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スキル「糸」を手に入れた転生者。糸をバカにする奴は全員ぶっ飛ばす  作者: Gai


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九百二十九話 突き抜ける強さ

(ん~~~~……このままいくと、僕の方が不利になる……かな)


アラッドと闇竜デネブの戦闘が始まってから約二分……アラッドは今のところノーダメージであり、デネブは軽い切傷を何度も負うが、闇で覆うことで完治させていた。


治癒能力を有しているモンスターほど厄介な存在はない。

ただ、デネブの傷口を闇で覆うことで治癒するという方法は、魔力を消費していた。


軽い傷であるため、大量の魔力を消費することはない。

それでも……このまま続けば、勝っている魔力量のアドバンテージが消えるかもしれない。


(魔力操作の技術は、負けてないと、思うんだけど……戦い方、戦闘技術という、点では……これまで戦ってきた人間の、中で……一番かも?)


年齢を考えれば、そんな事はあり得ない。

という考えは、デネブの中にはなかった。


何故なら、現在自分が戦闘中の人間は、その単純な戦闘力だけであっても規格外の存在。

であれば……今更そこに卓越した戦闘技術が追加されたとしても、特に驚くべき内容ではなかった。


「疾ッ!!!!」


「っ!! よっ、ほっ」


(チッ……効いてるのか効いてないのか解らない顔しやがって……ふっーーーー)


しかし、これまでの戦いの中で、トップクラスに集中しているアラッドも、それなりに負担を感じていた。


魔力の消費を節約しようと、アラッドはいつも以上に魔力操作……スキルのオンオフを気にしていた。

一番良いのは、渦雷の効果を最大限発揮することだが、いつも途中で遮られてしまう。


(戦闘は、闇の力を与えたモンスターに任せるタイプに、見えて、割と自ら戦っていたのかもな……本当に、頭が回る、ドラゴンだ)


おそらく、アンドーラ山岳では戦ってないと予想するアラッド。


こっそりひっそり抜け出し、他の場所に移り、適当に戦ってまた戻ってくる。

それを何度か繰り返し……本来は人間が気にする戦いの勘を養っていた。


といったアラッドの予想は、見事的中していた。


(なんにしても、俺との戦いに集中せず、別の場所で戦ってる、スティームたちに攻撃しないのは、助かるな)


多少会話した中? とはいえ、アラッドは闇竜デネブが、闇の力を与えた個体に関して、どのような感情を持っているのか知らなかった。


信頼しているのか、大切に思っているのか、それとも捨て駒だと思っているのか……実験個体なのか。

その辺りがいまいち解らず、戦闘中……今この瞬間、スティームたちを狙うのか否か、非常に気になっていた。


デネブは魔法を発動する際、魔法の発動のみに意識が集中してしまうルーキーではない。


アラッドとの戦闘に集中しながらも、ダークランスを一本ぐらい別の戦場に放つことも出来る。


(なんとなく解ってたけど、どうやら……あんまり冷酷っていうか、手段を選ばないタイプじゃない、感じだね)


ただ、目の前の戦闘以外に気にしていることがあったのは、アラッドだけではなかった。


当然のことならがら、闇竜はアラッドのことを心の底から強敵だと認識していた。

正直なところ……後方に待ち構えている黒い巨狼の存在は想定外。


周りの人間たちもそれなりに危険度が高いと認めていた。

だからこそ、アラッドが自分と戦うフリをして、自身が闇の力を与えたモンスターたちを討伐されると……一気に戦況が不利になる。


(決めたら、目の前の相手と一対一で戦いたい、って感じの性格、か……普通なら、バカだと、思うけど…………この人間は、多分そこが……突き抜けてるん、だろうな)


余裕綽々な態度が特徴的なデネブだが、これまでのドラゴン生の中で、危機に陥ったことは何度かあった。

それは同じモンスターとの戦闘……ではなく、人間との戦闘に限った話。


死にこそしなかったが、人間が持つ馬鹿正直さ、モンスターにはない執念。

それらに飲まれかけ、命を落しそうになった。


目の前の人間には……突き抜ければ恐ろしいと感じる馬鹿正直さがある。

だからこそ、ホッと一安心することは出来ない。


(さて、彼がまだそこまで、賭けに出てきてない間に、なんとかしたいもの、だね~~~)


仮に……仮にここで自分が別の戦場で戦っているアラッドの仲間に攻撃を放てばどうなるか。

成功するかもしれないし、もしかした間一髪で防がれてしまうかもしれない。


その後はどうなるか。


デネブの脳内には、オーガよりもオーガな形相で腕の一本や脚の一本ぐらいくれてやる、だが……お前の命だけは確実に貰う。

そんな言葉を零しながら、本当に自分を殺してしまうアラッドが浮かぶ。


(まいったね~~。六対四ぐらいで、少し不利かなって思ってたんだけど……七対三ぐらいで不利って、感じかな)


冷静に……表情には出さず、闇竜は自分とアラッドとの差を理解し、戦況を分析していた。


このままいけば、やはり魔力量によるアドバンテージを失ってしまう可能性が高い。

闇竜は闇竜でそれをカバーする方法はあるが……アラッドがポーションを飲もうとすれば即座に妨害するのと同じく、アラッドも闇竜がその様な行動を取れば、即座に全力で妨害する。


(でも、それでも…………予定通りには、進んでいるかな)


冷静に冷静に……余裕綽々な表情を崩さない。

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