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自分の身分は弁えているが、それでも俺は君が好きだ!

作者: 七瀬
掲載日:2021/09/18







俺の国では、産まれた時から位がついている。

俺の親父は、ずっと一番下の【マーシャン】という位だ!

まあ、この国では“奴隷”という意味である。

俺の母親は、一番上の【ショーウェン】という位で王族の

人間だったのに、俺の父親と出逢った為に位を落としてしまった。

何不自由しなかった生活が、一気に命の危険を感じる生活に一転して

母親は、精神的なノイローゼになり頭がおかしくなってしまった。

俺を産んですぐに育児放棄をし、父親が俺を男手一つで育ててくれる。

母親は、服も着ず素っ裸で外に出て叫びまくり家を徘徊するようになった。

母親を病院に連れて行くお金もないので、村の霊媒師に診てもらう。



『この女性は、何かに憑りつかれている!』

『い、いや? そうじゃないよ、ちゃんと見て!』

『この女は、“元は王族の者か?”』

『・・・あぁ、はい!』

『この女を元の位に戻すしか治す方法はないな!』

『・・・そ、そんな、』

『母さん!』

『もし? 元の位に戻ったら、妻はどうなるんですか?』

『もう、二度と! お前達と会う事はないだろう!』

『・・・そ、そんな、』

『父さん、どうするの? 母さんを元の位に戻すの? そしたら

もう母さんとは、僕も父さんも会えなんだよ!』

『それでも、元の位に母さんを戻すしかない! 気がおかしくなって

るんだよ! ここじゃ、ロクな治療もしてやれない!』

『・・・・・・』

『ショーン、母さんの為だ! 二度と会えなくても母さんはお前の

母さんだよ!』

『・・・ううん、分かった、父さん!』

『お前は、母さんに似ていい子に育ったな。』

『・・・う、うん。』







・・・俺と父さんは、母さんを連れて母さんが元住んでいた。

一番位が高い、【ショーウェン】の人が住む場所に連れて行くことにした。

大きな門の前には、警備員が数人いて俺達を調べだした。



『お前たちは、マーシャンの者か? マーシャンの者はココから先は

通れない! 何しに来た?』

『おれの妻は、“元はショーウェンの者だ! 王族の名前を今から言う

から調べてくれ! そして妻を元の場所に戻してほしい。』

『よし! 王族の名前を言え!』

『○○××○○××ショーウェン・レイニス』

『少しだけ、そこで待てろ!』

『あぁ。』





・・・数分後。



『○○××○○××ショーウェン・レイニスは存在する、いいだろう!

女性ひとだけ置いて、お前達は元の場所に帰れ!』

『無事に、妻が王族の元へ帰れるか? おれの目で確かめない限り

ここから一歩もどかないぞ!』

『俺もだ!』

『・・・しょうがない奴らだな、分かった! もう直ぐこの女性ひと

の身内の者が迎えに来る! そこで待ってろ!』

『何から何まですまない!』

『気にするな、オレもマーシャンの出身者だ! お前達の気持ちは

オレにもよく分かる。』

『ありがたい!』

『おじさん、ありがとう!』

『坊主! お前はいいのか? 母さんとはもう二度と会えなくなるんだぞ!』

『仕方ないよ、母さんの為だから。』

『そうか!』

『うん。』







・・・この後、母さんの実の妹という人が母さんを連れて行く。


『あなた達のせいで、お姉様はおかしくなったのよ!』

『頼む! 妻を治してほしい!』

『母さんを頼みます!』

『もう、行きましょう!』





これが! 母さんと俺達が会う最後の日になってしまった。







 *







・・・ここから、数十年後。

俺もいつの間にか、大人の男になった。

でも? 相変わらず、一番身分の低い俺たちの生活は何も変わっていない。

貧しい生活は続き、食べる物もやっとで。

生活は、毎日苦しかった。

それでも、なんとか? 俺は父さんと二人で生活を続けていた。

そんな時、一番位の高いショーウェンの一族が何故なのか?

一番位の低いマーシャンの村にやって来た。




『この村に、ショーンという青年は居るか?』

『あぁ! 俺がショーンです、何の御用でしょうか?』

『お前に会いたいと言う王族の者がいる! 我々に着いて来い!』

『・・・は、はい!』





俺は王族に仕える家来の者の馬車に乗せられてショーウェンの街に

やって来た。

門の前には、以前いた警備員の一人がいる。



『お、お前は? 何しにここに?』

『我々の王族の者が、この者に会いたいと申している! だから連れて

きたのだ! 通過書を出せ! 中に入れるぞ!』

『はい! 畏まりました。』




・・・そうすると? 大きな門が開いた。

開いた門を馬車が通ると? 綺麗な街並みが見えてくる。

街は賑わっており、お店があちこちに並んでいた。

そして、真っ直ぐに馬車は大きなお城の中に入って行く。


『よし! ココで止まれ! 我々はここまでだ! 後は王族の者が

ココにお前を迎えに来る! お前はココで待っていろ!』

『は、はい!』





・・・俺を迎えに来てくれた王族の者は、二度と会えないと思って

いた母さんだった。

しかも? 病気はすっかり治っており初めて見る本来の母さんだと知る。



『ショーン! 会いたかったわ! 私の息子! 愛する息子ショーン!』

『母さん! 治ったの?』

『えぇ、すっかり治ったわ!』

『良かった、父さんも喜ぶよ。』

『・・・ショーン、貴方! 私と一緒にココで住まない?』

『えぇ!? でも、父さんは?』

『父さんとは、一緒にはもう住めないわ! せめて、貴方だけでもここで!』

『ムリだよ! 父さんを一人置いていけない。』

『・・・そう、そうね! 貴方に紹介したい女の子がいるのよ! この子

私の姪っ子のリーネンよ。』

『よろしくね! おば様、この方が息子さんのショーンさんですか?』

『そうよ、私の一人息子のショーンよ』

『また、わたしもショーンさんに会いたいわ!』

『そうだね! でも俺はここで、またね母さん!』

『えぇ、また私から二人に会いに行くわ!』

『待ってるよ。』










・・・俺はリーネンに恋をした、一目惚れだった。

自分の身分は弁えているが、それでも俺は君が好きだ!

この気持ちを、抑えるにはどうしたらいいのだろう。

身分の差を埋めるは事できない! 俺はいつまでたってもマーシャンの

者だ! これは変えられない!

叶わぬ恋と分かっていても、俺はリーネンに本気で恋をしてしまう。





最後までお読みいただきありがとうございます。

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