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『異世界の通貨が日本円!? スキル【100円ショップ】をもらった平凡大学生、100均グッズと弓の戦術で最強美少女たちと無双&経済支配!』  作者: 月神世一


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EP 4

誕生、サトウ男爵! 丸投げのアルクス領

「…………えぇ〜〜〜〜〜ッ!?」

王宮の大食堂に、僕の情けない悲鳴が響き渡った。

「だ、男爵!? 領主!? ちょ、ちょっと待ってください陛下! 僕はつい最近までただの村人(ホントは日本の大学生)だったんですよ! 政治とか領地経営なんて、絶対に無理です!!」

全力で手を振って拒否する僕。

その後ろで、サリーは「タロウさんが貴族様に……!」と目を輝かせ、ライザは「帝国の爵位を賜るなんて、冒険者としては最高の名誉ね」と腕を組んで深く頷いている。いや、他人事だと思って!

「案ずるな、若き英雄よ」

カレーですっかり元気を取り戻した皇帝は、鷹揚に頷いた。

「お主には類まれなる知恵と、この素晴らしい『美食』を生み出す力がある。アルクス領は帝都から少し離れた辺境じゃが、資源は豊かだ。お主の力なら必ずや発展させられよう」

「いや、でも税金の計算とか、法律とか、そういう面倒な書類仕事は本当に……」

「それも心配無用じゃ!」

皇帝はドンッと胸を叩き、傍らに控える完璧な執事(中身は俗物)を指差した。

「面倒な政務は、我が王宮が誇る有能なる筆頭執事、セバスに任せればよい!!」

「…………は?」

ビキッ、とセバスの片眼鏡モノクルにヒビが入る音がした。

「陛下!? そ、それは一体どういう……私は王宮の筆頭執事でありまして、帝都を離れるわけには……!」

「よいよい。余の食欲不振を治した大功労者への褒美じゃ。セバス、お主はタロウ男爵の補佐として、共にアルクス領へ向かい、領地経営のすべてを丸ごとサポートせよ。これは勅命である!」

「ちょっ、まっ……!!」

セバスが顔面を蒼白にして膝から崩れ落ちた。

「辺境!? 帝都から離れたら、私の温泉旅行は!? キャバ……第1階層に新しくできたエルフの店はどうなるんですかぁぁぁッ!!」

「ん? 何か言ったか?」

「い、いえ! 謹んでお受けいたしますぅぅ……(号泣)」

大理石の床に突っ伏して嗚咽を漏らす初老の執事。自業自得とはいえ、少しだけ同情してしまう。

だが、その時。僕の頭の中で、ある一つの閃きが稲妻のように駆け抜けた。

(……待てよ?)

領主。

それはつまり、その土地の『絶対的な支配者』ということだ。

帝都にいると、騎士団の目やギルドの規則、悪徳商人の干渉があって、僕の『100円ショップ』チートを大っぴらに使うことができなかった。爆発矢の件でもヴォルフさんにこっぴどく怒られたばかりだ。

でも、自分の領地ルールなら?

誰にも文句を言われず、好きなだけ100均グッズを出して、自分の思い通りの家を作り、好きな飯を食い、安全で快適なスローライフを送ることができる。究極の『セーフティーゾーン(自分だけの箱庭)』が手に入るってことじゃないか!

しかも、面倒な仕事(政治や計算)は、横で泣いている有能な執事に全部押し付けられる(丸投げできる)!

「…………ふふっ」

「タロウさん? なんだか、すごく悪い顔をしてますよ……?」

「気のせいだよ、サリー」

僕は口角が吊り上がるのを必死に抑えながら、皇帝に向かって深々と、貴族らしい(?)お辞儀をした。

「皇帝陛下。そのお言葉、謹んでお受けいたします。このサトウ・タロウ、アルクス領を必ずや立派な土地にしてみせましょう」

「うむ! 期待しておるぞ、タロウ男爵!」

こうして。

100円のジャワカレーの代償として、僕はルナミス帝国の貴族となり、自分だけの『箱庭』を手に入れた。

絶望して泣き崩れる執事と、頼もしい美少女二人を引き連れた、僕の「異世界DIY領地経営」が、いよいよ幕を開ける。

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