第一話 ゲームの始まり
薄暗い部屋に一人女が居る。
女の名前は薬味狂華。今年で25歳になる。
狂華は先日までとある薬物研究所に勤めていたが狂華の研究マニアとも言える性格のせいで先日クビになってしまった。しかし狂華の実家はそれなりに金持ちなので金銭には問題ない。
「はあ?私にゲームを送った?」
狂華は現在電話している相手にそう言う。
電話相手は研究所に勤めていた時の後輩だ。
『はいそうです。だって先輩ゲームとか好きでしょ』
「まあ、好きだけど・・・」
『ならいいじゃないですか。俺からの餞別です。しかも入手が難しくて先輩の奴は第三陣です。昨日送ったからもう届くはずですよ』
そこで都合よく「ピンポーン」とチャイムが鳴る。
『あっ、来たみたいですね。ゲームの内容は最近流行りのVRMMOですから楽しんで下さいね』
「ちょっと待て!」
狂華がそう叫んだところで電話が切れる。
狂華は溜息を吐きながら玄関に向かう。
「さて、これね・・・」
配達員から荷物を受け取り、段ボールから取り出したのはヘルメットの様な電子機器。
「これって最近めっちゃ流行ってる奴じゃない・・・。まあいっか。折角貰ったんだしやりましょ」
狂華はヘルメットを被り、ゲームを起動する。