月とメロンソーダ
なんとなく場違いな
白い月の残る朝
なんとなく買った
ペットボトルのメロンソーダ
バニラアイスにちょこんと座る
さくらんぼの絵だけに惹かれてる
雲の隙間から
指差すような光が射して
本日の主役はあなたあなたあなた
お呼びではない私だから
するすると人混みをすり抜けてく
炭酸に誤魔化されない甘さが
口の中に残って
後悔したってぜんぶ
パステルグリーンのパッケージに
特別な色してるさくらんぼのせい
8時2分の
うっすらと見知った人たちの間では
私だって曖昧で
しゅわしゅわと消えていく記憶になるから
気まぐれなさみしさなら気軽に味わって
なんともない顔
なんともない朝
薄くなる月の白さを見上げてる