリと見えた。


 4人の囮役が雑魚を連れて各方面へ散っていく。そうした光景を見ながら、友紘は巨人の前面に立つナイト2人を飛び越え、予定通り側面からの攻撃を開始した。

 右手、左手、左足、クロススキル――と、次々と攻撃を繰り出していく。


 ラスボスの敵意は完全にナイト2人に向けられているのか、友紘の方を見ることはなかった。友紘は巨大な体躯をよじ登るように駆け上がり、その拳を叩き付けた。



「紅蓮連拳っ!」



 赤々とした炎をまとった打撃が巨人の顔に炸裂する。


 巨人は友紘の攻撃が聞いたらしく、その巨大な身体をよろめかせた。

 併せて飛び乗った左肩が斜めに傾く。しかし、友紘はそのことを諸戸もせず、さらに攻撃を加えようと試みた――が、途端に巨人の右拳が向かってくる。

 そのせいで、友紘は回避行動を取らざるえなかった。



 だが、友紘が避けることはなかった。



 なぜなら、巨人の拳は肩車をした2人の大人がようやく手の甲によじ登れるほどの大きさだったからである。

 おまけに突進するイノシシのようなスピードと狭い幅のない巨人の肩。友紘はなすすべもなく、真っ向から巨人の拳に当たって吹き飛ばされた。



 直後、激しい衝撃が全身を襲う。



 友紘は数メートル先の部屋の隅まで飛ばされた。

 幸い壁に叩き付けられることはなかったものの、巨大な体躯からの落下は必然的に床に叩き付けられる結果となった。

 さらに擬似的な痛みが駆け巡り、痛みのせいで身体は鉛のように重くなった。同時に排水弁を抜いて、勢いよく流れる水のごとくHPが減っていく。

 友紘はHPが一気に失われるを目にするなり、自分の身になにが起きたのかわからなくなった。



 とりあえず状況だけでも確かめようと思い、力を込めて鈍重な身体を起こす。



「誰かクルト君に回復を! 急いで!」



 すると、とっさにそんな声が耳に聞こえてきた。


 友紘は祐鶴らしき声に何らかの変化が起きたことを悟り、部屋の中央の方を見た。そこではユニオンが若干混乱している様子が見受けられた。先ほどまでナイトを攻撃していたラスボスが側面にいた前衛ジョブを攻撃していたからである。



(……いったいなにが……)



 そう思いながらも、囮組の方を振り向く。

 けれども、友紘が見た方角にはウサ猫たちの姿はなかった。それどころか、なぜか巨人の足元に雑魚が群がっている。



 とっさに入室前に聞いたロイのある言葉が頭をよぎる。



「ラスボスには、敵対心が減少するという特性があります。また時折カウンターを繰り出してくることもありますので、近接アタッカーの方はこの点に留意してください」



 友紘はそのことを思い出し、ようやくヘイトリセットが行われたことを知った。

 すぐさま体勢を立て直そうと、急いで巨人の足元へと駆けていく。その間、友紘のHPはヒーラーからの回復魔法を受けて回復した。


 万全の状態、いまならそう言えるだろう。


 けれども、混乱した状況を脱したわけではない。

 できるだけ雑魚を遠ざけ、ラスボスである巨人を殲滅しなければならなかった。



「雑魚を倒してしまってもいいのですが、結局新しく出現するのでそのままマラソンするのがオススメです」



 というロイの説明を思い返す。



「囮役の人、早くここから出て雑魚を遠ざけて!」



 友紘は混乱した状況をどうにかしようと、囮役のメンバーに声を掛けた。

 しばらくすると、ナイトたちが再び巨人の注意を引きつけた。スキルや攻撃を駆使して必死に敵意を向けさせようとしたためか、現実と同じように疲労しているように見えた。

 友紘はそうした苦労を水に済まいと思い、巨人に向かって攻撃を加え続けた。




 それから、10分後。

 ようやくラスボスである巨人が倒れた。




 勝利の音楽が流れると同時に獲得した経験値が表示される。

 友紘は地面に崩れ去る巨人を見ながら、喜びのあまり右腕を挙げて飛び跳ねた。



「よっしゃー、勝ったぞぉ~っ!」



 その喜びは前回のミカリンが暴走したこともあって、人一倍うれしかった。


 爆発した感情を抑えきれず、つい近くにいた泰史にハイタッチをしてしまう。友紘には、それだけオープンベータ版初のレイドダンジョンをクリアできたことが喜びだった。




 やがて、目の前で巨人の身体がガラスのように粉々になり、目の前に大きな宝箱が現れた。




「お宝、なにかなぁ~? なにかなぁ~?」



 雑魚を引きつけていたウサ猫が駆け寄ってくるなり、嬉々とした声を発する。

 その声につい兄である友紘も釣られ、リズムに乗せて「お宝」という単語を連呼した。



「では、お待ちかねのお宝を明けますね――いざオープンっ!」



 と言って、ロイが宝箱の施錠を外す。


 ギィーという宝箱が開く音が立てられ、不明瞭だった中身が姿を現した。宝箱の中には、たくさんの通貨とたくさんのレアアイテムが入っていた。



「おっ、結構いっぱい入ってるじゃん」



 そんな感想を漏らしつつ、中にあったアイテムの1つを手に取ってみる。

 友紘が手にしたのは、バレーボールほどのまん丸い金色の球だった。

 おもわず「巨人の金●」と声に出してしまいそうになったが、それ以上に「SS/投擲」という文字がウィンドウに踊っているのを見て驚かされた。



「なんじゃこりゃ……?」 



 いままでに見たことのない武器。

 友紘はそんなアイテムが今回の収穫した目玉アイテムだったことに戸惑いを隠せなかった。



「ちょっと見せてくれ」



 横から祐鶴が話しかけてくる。

 友紘は素直に金色の球を祐鶴に手渡すと、その正体を確かめさせた。



「これ、なんだと思う?」


「額面通りに受け取るなら、投擲武器ってことではないか?」


「ってか、使えんの……?」


「ん~どうやら、使用できるジョブはバガボンドだけらしい」


「バガボンドって、あれでしょ? メインジョブにすると、サブジョブに違うジョブの特性を2つぐらい付けられる謎のジョブ」


「『いまのところは』だがな」


「そんなモノにボール持たせて、運営はなにがやりたいの?」


「私に聞かれてもわからんよ。とにかく、これも分配アイテムの1つだってことだ」


「いらねぇ~」



 友紘はそう言って、目玉アイテムが残念なモノだったことに不満を漏らした。


 それから、すぐにアイテムの分配が行われた。

 欲しいアイテムをロットすると、システム側がランダムで抽選を開始する。友紘はその抽選結果に従い、次々とアイテムを手に入れていった。




 しかし、最後に残されたのは、やはりあの金色の球だった。




 全員が使いどころが悪いと思ったのだろう。

 攻撃力や攻撃間隔が短いものの、使うジョブが限られている。そんな内容を見せられ、ユニオンメンバー全員が敬遠しているようだった。

 さすがのロイも困ったらしく、



「え~っと、誰かもらってくれませんか……?」



 と苦笑の声を上げている。


 周囲を見渡すと、全員同じ顔を見せていた。

 友紘は致し方ないと思い、「自分がもらいます」と言って取得ボタンを指でタッチした。すぐさまシステムが「タクティカルボール」という名付けられた金色の球を入手したことを伝えてくる。


 不意に誰かに肩を叩かれる。

 すると、左側に泰史がニヤリとした顔で笑って立っていた。



「大切に扱ってね、それはオジさんの金の――」


「やかましいっ」



 泰史の茶化しに即座にツッコミを入れる。

 友紘にしてみれば不快な発言だったが、周囲の空気がそうさせているのだろう。目を合わせる誰も彼もがニヤニヤという表情を浮かべていた。



「み、み、みんな勘違いしないでよ……? これは武器だからね、ちゃんとした武器だからねっ!?」



 そう言って、友紘はどうにかこの場を切り抜けようとロイに助けを求めた。



「え~、はいはい。そろそろ宴もたけなわですので、この辺で終わりにしましょう!」



 さすがユニオンリーダーを務めたことだけはある。

 友紘はそう思いながら、ロイのとっさのフォローに感謝した。



 その直後、「お疲れ様でした」という全員の声が飛び交った。

 友紘は安堵の溜息を漏らすと、その場で大きな背伸びをして見せた。もちろん、VRMMOで心地よい疲労感など感じられるはずがない。

 しかし、それだけ充実した時間が遅れたのだろう。



 友紘は現実の世界で体験したかのような満面の笑みを浮かべた。



「お疲れ、クルト君」



 近くにいた祐鶴が話しかけてくる。

 周囲を見ると、全員が同じように満喫したような表情で語り合っていた。



「お疲れ。なんかかんだで、みんなイベントを満喫したみたいだよね」


「そりゃあそうさ。なにせこのイベントがオープンベータ版の最初にして最後のイベントだからな」


「だよねぇ~。というか、このイベントって何回でもチャレンジできるんだっけ?」


「その点は大丈夫じゃないか? ただ2週間という期間限定ではあるんだが……」


「2週間かぁ~。来週あたりから中間テストの勉強始めないと、ウチの親うるさいからな」


「クルト君は成績はどのぐらいだ?」


「中の下がいいところだよ。ヘタをすると赤点ってことも……」


「普段から予習をしてないからだ」


「そういう委員長……じゃなくて、夕凪さんはどうなのさ? ゲームを始めてから落ちたんじゃないの」


「そこは自己管理というヤツさ。君がきちんと努力していれば、エタファンをやってる時間だって作れるだろ」


「なんだよっ、自分は成績優秀だからって余裕ぶっちゃって」


「そうひがむな。あとでテスト勉強に付き合ってやる」


「マジでっ!?」


「ああ、これでエタファンできなくなったと言われても困るしな。クロウやウサ猫君も連れて、みんなで一緒にやろうじゃないか」


「オッケー! じゃあいつやるか決めないとね」



 そう言うと、友紘はそのことを伝えようと2人の方へ歩き出した。


 意気揚々と近づいていく。

 ところがそんな気持ちを阻害するように1件のメールがピッという音ともに着信したことを示し始めた。メールは、プレイヤーの目に触れられるようにするためか、中央にでかでかと表示されている。

 友紘はその表示をうざったく思い、中身を確認してすぐさま消すことにした。


 しかし、メールを見た途端に友紘の表情が一変した。







『僕を見て、僕を見て! 僕の中のモンスターがこんなに大きくなったよ』







 運営側が送ってきたとも思えない謎のメッセージ。

 ましてや誰かのイタズラとも思えない。

 友紘は他のメンバーに助けを求めることにした。ところが顔を上げた途端、周囲でも同じように着信したメッセージを確認している姿を目撃する。



「……もしかして、みんな同じ内容のメールなの?」



 友紘はまさかの事態におもわずそうつぶやいた。





 

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