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この作品には 〔ガールズラブ要素〕〔残酷描写〕が含まれています。

どこで間違えた!

作者: 古澤深尋
掲載日:2018/05/12

書いているうちに明後日の方角へ


 リリーナ=レイクストーンはため息をついた。

 3歳の時に前世の記憶が戻り、ここが某乙女ゲームによく似た世界で、自分が処刑エンドを迎える悪役令嬢だと気付いた。

 それからは猛烈に頑張った。

 単なる礼節に留まらす、古今東西の仕来りや礼法を極めた。

 前世の記憶もあって、勉学も学者が頼るほどに修めた。

 失われた技術である魔法陣の構築要領を、簡潔明瞭に論文化して現代に復活させた功績はあまりにも大きく、女性であるにも関わらず子爵位と宮廷魔導師の地位を賜った。

 武術も護身どころか災厄級ですら斬り捨てる腕になり、密かに英雄扱いされるまでになった。

 神々から複数の寵愛を受け、身を律してきた。

 全ては、無惨な処刑エンドを回避する為だ。

 だが・・・


「レリーナ=ライクステン!貴様との婚約を破棄する!」


 自分ではなく、よく似た名前のご令嬢が婚約破棄されている。

 主要メンバーが自分に全然絡まない時点で違和感はあったのだ。元凶のバカ王子も婚約者にもならなかったし。

 だが最悪の未来回避のことしか頭になく、卒業パーティーを無難に乗り切るまで安心できないという強迫観念があった。

 

(間違えたのね・・・)


 自分の不幸を回避しようとするあまり、脇目も振らない15年間を送ってきた。

 ちょっと安心した。

 学生としては交友関係が狭く、家族から心配されていた。

 目の前の茶番を、何とかさっさと終わらせて帰りたい。

 ゲームと同じなら、この婚約破棄は隣国の陰謀絡み。

 もう遠慮は要らないはずである。


(精霊のみんな、手伝って)


 反撃の証拠は、3秒で集まった。


※※※※


 時空の精霊を筆頭としたリリーナ親衛隊の活躍と、審理の神をして『あいつと言い争いたくない』と言わしめるリリーナ本人の容赦ない追及により穴だらけの婚約破棄劇はあっさり終了し、徹底的に心を折られた男共ボンクラーズは無事引き籠もりにクラスチェンジした。

 ちょっかいをかけていた男爵家の養女は隣国のハニトラ要員であることをスッパ抜かれ、男爵家は一族郎党処刑。

 養女は隣国への交渉に物理的に使われたとか何とか。

 リリーナは、ふと思い出す。


 ここは、ゲームによく似た世界。

 現状、主人公にとってはバッドエンド。

 ゲームの評価はかなり低かった。

 理由は、シナリオ。

 ご都合主義と辻褄合わせでプロローグとエピローグが乖離しまくり、全然感情移入出来なかった。

 絵やシステムは優秀だったのに、大コケだった。

 バッドエンドでは、当初の爽やかな雰囲気はどこへやら、主人公の入学自体が隣国の陰謀絡みだと判明。

 隷属の呪紋を刻まれて王家の奴隷になってしまう。

 悪役の皆様は冤罪判明。

 しかし婚約破棄は有効であり、疵物として家を追われる。


(また間違えたかしら・・・)


 目の前でその元令嬢達が、冒険者の服装でこちらを見ている。

 卒業パーティー後、家を追われた彼女たちを引き取り匿い、完全効率化された訓練法で鬼強化。

 その結果彼女たちはあっという間にアダマンランクの冒険者になった。

 この上はオリハル、エクスの二つしかなく、エクスランクはリリーナ一人。

 いくら疵物扱いで結婚をあきらめたからといって、至上最強と呼ばれるまで鍛えなくてもよかったかな、とうっすら思う。

 しかも皆様、目つきがヤバい。

 肉食獣のような、病んじゃっているような。

 いくらケアが必要だからといって、ちょっと過激なマッサージまでする必要があっただろうか。

 確かに訓練後マッサージで疲労も魔力切れも一瞬で回復するが、令嬢達には刺激が強すぎたかも。

 

(やっぱり、間違えたかな。仕方ないか)


 「さ、皆様。神託にあった災厄の復活を阻止して世界の破滅を防ぎますわよ」

 「はい、リリーナ様!」


 心なしか、自分の名前のルビが『お姉様』に聞こえたリリーナだった。


※※※※


 この後復活した邪竜神ヴェグロスと眷属を見事討伐し、その功績から全員エクスランクに格上げされた彼女たちは『鮮血ブラッディ戦乙女ヴァルキリー』と呼ばれ、数年後大魔王討伐までやらかすことになり、異世界から召喚された勇者がグレてリリーナに絡んでフルボッコ返り討ちとかあったりするが、それはまた別の話。


 なお、彼女たちに浮いた噂が一つもないことと、リーダーがしきりに『どこで間違えたんだろう』と独り言を言う癖があることを附言しておこう。




Q:どこで間違えたか

A:リリーナは最初から。

  作者はプロットで。


相変わらず文才がなく、読み辛くてごめんなさい。

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