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元引きこもりが強箱スキルで異世界勇者っ!!  作者: 大石次郎


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25話 人形

俺のパーティーの3人はリリンがたぶん植物操作&活性化にプラントリカバーと桜への変化スキルを併用して守っているから凌げそうだったが、他の本隊の後衛組なんかは即死しかねないっ!


この世界、蘇生はイージーじゃない。


「ぐっっ、バインド! ノッキング!」


さっきのデカ槍よりかはマシだっ。俺は自分を守りつつ気合いでもう形だけ偽装した鉄箱と反射で本隊後衛組をサポート、してたんだがっ。


「「「ギィイッッ!!!」」」


飛来した凄い数のインプ群に襲われてっ、咄嗟に半端な箱で身を守ったが思い切り本邸の敷地の方へと押され出した!


「どぉおおっ?!」


本隊から離されてもうバレてもいい、となると俺は形振り構わず反射箱でインプ群を消し飛ばし始めた! これ、インプはほとんど俺の所に来てない?? それでもどうにか来た分は撃退したが、


「だぁっ?!」


林どころか元は魔除けが利いていたはずの高い塀を箱で突き破って、その先の芝生の裏庭に転げ落ちてしまった。


「おおおっ??」


ヘルハウンド的なの飼ってたから袋叩きだっ。スタミナストックを使いながら俺は慌てて起き上がって辺りを見回し、ミゼヤッポやユミィ程じゃないが持ってる探知系スキルで状況把握を始めた。


「···」


思ったよりちゃんと手入れされてる。まぁ入れ替っても使用人に化けたのは仕事はしてた風だったし···いやそれより! 意外と魔物どころか普通の番犬も、人気もなかった。


···いやっ、1人いる!


俺が振り返ると、


「インプの大群に集られてたわりには無傷ね? 頑丈なの? さっきの箱みたいなの、なに?」


質問を連発してくる10代中盤くらいの人間族の? 少女だった。貴族っぽい格好をして、『生前』の動く絵画の資料なんかと比べると気が強そうな顔をしていた。これはっ!


「あ〜···ゼオラ、子爵のお嬢さんですか? あの、生き返った、というか···入れ替ってます?」


聞き方っ、俺の聞き方っっ。もうちょっとロミに会話術習っときゃよかった。


「悪魔達とお父様との契約は、そうはなってないから。それにあんな薄汚いヤツらに私の皮を使わせるなんてごめんだわ」


「はぁ···」


そりゃそうだよね、と。というか結構、普通にぶっちゃけてくるな、この人。


「あなた名前は? 私はウーシエ・ゼオラ。1度完全に死んだのに蘇らせられた生き人形よ」


自覚は、してるな。


「俺はタケル・キャンデ。仕事としては、その···」


「お父様を、私達を終わらせに来たんでしょ? いいわ、来なさい。お父様の所まで案内してあげる」


手を差し伸べてきた自称生き人形、ウーシエ。


「···ちょっと待って。ノーヒントかもだけど」


「なに?」


俺は神様メモをコッソリ見た。


『いや、ダメでしょ? 皆の所に戻るでしょ? 危う過ぎてわたしもオブラートに包めないでしょ?』


めちゃ警告してくる〜〜っ。


「どうしたの? 怪しいだろうけど、正面と林の方もその内突破するでしょ? ここまで来てるってことはどうせ、領の外とも連携済みだろうし。遅かれ早かれだね···来なよ。今さらタケル君をハメてもメリット薄いし、それに君、強いみたいだから、引き込んだ方がデメリットでしょ?」


もっともなことを言って改めて手を差し出してくる。絶体ダメなヤツだな···


『わかってるじゃん? はい、撤収!』


メモは的確。


ウーシエの華奢な手と、目を見た。


友達になれなさそうな、最初からなにも期待しない目だった。自分の終わりをもう見切ってる。


「···」


もっとちゃんと嘘を使われたら、逃げるか斬るかできたと思う。


俺はメモをポーチにしまい、ウーシエの手を取った。


「手、冷たいね」


「人形だから」


彼女を俺の手を引いて歩き出した。女子の手を握るのは始めてだと思うが、酷く残念だった。


「俺、味方じゃないよ」


「そんな人が来ると思ってた」


ウーシエが魔術で閉ざされていたらしいドアに手を掲げるとドアは開き、俺達はゼオラ子爵の別邸へと入っていった。


_____



突入隊本隊は悪魔による槍の範囲攻撃で大損害を受けていたが、『自身と一体化した触手のような桜の樹木』を拡大させたリリンがプラントリカバースキルたオートプラントリカバースキルを使い、回復し、守護していた。


槍のごとき悪魔本隊はミゼヤッポが鼻血を出しながら、隊員から拝借した剣等で掛けた全力の影縫いで動きを縛り、そのミゼヤッポを疲弊した様子のユミィがプラスヒールで支えていた。


「ガァアアッッ!! 猿どもがぁーーっ!!!」


暴れ、なおも散発的槍噴出攻撃を撃つ悪魔。


リリンは自身と本隊への攻撃は桜で防ぎつつ、損耗した樹木の身体は再生させてゆく。


ユミィは自身とミゼヤッポへの攻撃を正確なセイントの魔法の炸裂で相殺していた。


「うちはヒーラーと違うしっ、色々デリケートなスキル大っぴらに使わしよってからにっっ、アイス!

アイス! アイス!! ハンドっ」


縛ってる影の揺らぎ等も考慮して凍結魔法を連発するリリン。凍り付く槍のごとき悪魔。


プラントリカバーで補い切れず、魔力が切れてくると、念力魔法でエーテル薬の瓶を4本収納ポーチから取り出し、飲む余裕はなく周囲の自身と連なる桜の触手に振り掛け、一気に魔力を高める。


「地獄に帰っときやっ! ボムっ!!」


近くのミゼヤッポ達を巻き込まないよう指向性を持たせたフルパワーの爆破魔法で凍り付いた悪魔の胸部から頭部を消し飛ばしたリリン。


残りの部位も砕け、塵と消えていった。


隊全体に安堵のため息が広がる中、相当拡大していた桜の触手から自身を切り離し、ダウンするリリン。


「アカンっ、今日はもうなんもできんわ! というか、タケル。悪い予感しかないんやけど···」


こちらもダウンしたミゼヤッポの方の応急手当てを済ませたユミィが、昏倒してゆくリリンに大急ぎで駆け寄っていった。

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