表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
41/66

41

*****


戴冠の儀が行われる聖堂

この儀式に呼ばれた各国の王侯が中に入って来る。

もちろん、アッティラとエリシュカも中に入り、ヴォールーニ王族の最前列の席に着く。


「アッティラ様すごい方々ですね」

「そうですね」

「このような式に参列するのは初めてなので緊張しますわ」


アッティラやエリシュカ自身この式の参加者の大半には会った事があるのだが、この様に一堂に揃った場への参加はなく、この独特の感じ、それに加え元カッティラの婚約者だったエリシュカへの視線、兄の元婚約者と結婚したアッティラへの視線、この雰囲気に呑まれない様に背筋を伸ばし気を張る。



カッティラとホノリアは、歴代の大公達が眠る墓地に行き、戴冠する事を伝える。

そして、聖堂の地下にある湧き水のでる場所でそれぞれ沐浴をし身を清める。



王妃の控えの間では・・・


「儀式を延期はできないの!」


ホノリアが癇癪を起す中、侍女達がなだめようとするが中々収まらず、ファレンスとアルビアが呼ばれた。


「そんな事出来るわけないだろう」

「でも」

「結婚の時代理人立てた時、今日と明日はきちんとすると」

「でも」

「でも、じゃない、もう各国からの列席者は来てるんだぞ」

「でも、ここの吹き出物がまだ治ってないんです!!!」


ホノリアが唇近くにできた吹き出物を指で刺しながら大声で叫ぶ。


昨日の自分の結婚式の欠席理由はもちろん、この吹き出物。

癇癪だけなら代理人まで必要なかったが、泣いて目も腫れたため余計に人前に出る事を拒んだため、戴冠の儀と晩餐会はきちんと出席する約束で代理結婚を許したのだ。


「お化粧すればわからなくなりますわよ」

「ならないのよ!」


ファレンスの後ろからアルビアが半ば呆れながら言うと、ものすごい勢いと顔で睨みながら怒号で返される。



国王の控えの間では・・・


なぜか、げっそりとしたカッティラの姿があった。


”結婚とはこういうものだったのか・・・”



「陛下?」

「なんだ?」

「そろそろお時間ですので、マントを」

「わかった」


カッティラは、マントを被り部屋を出た。



聖堂に音楽が流れると、皆がおしゃべりを止め立ち上がる。

正面の扉が開かれ、カッティラ、ホノリアの順で入場し式が始まった。


カッティラがアッティラの横を通る時に横目でアッティラとエリシュカの顔を見ると、カッティラは驚いた。


”誰だ!?”


式を中断し聞く訳にもいかないのでそのまま式は進行。


ホノリアは、王妃になる事が嬉しく自慢げに歩き両横をチラチラと見ながら進むが、アッティラを見た瞬間、叫びたくなるのを抑える。


”えっ、どういう事!!!”


いくらホノリアでも、さすがにこの場で怒ったり取り乱してはいけない事くらいはわかっている。


カッティラとホノリアは、階段を上り列席者より数段高い場所で皆に背を向けたまま膝を付き、天にこの地を収める事を伝える。

そして、天の使者として大司教から王に王冠を戴き、王妃は王より冠を戴く。

ヴォールーニ国の王族、貴族が王への忠誠を誓い、王はこの地を正しく収める事を宣言。

王、王妃は、聖堂を出て行く。


こうして式は滞りなく終了。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ