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『異世界の通貨が日本円!? スキル【100円ショップ】をもらった平凡大学生、100均グッズと弓の戦術で最強美少女たちと無双&経済支配!』  作者: 月神世一


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EP 5

英雄太郎王。熱狂のアルクス領

「ウオォォォォォォォォォッッ!!!」

「我らがタロウ様に栄光あれぇぇぇぇっ!!」

帝国正騎士団を文字通り『秒殺』した翌日。

アルクス領……いや、巨大都市『リトル東京』の中央広場は、かつてないほどの異常な熱狂と興奮のるつぼと化していた。

100均の『拡声器メガホン』を持ったゴルスが、広場の中央で瓦版(号外)を振り回しながら叫んでいる。

「聞いたか野郎ども! ゴルド商会の特急便が運んできた最新情報だ! 昨日、俺たちの城壁の前で無様に散った帝国正騎士団の敗報が、一晩で大陸中に知れ渡ったぞ!!」

「「「ウオォォォォォォッ!!」」」

「大陸中に激震が走ってるぜ! 『無敵のルナミス帝国騎士団がボロ負け』! 『平和を愛する英雄・太郎王に弓を引くとは何事か』! 今や帝国各地の民衆が、暴君である皇帝に反旗を翻し始めてるんだ!!」

ゴルスの言葉に、数万人の領民たちのボルテージが限界を突破した。

彼らの怒りの理由は、崇高な政治理念などではない。

「ふざけやがって! 俺たちの『ヤサイマシマシニンニクアブラカラメ』を奪おうとした罪は重いぞ!」

「やっと毎日お腹いっぱい『TKG(卵かけご飯)』が食べられるようになったのに、それをぶち壊そうとするなんて絶対に許さねぇ!」

「大胸筋が怒りで張り裂けそうだぜぇぇっ!」

美味しいご飯と、暖かくて安全なマンション。

タロウがもたらした『至高のスローライフ』を脅かそうとした帝国に対し、領民たちの怒りと忠誠心は完全にメーターを振り切っていたのだ。

「……なんか、えらいことになってるね」

マンションのバルコニーから下を見下ろし、僕は少し引きつった笑いを浮かべた。

「タロウさんが、みんなの生活を豊かにしてくれたからです。みんな、タロウさんのことが大好きなんですよ」

サリーが嬉しそうに微笑みながら、僕の腕にギュッと抱きついてくる。

「それにしても『英雄太郎王』って……。いつの間に国(太郎国)として独立したことになってるのよ」

ライザが呆れたようにため息をついたが、その瞳には隠しきれない誇らしげな光が宿っていた。

その時である。

「タロウ様ぁぁぁーーーッ!!」

バンッ! とバルコニーの扉を開け放ち、セバスが涙と鼻水で顔をグシャグシャにしながら飛び出してきた。

彼はもはや完璧な執事の仮面を完全に投げ捨て、片眼鏡をギラギラと光らせて僕の前に勢いよく片膝をついた。

「民の怒りは頂点に達しております! 憎きルナミス王が、我らが『太郎国』に刃を向けたのです! 今こそ、本国に乗り込みましょう!!」

セバスの熱を帯びた絶叫が、眼下の広場にも響き渡った。

「そうだ! 太郎王に続けぇぇっ!」

「帝国の連中に、100均チートとプロテインの恐ろしさを教えてやれぇぇっ!」

広場から湧き上がる、地鳴りのような大合唱。

そして、僕の背中に負った神殺しの弓『雷霆』までもが、ビリビリと紫電を散らして脳内に直接語りかけてくる。

『クハハハハッ! 聞こえるぞ主よ、数万の民が汝の覇道を望む声が! 売られた喧嘩だ、相手の玉座ごと理不尽な火力で木っ端微塵にしてやろうぞ!』

(……まったく、どいつもこいつも好戦的すぎる)

僕はやれやれと肩をすくめた。

僕はただ、可愛い女の子たちと美味い飯を食って、ダラダラと平和に暮らしたかっただけなのだ。

だが、あのヒステリックな皇帝が玉座にふんぞり返っている限り、このリトル東京に真の安息は訪れない。また忘れた頃に、面倒なちょっかいを出してくるに決まっている。

「……ライザ、サリー。少しだけ、遠出の散歩に付き合ってくれるか?」

僕が振り返って問うと、二人は顔を見合わせ、満面の笑みで力強く頷いた。

「ええ。あなたの行く道なら、地獄の底まで切り開いてみせるわ」

「私にできることなら、なんでもします! タロウさんのために!」

二人の返事を聞き届け、僕は眼下の広場に向かって、ゆっくりと右手を掲げた。

途端に、数万人の大歓声がピタリと止み、水を打ったような静寂が訪れる。全員が、僕の次の言葉を待ち望んでいた。

僕は大きく息を吸い込み、腹の底から声を張り上げた。

「分かった。――ルナミス帝国本国に、進軍する!!」

「「「「「ウオォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォッッッ!!!!!!!!!」」」」」

アルクス領の空を突き破らんばかりの、狂熱の大歓声が爆発した。

「ヒャッハー! 荷造りだ! 100均の【携帯用プロテインシェイカー】を忘れるなよ!」

「タロウ、あたしもお酒のつまみ(柿ピー)持ってくー!」

マッスル兵士たちが雄叫びを上げ、ルチアナが芋ジャージ姿のままストゼロを片手に飛び跳ねている。

こうして、平和を愛する一人の日本人大学生は、数万の熱狂的な民衆と、規格外の近代兵器(100均DIY)、そして神殺しの弓を携え、大陸の覇者であるルナミス帝国を物理的に終わらせるための『お散歩(進軍)』を開始したのだった。

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