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元引きこもりが強箱スキルで異世界勇者っ!!  作者: 大石次郎


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22話 裏町へ

翌朝、ギルドの宿の朝食がカットした少量のスモークソーセージと玉葱の薄い塩スープと堅パン的な物数個だった為にミゼヤッポのテンションは激落ちだったが、俺達は地元ギルドが苦労して集めた資料を元にミーティングを始めた。


「ゼオラ子爵は十年前に妻子を流行り病で亡くしてるようだ。蘇生にも失敗してもいる···ユミィ、蘇生ってそんな難しいのかな? クエスト関係で蘇生失敗や断念のパターンが凄く多い気がする」


ロミは『摂理に反してはいるね』と言っていたが···


「魂に損耗が少なく間を置かない綺麗な遺体で、適切な処置と技量で蘇生させれば、本人が拒否しない限りは案外簡単です。しかし闘病の末に亡くなってるようなケースは、希少な蘇生触媒や術者の抜きん出た技量と魔力が必要になるかと」


「子爵のケースは金持ちでも難しそうやけど、貧乏領主やとな」


「···空きっ腹で話が入ってこないんだぞ?」


「食い溜めスキルどこいったんだよ? ほら、林檎やるから」


俺は収納ポーチからちょっと酸っぱいが日持ちするトカラ種の林檎をミゼヤッポに渡した。


「やった! タケルっ、最高! マジ勇者っ」


ミゼヤッポの勇者のハードル、ひっくっ。


まぁいいや···それよりサラギの花嫁騒動の時の神様メモの言葉が頭をよぎった。


悪魔は愛の軋みに付け込むもの···この世界には魔族が実在する。介入すれば不幸な霊を花嫁の化け物に変え、魚人を巨大怪魚に変えて大暴れさせる。


「どっちかと言ったらサハギンの時のケースに近いんじゃないか? なにか契約をして、対価を得る。とか···」


「妻子の復活ですか?」


職業柄『蘇生慣れ』してるのか、オブラートに包まないユミィっ。


「いやまぁ」


あり得るんじゃないか、て。


「勇者学の伝承でも弱みに狙って人を誑かした魔族を勇者が討伐する、ゆう話は多いで?」


「回りクドいんだぞ? ゼオラ子爵の身辺でそれらしい変化を調べた方が早いんだぞ」


林檎を食べて頭が回ってきたらしいミゼヤッポ。そこからあれこれ話し、結局ミゼヤッポ案に纏まり俺達は調査に出ようとしたんだが、


「既に亡くなった妻子周りの身辺調査ね。元々交代できっちり隊を組んで張り付いてるからそういう細かいのはこっちでやるよ。それより、腕利きのあんた達は裏町にいるゼオラ子爵の館の元執事長に話を聞いてきてくれないかい?」


「執事長?」


出掛けにここのギルマスから急な話だった。


「裏町は治安悪いとこだったけど、今は魔除けが壊れて魔物と犯罪者だらけになってんだ。しかも元執事長の周りはどうも魔物に守られてる風でね、聞き込みしたいんだが中々近寄れないんだよ」


「え〜? 街中でそんな感じですか···」


凄い状況だ。古い墓場ならまだわかるけど、街の中に魔物出没スポットできてるんだ。


「元執事長の人、生きてるん?」


俺も思ったけどズバっと言っちゃうリリン。


「それ込みでだよ。ただ、遠目に生存は確認されてる。護衛付きのゼオラ子爵の使用人が物資も定期的届けてるようだしね。しかも、この使用人達を魔物は襲わない風なのさ」


「怪しさ爆発なんだぞ?」


「裏町には補助魔法等を掛けてから入りましょう」


「ああ、まぁ···」


これはクィック&隠行箱で電車ごっこコースだな。


俺達は子爵妻子関連の身辺再調査はギルドに任せ、裏町に向かうことにした。


_____



加速して隠行箱で裏町を駆ける! 中々の魔境ぶりだ。あちこちにブラックスライム、ダースケムシーノ、小悪魔のインプ達までいる。


街の魔除けは城壁だけでなく、大きなテントの支柱のように要所に基点になる魔除けが設置される物だが、あちこちガタガタになってるんだろう···


ゴロツキ達もいるがさすがに単独や少人数でうろつかず、固まって行動してるようだった。リスキーだろうにそれでも治安の悪化してやり易いこの領で、色々悪さしてるのは間違いない。


「インプは隠行箱を見破れずとも知性があります、異変を感じると騒いで上位個体を呼ばれかねません。なるべく避けてゆきましょう」


「了解! リリンもクィック維持よろしく」


「任せとき。こんなん勇者学になかったけど、もうこの箱で加速すんの慣れたわ」


固有スキルの癖、強くてごめんねっ。


そうして俺達はインプは避けて、やや遠回りしながらもギルドの資料にあった元執事長の住む年季の入った家の近くまでたどり着いた。


「タケル! ストップだぞっ?」


「わたくしも探知しましたっ」


2人の警告で止まった。


「鍛えたからもう引っ掛からないぞ? 家の周りを覆う、召喚トラップが仕掛けてあるんだぞ?」


「詳しく見てみましょう」


「うちも手伝うわ」


3人掛かりでトラップになってる見えざる境界を隠行箱の中から鑑定しだした。


「喚び出されるのは2体の下級魔族のようですが、インプよりは上位。秘匿系魔法効果は打ち消されそうですね。地上の比較的近い距離からの召喚です」


「どうする? タケル。うちも手伝ってユミィの結界師スキルやったら解除できそうな感じやけど、間違いなく気付かれはしそうや」


「来るのわかってるなら、オイラの新忍法で1体は抑えられるんだぞ?」


「···わかった。ここは勇者として判断するよ。まずは」


俺はおもむろに神様メモを取り出した。


「攻略を見る!」


「出たっ、メモ〜っ!」


「それは、本当に神様からのメッセージなのでしょうか??」


「これまで聞いた範囲だと、たぶん答えそのまんまは教えてくれないんだぞ···」


仲間達からやいやい言われつつ、確認確認! 結果、


『わたしは勇者じゃないよ?』


と書かれてた。


「う〜んっっ」


だよね!


判断丸投げはやっぱダメか···

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