表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
元引きこもりが強箱スキルで異世界勇者っ!!  作者: 大石次郎


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

11/108

11話 アンダートロル 前編

異世界式のジャンケン『三拳(さんけん)』で負けた俺は(運Sステータスどうした?)、泉の側の高台の野営地の魔除けの簡単な補修を担当になった。


これくらいな初級の錬成スキルと大工スキルでなんとかなる。


材料は持ち歩いててるたくさんの小石と適当な魔物の素材から抽出した魔力を合成してE級からD級の魔法石(まほうせき)を造り、これをベースにそこらの土なんかを使ってペタペタ直してゆく感じ。


野営地には年取った行商とあんまり売れてなさそうな旅芸人がいて、東屋で煙草を吸いながら雑談してる。


補修の手間賃は行商からは薬草をもらい、旅芸人からは微妙な1発ギャグの披露とこの先のアビカ郷に魔物の封じられた洞窟あるって噂を聞いていた。


「···釣り、いいなぁ」


薬草や魔物の話より、しゃがんで錬成で出た残りカスの素材を無害化の錬成をしてから燃して処理しながら、下の泉ではしゃいで釣りをしているリリンとミゼヤッポをうらめしく振り返ったりしつつな俺。


セノを出てから数日が経っていた。タンダ・シュノーまであと3分の2、てとこ。


と、ポーチの中がカサカサしたので見てみた。


『トラカ鮒の気配っ!』


「ふっ」


笑って、俺もポーチから釣具を出して混ざりに高台から降り始めた。


「お〜い、俺もやるよ〜」


鮒、釣ったろ。


_____



どうしようかと思ったが通り道なのと一応勇者なので、立ち寄ったアビカ郷の冒険者ギルド支部(大きめの酒場って感じ)で話を聞くことになった。


「洞窟の魔物か、『アンダートロル』だ。日光か特別な武器か魔法がないと中々倒し難い魔物が封じられてるらしい。自警団と郷の教会が管理してるんだが、ギルドはちょっと手出しし難いんだよ」


「ふん? なんでなん?」


「こんな田舎でも領分争いとか、バカバカしいんだぞ?」


「···」


俺は聞き込み苦手なので基本的にリリンとミゼヤッポの後ろで『聞いてる係』だ。


「ああいう洞窟って、冒険者は探索したくなるんだよ。禁止してるだが、ここ10年だけで8回は勝手に入り込んで自警団や教会と揉めてる」


「「ああ〜」」


あるよねーって感じのリリンとミゼヤッポ。確かにゲームならフィールドに入れる洞窟があったら入っちまうかも···ま、それはともかく、


「···なにか洞窟に異変はないか聞いてみて」


リリンに小声で耳打ちする。本題だから。がっ、


「自分で聞かんかーいっ!」


店主兼支部長の前に引っ張り出されてしまったっ。うへぇ。


_____



「どうも最近『封印の急激な劣化』が問題になってる。ギルドに依頼してくれりゃあ手間掛かっても対策できるんだが、拗れてるから微妙な具合だ」


と話は聞けたが、セノに続いてギルドと地元の機関がしっくりきてない感じ。


まぁ冒険者ギルドって独立組織で、実際あったら自治体との折り合い問題はあってもしょうがないかぁ···


「教会と自警団と、あと2人しかいないみたいだけど駐在衛兵にも話聞きたいけど、今日は疲れたから休もうか?」


「賛成や!」


「ここトラカ豚の鉄板押し(お好み焼きっぽい食べ物)が名物みたいだぞ?」


日が暮れたし、『疲れたら休むタイプ』の勇者パーティーである俺達は宿で休むことにした。


トラカ豚の鉄板押しは親の仇みたいに鉄板に押し付けられて、お好み焼きとはまた違う感じではあったけど、これはこれで美味しかった。


で、翌日。あちこち話を通した結果···


「御覧の通り! 洞窟の闇の力が高まっているのですっ」


闇の魔力が漏れ出てる洞窟の入口の前で力説する郷の助祭さん。


「思ったより、悪いな···」


この場には他に俺達、自警団の腕利き6人、アビカを拠点にしている冒険者の手練れ4人、凄く嫌そうに同伴してる駐在衛兵2人が来ていた。


駐在衛兵は1人は中年、もう1人は少年っていい年だ。


アビカは人間族主体の郷だが、褐色の肌の人が多く、半数以上がそうだった。


「もっと早くギルドに調査させるなり、教会か衛兵団の大きな支部に応援頼むなりすればよかったのに、危機感が足りない」


ピリつく地元ギルドの人達。


「こっちは少ない郷の予算で管理してるんだ!」


「ここまで悪化したのは今年に入ってからでして···」


「衛兵団も困りますな。封印できてるならギルドで十分でしょう」


「同意ですっ!」


うん。取り敢えず、ここの自警団とギルド仲悪いのと駐在衛兵はダメっぽいのは理解した。


俺達は顔を見合わせ、俺は詰まらないように咳払いしてから呼吸を整え、口を開いた。


「俺達で中の様子を見て来ます。助祭さん···助祭様は、ブレッシングを掛けてくれますか? あと聖水もあるなら分けてほしい」


一応1本ずつは持ってるけど、高いんだコレ。


「勿論ですっ、助かります!」


「最悪、封印解けたらアンダートロルは外の日光の下まで引っ張ってくるから、援護の準備しといてや?」


「セノでマフィアを一網打尽にした実力! 見せるんだぞっ?」


「あんた牢屋にいただけやん」


「あれ〜?」


なんだかんだで、俺達は祝福魔法ブレッシングで聖なる属性を全員付与して闇対策をして、聖水もさらに2本ずつもらい、中へと入っていった。


「俺、前衛で闇耐性あるから先頭で」


「ライトを先行させて隠行箱とクィック使っとこうや」


「奇襲はオイラの警戒スキルで対応するぞ?」


照明魔法の光をやや先に飛ばし、隠行箱&クィックも使って俺達は闇の気配濃厚な封印の洞窟を進んだ。


暗い穴に潜るって、それだけで結構おっかない···

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ