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The Circle on the Floor — Answers and Japanese Translation

前回掲載した

“The Circle on the Floor: Shifting Blame”

の設問解答および日本語訳を掲載します。


今回は、現場観察の回でした。


4Mのうち「Man」から始めるのではなく、

あえて「Machine」へと視点を移す決断が描かれています。


Answers


Q1. (B)

Q2. (C)

Q3. (C)

Q4. (C)

Q5. (B)



Commentary


Q1

桜子は「印象」だけでは書けないと判断しています。主観はまだ仮説に過ぎません。


Q2

チョークの円は物理的な境界ではなく、自己規律の象徴です。


Q3

現場では「機械が悪い」という説明が最も安全で共有しやすい結論になっています。


Q4

Machineは測定可能で、議論にしにくい領域です。だから最初の対象になります。


Q5

この章の本質は「告発」ではなく「観察」です。



日本語訳


The Circle on the Floor: Shifting Blame


床に描かれた円 ― 責任の移動


アパートの机に戻った桜子は、特性要因図の前で動けずにいた。


「Man」の枝。


そこに何を書くべきか。

山下の落ち着いた声か。

葉月の怯えた視線か。


何度思い返しても、それらは「印象」に過ぎなかった。


(規律が必要だ。)


翌週の土曜日、工場は休日の少人数体制で稼働していた。

桜子は作業着に着替え、プレス工程へ向かった。


彼女は、かつて大野耐一が用いた方法を試そうとしていた。


ライン全体が見渡せる位置に立ち、油の染みた床にチョークで直径一メートルほどの円を描く。


(この円から出ない。ただ、観察する。)


一時間。二時間。


振動が靴底から伝わり、やがて身体に同調する。


しかし、そのリズムは崩れた。


材料受け入れ工程で怒号が上がる。


「寸法がまたズレてるぞ! 圧力は調整したのか?」


「したよ! でも毎回高さが変わるんだ! もうこの機械は寿命だ!」


「機械のせいにするな。設定が甘いんだろ。」


口論は次の工程へ波及する。


旋盤エリアでは、作業者が電源を切り、摩耗したインサートを床に落とした。


「またダメだ。十個も削ってないのに欠けた。」


「送りを落とせよ!」


「触ってない。剛性が足りないんだ、この機械は。」


桜子は円の中に立ったまま、動かなかった。


ただ観察する。


三時間が過ぎる頃、ひとつの傾向が見えてきた。


まだデータではない。

しかし言葉の流れとして。


失敗の原因は必ずどこかに押し付けられる。


技能。

保全。

設備。


「機械が壊れている。」


それが最も安全な結論になっていた。


事務所で見た保全間隔の短縮も、

「ハードの限界」と説明できてしまう。


(本当に、機械だけなのか。)


桜子は円を消した。


部屋に戻り、図を開く。


鉛筆は「Machine」の枝の上で止まる。


プレスの圧力不安定。

旋盤の剛性不足。

設備の老朽化。


どれも測定できる。

どれも反論しにくい。


彼女はMachineの枝を太く囲んだ。


「ここから始めよう。」


まずは機械から。


もし現場の声が正しければ、

データがそれを示すはずだ。


もし違えば――


彼女はノートを閉じた。


調査は、機械から始まる。

この章では、4Mのうち「Man」ではなく「Machine」へ視点が移りました。


感情に最も近い領域から、

測定可能な領域へ。


あなたなら、どこから調べますか?


この段階での違和感や推測があれば、ぜひお聞かせください。




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