第8屋 作戦と煙
(バタン)
「アキさん!」
扉を思いっきり開けアキさんを呼ぶ。
返事がない。
(ドタドタ)
階段を駆け上がりアキさん部屋の前まで立ち止まる。
アキさんが言っていたことを思い出す。
「僕の部屋は、入っちゃ駄目ね。おばけが出るよ。」
アキさんの冗談だろう。
しかし、一応ノックする。
(コンコン)
「アキさんのいます?」
返事がない。
「仕方ない。」
(キィー)
ゆっくりと扉を開く。
「失礼します。えっなんで」
写真が棚の上においてあった。それ自体のは、良いのだがその写真がどうも気にかかった。
私のお母さんとアキさんが写っているのだ。
何故?
考えだしたら怖くなっていた。
部屋を出ようもすると。
「何してるの?」
声をかけられた。
ゆっくり振り向く。
秀仁だった。
「別に何もしてないよ…」
目をそらす。
「アキさんは、出てるから帰ってくるのは遅いと思うよ。」
「そうなんだ。」
「僕も出るから留守番をよろしく。」
そう言って、居なくなってしまった。
一気にこの空間が空っぽになったように感じた。
「鈴木さん。」
「アキさんどうしたの?」
「相談なんだけど…」
アキさんが鈴木さんに作戦を話す。
「うーん、」
「やっぱり、難しい?」
少し鈴木さんが考え込む。
「お前の頼みだしな、少し頑張ってみよう。」
「鈴木さんありがとう。」
「まぁ、それは、それとして秀仁は、最近大丈夫か?」
「うん、最近は、両親の調子も良くなってるしね。」
「それならいいんだ。」
「アキさん辞めたんだろ。」
ライターを出した瞬間に鈴木さんが言い放った。
「そうだった。」
ライターをしまった。