20話 桜と特訓完了
···3日後、どうにか『魔法兵のエンチャント兵法』の特訓への移行をランダンに許可され、そして夜中の人気の少ない食堂でグッタリしていた。
神様メモには『ドンマイ!』とだけ書かれてる···
「お? タケル。まだいたんか? オイラとユミィはもう今日は帰るぞ?」
「お疲れ···」
「プラスヒールしましょうか?」
「心の問題だから」
ランダンさんはグラスハートの俺にはドS過ぎた···
「重篤ですね···宿の部屋になにか焼き菓子を買って置いて置きますね」
「アリガトウ」
2人は気の毒そうに帰っていったが、俺はそのまま食堂でグッタリし続けていた。すると、
「ふわっ? タケルが死んどる!」
「···生きてるよ」
「なんやなんや、リリン姐さんが話聞くで〜?」
隣の席に座り、自分の分と俺の分のこの世界のちょっとスパイシーなホットココアのカップを置いてくれた。
「ありがと」
あっま〜っ。温かくて、泣きそうだ···
「ふふん。見て! うち、最近中々レベル上がらんかったんやけど、基礎練久し振りにしたらレベル上がってんっ」
ステータスを表示してみせるリリン。
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名前 リリン・ブロッサム 性別 女 種族 人間(ドリアード血統であるが、血統は隠蔽) 職業 魔法使い 年齢 17 レベル22
体力D+ 魔力A 精神力B+ 力D+ 守りD+ 速さC+ 器用さB 賢さB+ 運D
スキル 中級妖精語 中級古代言語 初級神聖言語 初級暗黒言語 初級竜語
スキル 毒麻痺耐性、植物耐性
スキル 快眠
スキル 植物探知 植物交信(取得を隠蔽)
スキル プラントリカバー(取得を隠蔽)
スキル 身体植物化(桜限定。取得を隠蔽)
スキル 初級護身術 初級鞭術 初級杖術
魔法使い系スキル 沈黙耐性 魔法式封印耐性 混乱耐性 魔力効率展開 魔力耐性 魔素魔力変換 高速魔法発動 中級無詠唱 中級魔法物取り扱い 上級魔力探知 中級錬成 中級人形使い 中級召喚師
習得魔法 トーチ、ヒート、ライト、コールド、スパーク、エア、ドロップ、マッド、ヒール、クィック、ボム、ファイア、アイス、サンダー、ブロウ、ウォータ、ランス、ノッキング、バインド、サイレンス、スリープ、マナシール、ディスペル
ステータス系スキル ハードブロック、シーク、アナライズ、フェイク
一般スキル 中級薬師 初級大工 初級狩人 初級農民 初級釣り師 初級家政夫 初級教師 中級学士 初級秘書
獲得魔素412
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腕利きで、バランスのいい魔法使いだな、と。うっすら植物の精霊ドリアードの特性もある···
最初色々勘違いしたけどこの世界はいわゆる経験値制じゃないから、その人と段階と進路的に『成長に必要なこと』を積むとレベルが上がる感じだ。
「いいじゃん。期限一杯まで基礎練?」
なんか部活みたいだ。部活やったことないけど!
「ん~、こっからはドリアードの特性を鍛えてみよう思てんねん。スキルの獲得の幅広がるし」
「へぇ? でも、控えてたんじゃ?」
コントロールが難しい、とかでそっち系はほぼ触ってない感じだった。
リリンはこっそり手のひらに桜の花を咲かせた。
「御先祖が、人に近うなったドリアードと結婚しはったんはめでたいことやし、こうして勇者とパーティー組むことになったのは偶然やないと思う。うちらの成長速度でいつまでタケルに付いてけるかわからんけど、できそうなことは一通りやってみるわ」
「リリン···」
俺は真心にちょっと感動もしたけど、それよりも!
「え? 待ってっ、俺、こっからまた違う人達とゼロからパーティー組まないとダメな可能性あるのか?? 凄い嫌なんだがっ?!」
「そこ? ええやんもうっ、途中からミゼヤッポとユミィも入ったやろ?」
「知り合いの知り合いと、知り合い2人いる状態での1人じゃん? 俺1人に対して知らない人2人とか3人とかっ、俺、ハブられるじゃん!!」
俺、不利じゃん?!
「そうはならんやろーっ? そうなる段に来る人やったら向こうもプロで、『コイツ、あかんたれやわ〜』思ても知らん顔して仕事は仕事でちゃんとするわっ!」
「そんなギスギスした職場嫌だぁーっ!!」
「なんやねんもうっ、さっきまでのエモい流れ返せやーっ!!」
「嫌だぁ〜っ!!」
嫌過ぎてっ、しばらく夜中の食堂で不毛に言い争ったさ···
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7日間の教練所特訓で俺達はそれぞれ自力を叩き直し、魔素もしっかり使った。パワーUPっ!!
最終特訓で俺は『7割の力』のランダンさんを前に木剣と木のバックラーで食い下がっていた。
相手の『冷気付与』の木剣ラッシュをどうにか『火炎付与』の木剣と素の盾で捌き、
「ライト!」
霜焼けが辛いがっ、押し込んだバックラーから閃光を放って怯ませ、からの!
「せぇあっっ!!!」
新スキル『フォースストライク』で付与した火炎を炸裂させる斬撃でランダンさんの氷の木剣を砕いて大きく砂地の向こうに弾いたっ。
「···いいでしょう。剣術盾術、魔法とエンチャント術、一先ず合格です」
「あざッス!!」
俺、頑張った!
「ただし、タケル様。私がまだ7割の力しか使っていないことをくれぐれもお忘れなきよう」
初めて打ち払われて結構頭にキてるランダンさんっ。ええー?
「了解です···」
なにはともあれ、俺は地獄の教練所特訓を乗り切った!
よし必殺技的なのも覚えたし、俺、かなり勇者っぽくなってきた気がする。やれてる、よな??




