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吉田兼部の超短編−春

超短編 春風は吹かない

作者: 吉田兼部

冬の名残り風は、冷えきった指先みたく、温もりを探している。


甲高い鳥の声、伸びゆく雑草。春はこんなにも胎動しているのに、僕のところへ風は吹かない。


春はみんなに平等に来るはずだろう。冬は僕を、春から遠ざけようとしている。ふっ、と引き摺り込まれたくなって、僕は無理矢理前を向く。融けかけの泥雪より、五分咲きでいい、桜を見たい。


玄関扉を振り返っても、そこには何も無い。いってきます、そんな言葉ももう必要ない。

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