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スキル「糸」を手に入れた転生者。糸をバカにする奴は全員ぶっ飛ばす  作者: Gai


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八百二十三話 過去の被害

「とりあえず、ある程度情報を集めておくか」


グレイスから教えてもらったロッサの密林に潜む風竜を討つ。

それ以外にも目的が出来た三人。


勿論風竜は探しながらも、白毛猿たちのボスであるハヌマーンを探す。


しかし、三人はロッサの密林について詳しく調べていなかったこともあり、ハヌマーンに関して全くと言って良いほど情報を持っていなかった。


「とりあえず、受付嬢たちに訊くのが一番じゃない?」


「それもそうだな」


ギルドからすれば、現時点で割と大きな被害をもたらしているモンスターを討伐しようとしてくれる冒険者は大歓迎。


「すいません。ハヌマーンに関する情報が欲しいのですが」


ギルドに到着後、スティームはなるべくロビーにいる同業者たちの耳に届かない様に、小さな声で丁度空いていた受付嬢に声を掛けた。


「……ギルドカードを拝見してもよろしいでしょうか」


「はい」


「っ!!!! ……かしこまりました。少々お待ちください」


スティームという名と、Cランク。

この二つで受付嬢は、目の前のイケメン優男があのアラッドとパーティーを組んでいる、あのスティームだと確信を持った。


「お待たせしました。こちらがハヌマーンに関する資料です」


「ありがとうございます」


資料を受け取った後、スティームはアラッドたちとロビーの隅っこで資料を眺めていた。


「……割と被害が出てる方、なのかしら?」


ギルドが集めた資料には冒険者たちが遭遇した場所、ハヌマーンの特徴や行う攻撃などの他にも、遭遇した冒険者たちの被害も記されている。


「…………過去には、複数のBランク冒険者を有するパーティーが負傷して逃走を余儀なくされている。今回現れた個体の強さはまだ正確には解ってないが、ひとまずBランクを一人有するパーティーが負傷し、逃走を選択させられた」


「ってことは、Bランク冒険者を複数相手に出来る個体もいるってことね~~」


「ハヌーマを引き連れての戦闘かもしれないけど、どちらにしろ人間との戦闘に慣れた個体と思った方が良さそうだね」


「ふっふっふ、ビビってきた? それなら、私が変わっても良いよ」


「おい待て。仮に変わるとしても、それなら最後スティームとじゃんけんした俺だろ」


二人とも、一応自分たちが話している会話が会話であることを理解しているため、小声で話している。


ただ、ロビーの端で話しているとはいえ、アラッドたちがあのアラッドたちであることはバレているため、ちらほらと視線を向けられていた。


「二人とも、別に僕はビビってないから、変わる必要はないよ」


スティームとしては、雷獣との戦闘時に殆ど参加出来なかった悔しさを乗り越える為のリベンジ戦。


悩んでいることがあるとすれば、ハヌマーンとの戦闘時、万雷を使うか否か。


(勿論、赤雷は使う。あれを出し渋って勝てる相手ではない。ただ……万雷を使えば、ハヌマーンは僕の攻撃を回避することしか出来なくなる…………)


アラッドやガルーレほど強者との戦いに飢えている訳ではない。


ただ、折角の機会を無駄にしたくはなく……武器に頼った戦いをしたくないという思いもある。


「……戦闘が始まったら、周りのハヌーマは任せても良いんだよね」


「当たり前だろ。存分に、ボス猿との戦いを楽しんでくれ」


資料に記された内容を頭に叩き込み、資料を受付嬢に返還。


「お気をつけて」


「ありがとうございます」


イケメンフェイスで応え、スティームは戦意に満ちた目をしながら冒険者ギルドから出て、ロッサの密林へと向かった。



「……なぁ、ガルーレ。さっきの受付嬢の顔を見たか」


「資料を返す時に受け取った人でしょ。見た見た。あれはもうメス…………いや、まだメスではないかな。でも、キュンっか、トクンって胸が高鳴った顔をしてたわね」


「乙女の顔ってやつか」


「そうそう、それそれ!!!」


冒険者ギルドを出た後、二人はハヌマーンや風竜とは全く関係無い話で盛り上がっていた。


「…………」


「あれはもう、気にせずにはいられないはずよ!」


「スティームが冒険者ギルドに来れば、思わず目で追ってしまう。いない時も、もしかしたらと思って探してしまうようになるのか?」


「全然あり得るね!!!」


「…………二人とも、何を話してるの」


「何って、さっきスティームがイケメンスマイルをぶちかましたことで、ハートを射抜かれた受付嬢の話に決まってるじゃない」


「いや、ハートに刻まれたっていう表現の方が合ってるんじゃないか?」


「確かにその方が合ってそうね!!!」


アマゾネスらしく、恋愛話が大好物なガルーレ。

当然と言えば当然だが、自分の話でなければ割と恋愛話が好きなアラッド。


「別に、そういうつもりはなかったんだけど」


「そうだろうな。お前は顔の良さで女性をどうこうしようと考えるゲスじゃないからな。とはいえ、ガルーレ。あの笑みは、ある種の罪になりそうじゃないか?」


「そうね~~~。勘違いをさせてしまった罪、かしら」


「……僕は笑わない方が良いと?」


「そんな訳ないじゃ~~ん。ただ、スティームは罪な男だって話をしてるだけだって」


自分だけがそう言われてしまうのは納得がいかず、スティームはアラッドも自分と同じはずだと反論するも、即座に自分は強面顔だから罪ではないと返されてしまった。

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