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にわとり

作者: あお

ともみちゃんのおじいちゃんの家にいるにわとりの話です。

ともみちゃんはときどき、おじいちゃんの家に行きます。

おじいちゃんの家には、いとこのとしおくんがいます。


としおくんは、縁日で黄色いひよこを買ってもらいました。

ともみちゃんはひよこを見るのは初めてでした。


挿絵(By みてみん)


ともみちゃんは、そのひよこを手にのせてもらいました。

ふわふわしてやわらかくてこわれそうでした。

ひよこの足がうごくと、手のひらがくすぐったい感じがしました。

何日かたつと、ひよこの黄色はうすい色になってきました。


何ヶ月かたって、おじいちゃんの家にいったとき、そのひよこは、もうひよこではなくにわとりになっていて、大きな鳥小屋に入っていました。

色も白色になり、頭の上には赤いとさかがついていて、くちばしの下にも赤いものがたれさがっています。

草をひいて鳥小屋のアミ目から中に入れると、にわとりがよってきて引っぱって食べます。

おもしろいので何度もやってみました。

ともみちゃんは、翌朝早くにわとりが鳴くのを聞きました。


次におじいちゃんの家にいったときには、そのにわとりはとても大きくなっていて、鳥小屋はあまり大きく感じませんでした。

ともみちゃんは、スイカを食べたあとの皮を食べると聞いたので、あげてみると「コッコッコッ」といいながらくちばしでつっつき、たまにこっちをみて頭をかしげます。

そしてまた、つっつくのでした。


にわとりは、目の前を走る人が通るとさわぎだします。

ともみちゃんは、にわとりの前で右にいったり左にいったりしました。

するとにわとりも同じように左右に動きました。


ときどき鳥小屋から出しておくらしく、外にでているときがありました。


ともみちゃんは、鳥小屋からでているにわとりをうしろからそっと体をもって持ち上げてみました。

にわとりはじっとしていました。

前にひよこを持ったときとは違って羽はかたかったのですが、あたたかい感じは同じでした。

しかし、とても重く感じました。


ともみちゃんが、にわとりをもったまま右に左に動かすと首がまがって頭の位置はそのままなのでびっくりしました。

何度動かしても同じように頭の位置がかわらないのでおもしろくて何度もやってみました。


ともみちゃんが、にわとりを持ち上げているのを、としおくんのお母さんが見て逃げて行きました。

そういえば、あのおばさんは、にわとりに追いかけられるらしいのです。


夕方にわとりは木の上にいました。

にわとりは飛べないと聞いていたのでびっくりしてお母さんに言うと、暗くなると危険を感じて高いところに登るらしいのです。

そういえば、野良猫がうろうろすることがあるので、あぶないなと思いました。


その後、にわとりは鳥小屋に戻され、安心して眠りました。

翌朝は、また大きな鳴き声で起こしてくれました。

そのとき、ともみちゃんは、どうしておばさんは追いかけられるのかなあと布団の中で思いました。


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― 新着の感想 ―
[一言] にわとりの成長の様子が主人公の視点で過不足なく描写されていて面白いです。 修飾を省いたソリッドな文体はとても好きです 掘り下げたくなりそうなおばさんのエピソードをあえて語らずにスルーしてオチ…
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