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欠落の頁

僕は生きてしまった。

そして来世と同じ、別世界へ転移したのも知っている。


私は死んでしまった。

そして前世と違う、別世界へ転生したのも知っている。

ボゥ....と。

痛いほどの静けさが肌を突き刺すような、冷たく、空虚な世界に小さな火を生む。

急ぐこともない、ここには僕以外に誰もいないのだから。


ゆったりとした、けれども機械的な動作で煙草の先に火を移す。

それは言ノ葉が詰められたものであり、煙となって世界へ吐き出していく。

()()()()()()()()()()()()()


後悔も、絶望もしてない。

まるで空虚な心地だった。

瞼を閉じれば、目の前の景色とは正反対な過去が見える。


でもそれは、()()()()()()()()

僕はここまで、一人でしかなかった。

友達だと信じた人は空想であり、

仲間だと差し伸べた手は空気を掴み、

ずっと与え続けた想いは、こうして破り捨てられた。


()()()()()()()()()()()()

それが僕の辿り着いた答え。

終わらない物語はないのだ。幸せで終われば、その人の物語はそこで終わってしまう。

それでも良かった。

たとえ嘘でも、僕は夢を見たまま終わりたかった。


「ままならないものだね」

忽然と、僕の背後で中性的な声が聞こえる。

振り返る必要もない。


「まぁ、ね。住んでいる世界が違うって...こういうことを言うんじゃない?」

「君は寂しがりやだから、納得していないと思うが」

______痛いところをついてくる。


「僕も馬鹿じゃない。そこは何とかしたし、どう言い訳したところでこれが()()だ」

そう、真実の刃を振り回す。

けれどもそれは、逆に自分を指していて...まだ痛いと感じることに安堵する。


「そうだね。だからこそ、休憩の時間は終わりだ」

「...休憩?」

「"次"に行くよ。また1からやり直しだけど、こんな軌跡のままは嫌だろう?」


.................................

.................................

.................................


「僕は知っているよ。夢の結末を」

「私は分からないよ。軌跡の先を」


二つの台詞が、破り取られた頁の最後だった。

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