表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
6/8

目の前にきらびやかなシャンデリアが見える。女の子の部屋なんだからキラキラ可愛くなくっちゃと勝手にノア兄が設置したシャンデリアだ。そんなお姫様みたいな部屋は嫌なのでやんわり拒否したのだが、ノア兄は聞き入れてくれなかった。むしろ、ノア兄が理想とするミアの部屋を作るといって、白やピンクの家具をどんどん導入し絵本に出てくるお姫様のお部屋そのものを完成させていた。

その部屋から女の子らしいものが好きというイメージがついて自分の誕生日には、お父様もイーサン兄もテオも可愛らしいものを送ってくれるようになった。

だから、ドレスもアクセサリー、宝石類もピンクや白系が多いしそして全体的に派手だ。私的には辞めてほしい。

そんな自分の落ち着くような落ち着くかないような部屋だと認識し、自分は死んでなかったんだとここで気づく。


「、、、起きたか。」



聞いたことない声にビックリした。

優しく温かく握られている手が離れていく。その手が何故か名残惜しくて、離してほしくなくてでも離れてしまって。手持ちぶさたになった左手はぎゅっとシーツを握る。



「、、あ、、あの。」


私は正直驚愕していた。

あの人助かったんだ!本当に良かった!という安堵もあったけど、安堵よりも前に。

こんなに美しい人見たことないからだ。暁のオレンジ色の髪はボサボサ整えられずそれが逆にセクシーさを際立たせてる。吸い込まれるような金色の大きな瞳。兄バカだが、ノア兄がこの世で一番かっこいい人間だって思っていた。けど、この人はノア兄とは違う輝きをしている。眩しい、神々しい。歳は同じくらいに見える。なのに、そう、神々しいんだ、神様がいたらこんな感じなのかなと思う。彼のオーラがすごすぎて見つめてられない、眩しすぎ。



「俺の魔力を少し分けた。これで少しは元気になるだろう。」


声も少し低めの落ち着いた声。神の声はこんな声なのか。


「助けていただき感謝する」


これでもかというくらい深く頭を下げた。か、神様にこんなことさせるなんて!!


「あ、あの、いえ!私はなにもっ」



「お、ミア、目が覚めたんだね」


声の主にはたまた驚く。部屋のドアからではなく突如ベットの脇から黒の煙が漂う。


「ルイーズ様っ!!」


黒の長いつやつやの髪に黒のハット。日焼けを知らない真っ白の肌に深紅の口紅が目立つ。いつも同じ格好の細身の黒のパンツに高いヒールブーツを履いて颯爽と登場した。

影の魔女、異名そのものだ。


「遅くなってしまって悪かったね。こんな拾い物する予定じゃなかったんだけど、まぁ、それも面白いかなって、さ。」


ルイーズ様は私の右側に腰かけると私の顔を見て微笑んだ。


「体調はどうだい。」


そっと私の頬を触る。その温度はとっても冷たかった。


「少しだるい感じはありますが、動けそうです。」


「魔力切れを起こしてまだ2時間しか経ってないのにさすがだね。」


ルイーズ様の手がすっと離れるとベットから立ち上がり、私とオレンジ髪の青年に向かう。


「時間がないから、とりあえず転移するよ。詳しいことは北塔で。」


そう言って羽織っていた黒のコートのポケットから杖を取り出しさっと振りかざすと一瞬にしてルイーズ様の部屋に移動した。














ルイーズ様の部屋は狭くて本当にごっちゃごちゃしている。机の書くスペースもないくらい本や書類が山積みで埋まってる。また、棚には薬草なのかよくわからない植物やアンティークの骨董品、絵画、書物、動物の骨みたいなものやよくわかんないものがたっくさん詰め込まれている。とてもじゃないけど、話をするようなスペースはない。


「勢いで来たが、ここはだめだね」


ルイーズ様はふっと笑うとまた杖をふる。すると隣の部屋の続き扉が開いた。

それから、もう一回杖をふると落ちている書類や本はたちまち浮いて隅っこにまとめられる。それから、窓が開けられ換気をし、埃っぽい部屋が一瞬でピカピカになる。


「お茶を入れてあげたいが、ノア次第でね。まぁ、あんまり時間を稼げないだろう。とりあえず掛けな。」


大きめの机にソファが2つ挟んで置いてありルイーズ様が座ると私は反対側に座った。

オレンジの神々しい青年はそこにある木の丸い小さな椅子に腰かける。


「ミア、まずはこの子を救ってくれてありがとう。いろいろ追っ手がややこしくてね。必死で逃げてきたが、転移も妨げられてなんとか森には落ちたがお互い瀕死状態だったよ。ミアがいなかったらこの子は助からなかっただろう。」


そう言えば、神々しいくてまじまじと見れなかったが彼は傷一つなかった。顔も傷だらけだったし、右足に関しては血まみれで傷がひどくどうしようもないとも思っていたのに先ほど部屋を移るとき普通に歩いていた。



「私はなにも、、、止血しただけで、、、そ!そうです!懐中時計!!ルイーズ様にいただいた懐中時計のおかげです!」


するとルイーズ様は右手を差し出した。掌にひび割れしてボロボロの状態の懐中時計があった。


「いいや、この懐中時計は役目を負えたんだ。懐中時計になんの力もない。この子を治癒させたのは紛れもないミアの力さ。」



そう言うと懐中時計はキラキラ輝き煌めく粉となってルイーズ様の掌で消えていった。






評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ