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元引きこもりが強箱スキルで異世界勇者っ!!  作者: 大石次郎


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14話 タンダ・シュノー市へようこそ 後編

冒険者ギルド、タンダ・シュノー市支部はタンダ地方の事実上の本部だ。本館は4階建て!


知り合いとも声を掛け合う、リリンとミゼヤッポは勝手知ったるって顔で入ってゆくが、俺は冷や汗物だ。


普通の新人なら1回ロビーの受付に行く物らしいが、そうもいかないので取り敢えずスルーして3階奥のギルドマスターの執務室に向かう。と、


「っ? エレベーターだ!」


「そらあるで?」


「タケル、乗ったことないのかぁ? おっくれてるぅ〜」


魔力式だがこっちの世界にもあった柵付きエレベーターにちょい驚いたりしつつ、とベルが鳴ってあっさり3階に着いた。


奥へ進んでゆくと、等身大サイズの警備ゴーレムが6体並ぶ所まで来た。ロミの所で見たのより本格的に戦闘用だ!


リリンが落ち着いて前に進み出た。


「リリン・ブロッサムとミゼヤッポ・グラスクラウンや。マスターに面会。昨日、使い魔飛ばしたし、市城門で申請したやろ?」


「鑑定シマス」


6体のゴーレム達の目が光り、一斉の俺達を鑑定しだした。魔法的技術があるから、一周回ってSFみたいになる時がしばしばあるんだよ。


「3名ノ情報ト一致。変化ハ感知サレズ。ドウゾ」


道を空けられた。おお···


で、いよいよ部屋の前まで来た! 緊張するっ。


動悸、息切れ、胃痛っ、ロミの紹介状確認っ!


「···ちょっと、スタミナストック使っていい?」


「使っとき」


「『鎮静スキル』とか取った方がいいと思うぞ?」


それな。俺も思ってるんだけどリリンは実戦派だから。探索や戦闘に使うの優先! 今度言ってみよ···


それはそれとして。スキルで旅の疲労感は抜けたし、多少は元気出てきたっ。


「ふぅー、···行こうか」


「よっしゃ」


リリンはノックし、


「リリン・ブロッサム。ミゼヤッポと共に勇者タケルを連れて参りました」


呼び掛けた。


「どうぞ」


やや遠くで中年男性の声がして、ドアは誰かが開けてくれた。たぶん女性の気配は探知してる。


「失礼します」


「失礼、します···」


「久し振りだぞ〜っ!」


ミゼヤッポ、フリーダムっ。


入ると、きっちり片付いた執務室はシンプルな調度品と高価な魔法の武具が飾られていた。応接間も兼ねているようでソファ席もあった。


執務机から既に、平服の蜥蜴人間のワーリザード族の男性が立ち上がっていた。側に尼僧っぽい、耳が少し尖って長いハーフエルフの人もいた。


「あなた様が、勇者」


尼僧さんとは別に、ドアを開けたのは狐獣人のワーフォックス族のメイドだった。氷のような表情。


「どうも···」


「その鉄面皮メイドはランダン。マスターの護衛兼秘書兼メイド。性格キッツいで?」


「なにか言いたいことがあるようですね? このピンクは」


「あ〜ん?」


睨み合いになるランダンさんとリリン。


「まぁまぁ」


「落ち着いて下さいっ」


俺とハーフエルフの尼僧の人が間に入る。ワーリザードのギルドマスターらしき人は咳払いした。


「私はタンダ・シュノー支部のギルドマスター。フガク・ヅチだ。竜騎士職だ。君がロミ殿の所に現れた勇者か。タンダ・シュノー市へようこそ!」


「マスター。タケルは結構、繊細な感じだぞ?」


「ふむ? 取り敢えず、今のステータスを見せてくれないか? ゴロツキや、アンダートロルを仕留めたらしいが」


「あ、はいっ」


俺は慌てて駆け寄ってステータスを表示させた。


「こっちが詳細ステータスで、こっちが見易い簡易版ですっ。スキル詳細確認用の表示は」


3種類のステータス表示をグイグイとマスターフガクに見せる俺。ちゃんと説明しないと!


「むむっ?」


即、リリンとランダンに間に入られた。間に入ったり入られたり。


「タケル、距離感! 落ち着きっ」


「ミゼヤッポとはまた別の面倒さのある方のようですね」


「オイラ面倒じゃないぞっ?」


「あのっ!」


わちゃわちゃしてると、取り残されていたワーフォックスの尼僧の人が声を上げた。


「わたくし! 聖都(せいと)から派遣されましたっ。僧侶のユミィ・ゴブレットと申しますっ! 勇者様の旅の仲間に加えて頂けないでしょうか!!」


「「「お〜っ」」」


僧侶。ヒーラーでバッファー。ありがたい。


「ま、ステータスは···確認できた。そうだな···パーティー入りも含め、詳しい話はおいおいしよう。取り敢えずまずは食事でもどうだ? 食堂から運ばせよう。意外とイケるんだよ、ウチのギルドの飯は」


「オイラ腹ペコ!」


「ええんとちゃいますか」


「あの、わたくし加入できないと困るのですっ、もう聖都に帰れません!」


全員の視線が俺に集まってしまった。うっ、


「俺はいいと思うけど。食事も、お願いします」


僧侶ユミィが仲間になり、俺達はランダンさんの手配で、執務室で遅めのランチを御馳走になることになった。


ちょっと初対面ばかりで! 一度にあれこれもあり過ぎて落ち着かないが···

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