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Technical Appendix 日本語訳

前回掲載した Technical Appendix: On Process Capability の日本語訳を掲載します。


物語の流れを止めないために簡潔に触れていましたが、工程能力という言葉が何を指しているのかを改めて整理する回です。


専門的な内容ではありますが、物語の前提を共有するための補足として読んでいただければ幸いです。

技術補遺


工程能力について


あのとき、事務所で交わされた会話はもっともらしく聞こえた。


数字が挙げられ、

目標値が示され、

能力が「低下した」と言われた。


製造業において、工程能力指数――CpおよびCpk――は、工程が規定された許容範囲の中でどれほど安定して稼働しているかを示す指標である。


Cpは、ばらつきの広がりを測る。

Cpkは、ばらつきに加えて、目標値との位置関係も考慮する。


一般に、1.33という値はひとつの目安として「十分」とされることが多い。

それを下回れば、懸念が生じ始める。


しかし、数字はそれ自体で説明を行わない。


Cpkの低下は、摩耗した工具、わずかな材料のばらつき、蓄積されたドリフト、あるいは現場の誰か一人ではすぐに是正できない変化を反映している可能性がある。


それは「変動の記述」であって、「判決」ではない。


それでも、評価や昇進、あるいは信頼と結びついた瞬間、その数字は数式以上の重みを帯びる。


桜子にとって、Cpkは告発ではない。

会話の中で繰り返し参照される基準点である。


指標そのものは中立である。

しかし、それをどう解釈し、誰が用いるのかは、必ずしも中立とは限らない。


統計は、本来、構造的な原因と個人の過失とを区別するために生み出された。


その区別が保たれるかどうかは、数式ではなく、それを取り巻く構造にかかっている。


工程能力指数は、単なる数式ではなく、現場の状態を表すひとつの指標です。


ただし、指標が示すものと、その解釈のされ方は必ずしも一致するとは限りません。


本編は引き続き、桜子の分析へと進みます。


ご感想やご意見がありましたら、ぜひお聞かせください。今後の執筆の参考になります。

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