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『異世界の通貨が日本円!? スキル【100円ショップ】をもらった平凡大学生、100均グッズと弓の戦術で最強美少女たちと無双&経済支配!』  作者: 月神世一


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EP 20

ユニークスキル『100円ショップ』の真の解釈

夜。帝都の安宿の一室。

寝息を立てるサリーとライザの寝顔を、僕は薄暗いランプの光の中でじっと見つめていた。

今日、サリーは5万円という大金をはたいて『攻撃魔法』を習得した。

彼女の杖の先に灯った、あの鋭い光の風。あれは、間違いなく敵を殺傷するための力だった。

回復と支援しかできなかった心優しい少女が、僕たちのために手を血に染める覚悟を決めたのだ。

そしてライザ。彼女の『閃光』はすでに完成された絶対的な武力だ。彼女がいれば、大抵の敵は一刀両断できるだろう。

「……だけど、僕は? 僕はなんだ?」

自分の両手を見下ろし、小さく呟く。

僕がやっていることといえば、100円ショップの接着剤やワイヤーで敵を足止めし、遠くから弓矢でチクチクと急所を狙うだけ。

確かに初陣では上手くいった。でも、それはあくまで奇襲と地形の利があったからだ。

もし、魔法や闘気を操る強大な敵が、真正面から防壁を破って僕たちに襲いかかってきたら?

(今の僕の『手札』じゃ、二人を守りきれない……!)

もっと、直接的で、圧倒的な力が欲しい。

皆を守れる、理不尽を叩き潰せる強さが。

僕は焦燥感に駆られながら、宙に半透明のスキルウィンドウを展開した。

そこに書かれている、見慣れた説明文を改めて隅々まで読み返す。

【ユニークスキル:100円ショップ】

・100円ショップの品が出せます。

・100円の品が出せます。

何度も見た文面だ。

地球の100均にあるプラスチック容器や、ライター、文房具。それを異世界に持ち込むだけの、ルチアナ(ダメ女神)が適当に寄こしたハズレスキル。

「……ん?」

僕は、説明文の『二つの箇条書き』に強烈な違和感を覚えた。

「『100円ショップの品』が出せる。そして、『100円の品』が出せる……?」

これまでは、単に「100均の100円の商品」のことだと思い込んでいた。

だが、もしこの二つの文章が、それぞれ独立した『全く別の条件』を示しているのだとしたら?

僕は震える指で、検索窓のカテゴリ設定をいじった。

第一の条件。『100円ショップの品』。

現代の100円ショップは、もはや全品100円ではない。

検索ワード:『1000円』

ピコンッ。

画面が切り替わり、ズラリと新たな商品リストが表示された。

「……マジかよ」

そこにあったのは、100円均一ブランドが販売している『高額商品』の数々だった。

重厚な鋼鉄製の**『本格キャンプ用手斧・折りたたみノコギリ』(500円〜1000円)。

電気の概念がないこの世界において、莫大なエネルギーを内包する『大容量モバイルバッテリー』(1000円)。

網膜を焼き切るほどの光量を放つ『高輝度LEDランタン』**(500円)。

「いける……! 100円ショップで売っているものなら、金額の枠を超えて引き出せる!」

鼓動が早鐘のように鳴り始める。

僕は続けて、第二の条件を試した。

『100円の品』が出せる。これは逆に言えば、「100円ショップの商品でなくても、価格が100円であれば出せる」という解釈が成り立つのではないか?

検索ワード:『中古』『ジャンク品』

価格上限を100円に設定し、エンターキーを押す。

ズララララッ!!

ウィンドウに表示されたリストを見て、僕は息を呑んだ。

それは、現代日本の『リサイクルショップの投げ売りコーナー』や、『ハードオフの青いジャンク箱』に無造作に放り込まれているような品々だった。

『ジャンク品:車の廃バッテリー(微弱に放電あり)』(100円)

『中古:サビついた重さ3キロの鉄パイプ / バール』(100円)

『ジャンク品:動作不良の防犯用高電圧スタンガン』(100円)

「これは……!!」

僕は思わず立ち上がりそうになり、慌てて口を両手で塞いだ。

これらは、新品で買えば数千円、数万円する代物だ。それが「型落ち」や「ジャンク品」という理由だけで、現代日本では100円の値段がつけられている。

そして僕のスキルは、その『値段という事象』さえ満たしていれば、いとも容易く異世界に引きずり出せるのだ。

(100均の大容量モバイルバッテリーから、配線を剥き出しにしたジャンク品のスタンガンに直結させたら……!?)

(廃バッテリーの酸性液と、100均の化学肥料を組み合わせたら……!?)

ただのプラスチックや文房具を使った『お遊びの罠』じゃない。

これは、現代の工業力と電子工学の暴力だ。

「……これで、戦える」

スキルウィンドウの青白い光に照らされながら、僕は口角が吊り上がるのを止められなかった。

二人をただ背後から見守るだけのモブは、今日で終わりだ。

僕の『100円ショップ』は、使い方一つで世界すら殺せる、真のチートスキルへと進化したのだ。

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