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「今日は、わたくしの我儘にお付き合いくださりありがとうございました」
「いいえ、喜んでいただけたのならよかったです。それより、王女殿は本当に馬に乗るのが上手なのですね」
「アッティラ様に褒めていただけるなんて嬉しいですわ」
屋敷に戻ってきた二人は、馬を預けるとお互い自分の部屋へ戻っていった。
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「ただの散歩に付き合わされただけで終わった・・・はぁ、風呂にでも入るか」
エリシュカに敷地を案内しただけで気疲れしてしまい、部屋に入るなりソファに倒れ込むように座り息を大きくはきブツブツと呟き、起き上がりお風呂に入る事にしたアッティラ。
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お風呂の湯舟ににゆったりと浸かりながらそばに控えるキンガと話すエリシュカ。
「キンガ、アッティラ様がわたくしの事をほめて下さったの!でも、アッティラ様の方が乗馬はお上手だったわ」
「お嬢様、とても嬉しそうですね」
「それはそうよ!初めての二人でのお出かけだったのよ」
「それはそうと、大公子様にお手紙の事をお話ししたら驚いてらしたんじゃないですか?」
「・・・」
”あっ・・・!”
「すっかり忘れていたわ・・・」
「お嬢様・・・」
「だってやっとご一緒出来て楽しかったのよ!」
「それは分かりますが、大公子殿下はさぞかし期待を裏切られた事でしょう」
「どうすればいいかしら?」
「そうですね・・・」
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夕食中アッティラが手紙の話しはおろか自分から話しをすることなく食事が終了。
「アッティラ様」
「なんでしょう?」
「昼間のお話しの続きをしたいのですが、お時間ございますか?」
「えぇ、わかりました」
「それでは、わたくしのお部屋へ」
部屋に通されるとキンガに案内され椅子に座るアッティラ、テーブルをはさみ向かい合う形で椅子に座るエリシュカ。
「わたくしに来た手紙の事です」
”やっと本題が来たか”
「内容そのものは大したことのない物なのですが、アッティラ様にも関わりがある事なので」
「私にも、ですか」
「はい。手紙は、オールフェンからの物ですわ」
「オールフェンから、国王陛下ですか?」
「はい。初めにお伝えしておきますが、父が何か行動を起こす事はありませんわ。今の所は、ですが」
「今の所は、と言うと?」
「正確には、わたくしが釘をさしましたの。ですから、その言葉の抑えが効いている間は大丈夫ですわ」
”つまり、王女に何もなければ見て見ぬふりをするが、何かあればその保証はない、ということか。つまり、王女が無事なら下手に動かない、いや動きようがない、もしくは動けば王女と言う人質がどうなるかわからないから、か。
オールフェン王も慎重にならざるおえないな
それにしても、王女が自分で伝えた?”
「王女殿、それはどうやってオールフェン王に伝えたですか?」
「お聞きになられた事ありませんか?オールフェン王族の噂を」
「えっ・・・まさか大地に愛されし一族」
「はい、よくご存じですわね。連れて来た鳥達は、わたくしの言葉を伝えてくれますの。勿論、手紙の様に長い文章は無理ですが」
「・・・」
”実際見たことはなかったから、半信半疑だったが・・・”
「アッティラ様?」
「失礼、驚いてしまって」
オールフェン王族は、普通とは違う能力がある事は知られているが、嘘か本当か定かではない噂が色々とあるため、その能力を信じる者、信じない者、どちらか解らず半信半疑な者、がいる。
アッティラ自身は、この世界の殆どの人が信じている、というか現実に起こっている嫡子の結婚相手の決め方、については知っているが、他の噂などについては、あり得るかもしれない?、くらいにしか思っていなかったので、目の前で本人に言われると、やはり理解がついていかなかった。
「よければ鳥達にお会いになりますか?」
「よいのですか?」
「別に隠している訳ではありませんから。でも、ごく普通の鳥ですわよ」
「ぜひ、見てみたいです」
いつもあまり喜怒哀楽を表に出さないアッティラの素の笑顔に顔を赤らめるエリシュカはそれを隠すために軽い咳払いをして呼吸を整える。
「その前に、アッティラ様これが先日届いた手紙ですわ」
エリシュカは立ち上がると机の引き出しから白い封筒を取りだしアッティラに差し出した。
「手紙は燃やしたのかと?」
灰になった手紙を見ていたアッティラは驚き手紙とエリシュカを交互にみながら、なぜここにその手紙があるのかを尋ねた。
「燃やしたのは、父から来た手紙で、心配していることと、何かあれば、すぐに言いなさい。と言うような内容の物でした。これは、わたくしとアッティラ様の叔母上様からアッティラ様へのお手紙です」
「私と王女殿の叔母上・・・父上の妹でオールフェン王弟陛下の?」
「はい」
”なるほど、そういうことか”
「叔母ならここまで無事に手紙が届いたのも納得です」




