第4屋 増える住人
「ということで、秀仁の両親がしばらく家を開けるのでここに住むことになりました。」
アキさんがイェーイと一人で賑やかしている。
「でも、どこに住むですか?」
私が、疑問に思い聞く。
「えっと…」
アキさんが言葉に詰まる。
「考えてないんですね。」
扉が突然開いた。
「助けてくださぁーい」
リナが声を上げる。
「どうしたの」
私が聞く。
「実は…」
リナは、事の顛末を話しだした。
どうやら、5月からの改築工事に向け、住居から追い出されれしまうらしい。
「どうしようか」
アキさんが困る。
「二人もこの家におけるかな。」
「アキさん私知ってますよ。2回二部屋空いてますよね。」
アキさんの顔色が悪くなる。
「でも、物置になってますよね。」
2階を案内されたときに言っていた。2部屋は、物置になっていると。
「仕方ない、片付けるかぁ…」
アキさんが力なく言う。
「燃えるゴミは、こっち。燃えないゴミは、こっちね。」
アキさんがふたつの袋を広げる。
「あと、分けわかんないのはこの箱に入れて。」
「はーい。」
じゃあ、ふたりは、そっちの部屋お願い。
ふた手に分かれて片付けを始めた。
「秀仁、大丈夫?」
アキが、秀仁に尋ねる。
「…」
片付けをしていたら出てきたであろう写真を見つめていた。
静かに秀仁を寄せる。
「ここなら、大丈夫だから。」
「はい。」
「春、これどうしよ。」
リナが、ヘンテコな形の棒をだす。
見た目は、まんま魔法の杖という趣である。
「あの箱に入れとけばいいんじゃない。」
貸してと言って、持っていただるまと一緒に箱に入れに行った。
「ありがとう」
リナが言う。
「いえいえ。」
(これは、箱に入れとくか。)
箱には、すでにものが入っていた。
だるまと……杖
「春、これ触った?」
アキさんが隣の部屋から出てきてさっきの杖を持っていた。
「はい、まずかったですか!」
私が、あたふたする。
「いや、いいんだけど。」
と言いながら、部屋を出っていた。
部屋に戻ると秀仁が、聞いてきた。
「やっぱり、春さんは……」
「ストップ」
アキさんが言葉を遮る。
「それ以上は、知ってても言わない。」
「分かりました。」
「よーし、なんとか終わった。」
朝から始めたのにもう日が傾いていた。
思いの他、ゴミは少なく、他のものは、すべてアキさんの魔法の箱?とやらに仕舞われた。彼いわく、何でも入る、某ネコ型ロボットのポケットみたいな物らしい。
「いや〜これで二人の問題は、片付いたね。」
良かった良かったと、アキさんが呟いている。
「楽しくなりそうですね。」
私がアキさんに言う。
「だね。」
私は、まだ知らなかった。
私自身の事もアキさんの事も…