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追放された支援魔法使い、誰も気づかない"歩きやすさ"で世界を変える  作者: 自ら(Youtubeで朗読ver投稿中‼️)


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第18話「運命の再会」

第18話「運命の再会」



 国際支援魔法会議から、一年が過ぎた。

 その間に、さらに三つの国が、支援魔法ネットワークに参加した。

 世界中で、百以上の支援魔法使いが働いています。

 育成学校も、複数の国に設立されました。

 支援魔法の理念は、本当に世界中に広がっていた。


 ある日、予期しない来客があった。

 懐かしい顔だった。

 レオンのパーティーのメンバーの一人、ダンだった。

「優真、お疲れ様です」

 ダンは深く頭を下げた。

「ダン? 何か用ですか?」

「実は、お願いがあって来ました」

 ダンは言った。

「僕たちのパーティーには、いい仕事が来ないんです」

「そうなんですか」」

「実は、最近、多くの依頼が、支援魔法の分野に流れているんです」

 ダンは説明した。

「攻撃力のある冒険者より、環境を整える魔法使いのほうが、ずっと評判が良い」

「そっか」

「だから、僕たちも、支援魔法の方向に、転換したいと思ったんです」

 ダンは続けた。

「でも、僕たちは攻撃魔法を使ってきたので、支援魔法のことは全くわかりません」

「なるほど」

「だから、君の育成学校に、僕たちのパーティーメンバーを入学させてもらえないかと思って」

 ダンは頭を下げた。

「お願いしたいんです」


 僕は少し驚いた。

 レオンのパーティーの者たちが、支援魔法を学びたいと。

 それは、何かの皮肉だろうか。

 それとも、運命だろうか。

 僕は少し考えた。

「わかりました」

 僕は言った。

「ただし、条件があります」

「何ですか?」

「支援魔法は、派手ではありません。名声も名誉も求めません」

 僕は真剣に言った。

「それでもいいですか?」

「はい」

 ダンは躊躇なく答えた。

「僕たちも、やっと気づいたんです。派手な仕事より、地道な仕事のほうが、人々に喜ばれるということを」

「そっか」

「それなら、育成学校に来てください」


 翌週、ダンとセリア、そしてエリカが、育成学校に入学した。

 レオンは、パーティーの運営の関係上、参加できなかったが、少なくとも二人は参加することになった。

 初日の講義で、僕は彼らに向かって言った。

「皆さん、ようこそ」

 僕は教室に立った。

「ここで学ぶことは、派手ではない魔法です」

 僕は続けた。

「ですが、その価値は何よりも大きい。それを理解してください」

「はい」

「そして、自分たちの過去と向き合ってください」

 僕は言った。

「これまで、派手な魔法を使ってきたかもしれません。でも、これからは、誰も気づかない支援を、積み重ねていく」

 セリアが手を上げた。

「優真さん、質問があります」

「何ですか?」

「あなたは、私たちを許してくれますか?」

 セリアは真剣な顔で聞いた。

「追放した時のことです」

「……」

 僕は少し考えた。

「許す、ではなく」

 僕は言った。

「感謝しています」

「感謝?」

「ああ。もし追放されなかったら、今の僕はいません」

 僕は続けた。

「だから、僕は恨んでいません。ただ、新しい道が与えられたことに、感謝しているんです」

 セリアは涙を流した。

「ありがとうございます」


 セリアとエリカの学習は、非常に真摯だった。

 彼らは、派手な魔法ではなく、地道な支援を積み重ねることの価値を、少しずつ理解していった。

 ダンも、毎日、質問や相談に来た。

「優真さん、僕の魔法は本当に使い物になるでしょうか?」

 ダンが不安げに聞いた。

「君の魔法は、本当に素晴らしい」

 僕は答えた。

「派手ではないかもしれませんが、確実に誰かの役に立つ」

「本当ですか?」

「本当だ」

 僕はダンの肩に手を置いた。

「君たちは、これまで派手な魔法を使ってきた。だが、これからは、目立たない魔法を使う」

 僕は言った。

「その転換は、簡単ではないかもしれません。でも、やる価値がある」

「わかりました」


 三ヶ月の修行期間を終えて、セリアとエリカが卒業を迎えた。

 ダンは、さらに勉強を続けることにした。

 卒業式の日、セリアが僕に言った。

「優真さん、ありがとうございました」

 セリアは深く頭を下げた。

「これからは、僕たちも、支援魔法使いとして働きます」

「頑張ってください」

「はい」

 セリアとエリカは、微笑んで学校を去っていった。


 その夜、リリアが僕に話しかけた。

「素晴らしい卒業式でしたね」

「そうですね」

「優真さんは、本当に懐の大きい人ですね」

 リリアは言った。

「追放した者たちを、教え、育てるなんて」

「それが、正しいことだと思ったから」

 僕は答えた。

「支援魔法の理念は、全ての人に開かれているべきだと思ったから」

「その通りですね」

 リリアは微笑んだ。

「優真さんの優しさが、この理念の最大の強さだと思います」


 翌月、セリアとエリカが派遣される地域が決まった。

 セリアは、港町に派遣されることになった。

 エリカは、農村地帯に派遣されることになった。

 彼らは、僕のかつての同僚たちだ。

 追放した者たちだ。

 でも、今、彼らは僕と同じ理念を持つ同志だ。


 派遣前の最後の日、セリアが僕を訪ねてきた。

「優真さん、本当にありがとうございました」

「セリア」

「あの時、追放してしまって、申し訳ありません」

 セリアは謝った。

「でも、今、わかります。あの追放があったから、あなたはここまで成長したんだ」

「そうですね」

「これからは、僕たちも、あなたと同じように働きます」

 セリアは言った。

「派手ではなく、地道に。でも、確実に人々を幸せにするために」

「ありがとう」

 僕は心から感謝した。


 セリアとエリアが派遣されて、一ヶ月が過ぎた。

 港町からは、セリアについての良い報告が届いた。

『セリアは、港の環境を素晴らしく整備してくれました。労働環境が大きく改善され、作業効率も上がりました。彼女の活動に、港の全員が感謝しています』

 農村地帯からは、エリカについての良い報告が届いた。

『エリカは、農業の効率化に大きく貢献しました。彼女の支援魔法により、農民たちの労働が軽くなり、同時にもっと多くの作物が栽培できるようになりました』


 その報告を読んで、僕は本当に嬉しかった。

 追放した者たちが、今、僕と同じように働いている。

 同じ理念の下で働いている。

 人生は、本当に不思議だ。


 ある日、リリアが重要な話を持ってきた。

「優真さん、提案があります」

「何ですか?」

「今、支援魔法の理念が、世界中に広がっています」

 リリアは言った。

「ですが、それを統合する『中央機関』が必要だと思うんです」

「中央機関?」

「ええ。各国の支援魔法使いたちが、情報を共有し、協力し合うための、中央機関です」

「なるほど」

「そして、その長として、あなたがふさわしいと思うんです」

 リリアは言った。

「世界中央支援魔法局。その長として」

「世界中央……」

 僕は少し驚いた。

「ですが、まずは国王陛下に相談すべきですね」


 国王に相談した時、陛下は即座に承認した。

「素晴らしい考えだ」

 国王は言った。

「世界中央支援魔法局。その長として、君以上の適任者はいない」

「ありがとうございます」

「この局は、単なる行政機関ではなく、人類全体の為の機関になるだろう」

 国王は続けた。

「君の理念が、世界全体を支えることになる」

「頑張ります」


 翌年、世界中央支援魔法局が、王城に設立された。

 複数の国から、優秀な支援魔法使いたちが集められた。

 彼らは、世界中の支援魔法使いたちの活動を監督し、情報を共有し、新しい理念を開発する。

 その長として、僕が任命された。


 初日、全員が集まった時、僕は言った。

「皆さん、ようこそ」

 僕は皆に向かって言った。

「ここは、世界中の支援魔法使いたちが集まる場所です」

「はい」

「ここで、我々は、新しい理念を開発します」

 僕は続けた。

「派手ではない。名声も名誉も求めません」

「でも」

 僕は声を大にした。

「確実に、世界全体を支える」

 全員が、真剣に頷いた。


 その夜、僕は城壁の上に立った。

 星が輝く夜空が広がっている。

 追放されたあの日から、どれほどの時間が過ぎたのか。

 どれほどの距離を歩んだのか。

 でも、今、僕はわかっている。

 全てが、正しい道だったということを。


 レオンのパーティーから追放されたあの日。

 城下町で、ガルドに出会ったあの日。

 王城で、リリアに出会ったあの日。

 全てが、必然だったんだ。

 そして、全てが、僕を導いていた。

 誰も気づかない"歩きやすさ"で、世界全体を支える、その道へ。


第18話 了


次回、第19話「継承」に続く


読んで下さりありがとうございました!

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Youtubeにて作品公開中!

再生リスト : https://www.youtube.com/playlist?list=PLmiEOdmheYJyF0sHOSkv5vVRaqmR3BzOs

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