天使の嗜み。
目の前にお酒か食べたい物を置いて我慢しながらお読みください。
── 屈……っ!!
去れ! マーラよ!!
「ダメよ! 唆されちゃ! 頑張って!!」
「ああ、分かっている! 分かってはいるんだが……!!」
ぷるぷると震える手を抑えつけ、絶え間無く押し寄せてくるその衝動に堪えようとする。
だが何者かが耳許で囁くのだ。
「良いじゃん、you。ヤッちゃいなよ♪」
悪魔を彷彿させる翼と尻尾。
それはもうひとりの私だった。
奴は先ほど勇気づけてくれた天使の羽をもつ私を蹴り飛ばす。
「酒の準備は整っているぜぇ? ほら、ほうら!」
背けようとする私の顔をつかみ、閉じた瞼を強引に開かせる悪魔。
コップになみなみと注がれたそれを見てしまい、喉が思わずゴクリと鳴る。
「はぁ……はぁ……」
「そうだ。一杯だけでも良いじゃあないか……」
「ダメよ! 奴の言葉を聞いちゃダメ!!」
倒れ込んだ天使は必死に私を止めようとして涙を流していた。
── いけない。
女性を泣かせるだなんて。
私は思い踏みとどまり、彼女の手をとる。
だが軽々しく奴は言うのだ。
「よく見てみなよ。ソイツの顔を」
?
いったい何を言っているのか。
手を差し伸べた彼女を自然と眺める私。
oh……なんということだ。
頬は恍惚にして紅潮し、口許からは酒気が漂っているではないか。
なんてことはない。
── 世は酒で満ちている ──
割烹で書いたコメント返しが気に入ってしまったのでやった。
後悔はしている。
≡3 シュッ