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季節屋〜始まりの季節〜  作者: mayu
季節の始まり
3/22

第3屋 オープン季節屋

「おやようございます。」

いつもどおりアキに挨拶をする。

「おはよう、春」

アキが笑顔で言う。

「今日から開店ですか?」

「その通り、ずっと、春休みだったからね。」

いそいそと準備をしているアキに

「じゃあ、行って来ます。」

「行ってらっしゃい〜」

今日は、大学が休みのため不動産屋に行くことにした。一応1ヶ月間居候させてもらうことになっているが1ヶ月を過ぎたらどうなるかわからない。もしかしたら突然追い出されるかもしれない。

そんなことを思いながら歩いているとリナが向かってきていた。

「あっ、春どっか行くの?」

リナが首を傾げる。

「そう、不動産屋に行くの。」

「なんで?あそこに住んてるんじゃないの?」

再び首を傾げる。

「そうなんだけど…」

リナに事情を話す。

「そっか。じゃあ、私出勤日だから。」

「そうだったね、頑張って。」

リナと別れ再び歩き出す。



「アキさん〜来ましたよ。」

リナが扉を開き店に半分体を出してアキを呼ぶ。

「お〜来た来た、じゃあこれ着て。」

季節屋と書かれたエプロンを差し出す。

「はぁ〜い」

店のスタッフルームに荷物を置き準備をしていると再び扉が開いた音がした。

「おはよう御座います。」

「お〜秀仁、久しぶり」

シュウと呼ばれた少年は

「久しぶりです、アキさん」

すると、リナが店へと出てきた。

「シュウ、こちら一緒に働くことになったリナ。シュウはね、常連なんだよ。この店の。」

アキが紹介する。

「よろしく秀仁!」

リナが明るく言いシュウの手を取る。

「よろしくお願いします。」

シュウが、照れながら言う。

見た目は、小学生くらいに見えるが本人は、高校生だと言った。

「よ〜し3人でバリバリ働くぞ〜」

アキが両手を上げ言う。

「そう言えば、このバイトの業務ってなんなんですか?」

そう言えば、バイトの事は、詳しく聞いていなかった。

「主に、僕の手伝いと接客。一応、飲食店だから。喫茶店みたいなものだよ。」

アキが言う。

「了解しました。」

扉が開いた

「いっらっしゃいませ」

早速、仕事が始まった。



私は、途方に暮れた。

もう何件不動産を回ったか分からない。

しかし、何処もかしこも大学近くの物件は、売れてしまっていた。どうやら3月には、新生活を始める人たちがどんどん物件を買うらしく、しれに乗り遅れた私は、手も足も出なかった。

一旦、お店に帰ることにした。



お店の前に着くと人で賑わっていた為、アキさんに教えてもらっていた裏口から店の中へと入った。

「春、おかえり。」

忙しそうにしているアキが言う。

「ただ今戻りました。」

見慣れない人がいた。

「こんにちは」

一応、挨拶をした。

「こんにちは」

相手も挨拶を返してくれた。

2階に上がりアキさんから借りたパソコンでまた、物件情報を検索してた。

数時間経つと下の階がだいぶ静かになっていた。

1階に降りると、リナとさっきの子が疲れきっていた。

「お疲れ様、もうピークは過ぎたから、よく頑張ったね。」アキさんが二人を労う。

アキさんが私に気づいた。

「そうそう、春この子は、秀仁仲良くしてね。」

互いに会釈し合った。

「そう言えば、今日は、どっか行ってたの?」

「不動産に行ってました。」

アキさんが不思議な顔をした。

「何で?!ここ出ってちゃうの?!!」

アキさんがびっくりする。

「いや、そもそも1ヶ月の居候って話だったじゃないですか。」

私が、そう言う。

「何言ってんのさ。そんなこと気にしなくていいのに。」アキさんが続けて言う

「ずっと居てくれてていいのに。」

「本当ですか?」

控えめに聞く。

「もちろん」

「ありがとう御座います。」

「どういまして。」

「そうだ、お茶でも淹れようか。」

アキさんが立ち上がる。



なんやかんや話していると秀仁は、学校に行っていないらしい、俗に言う、不登校と言うやつらしい。

「まぁ、無理に行く所でもないでしょ」

アキさんが言う。

「私もそう思う〜」

リナが軽く言う。

「皆さんありがとう御座います。」

秀仁が言う。




そして、日が暮れ、店さきで二人を見送った。

「じゃあ、僕は、買い出しに行ってくるから。」

アキさんが言う。

「手伝いますよ。」

「良いよ、そんなに買うつもりも無いし。休んでて。」

「わかりました。」



歩いていると路地裏に見知った人影を見つけた。

「おい、何してるんだよ。」

アキが路地裏の人影に声をかける。

「四季秋凪、魔法使い狩りが増えてきている。」

人影が言う。

「その名前やめてくれ。」

「何故?」

「まぁ、良いやでもなんで増えてるんだ、今。」

少しの沈黙の後

「それに、何で魔法使い狩り君が言うんだ?」

人影の気配が消えた。

「無視するなよ。」

電話がなった。

「もしもし、どうしたの、シュウ」

電話に出る。

「助けてください、アキさん…魔法使い狩りが……」

秀仁のもとへ走り出した。


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