婚約破棄されましたが、二年後には結婚式を挙げることができました!~幸せなのなら何でもオーケーです~
その日は突然やって来た。
「リィン、悪いがね、君との婚約は……破棄とさせてもらうゼェッ!!」
――婚約者である彼ディバンスから関係の終わりを告げられる日。
「これまでずっと言いづらくて悩んでたんだ。けど、もう我慢はしないって決めた。と、いうことはァ? ……はっきり言う! はっきりと伝えるゥッ!! それだけだ」
彼はそんな風によく分からない言葉を並べて。
「俺は新たなる第一歩を踏み出すゥッ!! そして、今よりもっと、ずっと、幸せになってみせる。てことでェ、バアアァァァイ!!」
驚くくらい急に関係を終わらせたのだった。
◆
婚約破棄宣言から数日。
とても暑い日だった。
路上で見かけて惚れた女性に声をかけ、執拗に追い掛け回し続けたディバンスは、熱中症になり倒れそのまま命を落としてしまったそうだ。
その話を聞いた時は驚いたけれど、かなり暑い時期だったので「まぁそんなこともあるか」と思っただけだった。
何の前触れもなくいきなり婚約破棄を宣言してくるような人、正直どうでもいい。
◆
あの婚約破棄からちょうど二年となる今日、結婚式を挙げる。
純白のドレスを身にまとい。
愛しい人の隣に立って。
希望に満ちた未来を見据えながら祝福の声を浴びる。
「結婚おめでとう、リィン!」
「ありがとう」
「絶対幸せになってね! またお茶しよ? あたしたちのことも忘れないで!」
「うん、当たり前に覚えてるよ」
「おめでとうござりまする、リィンさま。これからも常に幸せを願っておりまする。ですから、穏やかな幸福に身を浸してお暮しくださりませ」
「ありがとうございます、先生」
誰もが結婚を喜んでくれている。
その事実がとても嬉しくて。
こうして祝ってくれる皆のためにも幸せになろうと決意した。
「リィン、可愛い子。……今日からは、リィン・バーグーハン・バグーンハンバ・ンハンバーグーン・ハンバグーンになるのね」
「新しい名前覚えてくれてありがとう、お母さま」
「リィン・バーグーハン・バグーンハンバ・ンハンバーグーン・ハンバグーン! 一生幸せに暮らすんだぞ!」
「練習してきてくれてありがとう、お父さま」
私は今日から、リィン・バーグーハン・バグーンハンバ・ンハンバーグーン・ハンバグーン!
……ちょっと長いな、この名前。
◆終わり◆




