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6話

もはや何書いてるかあまり覚えてない。


テンポを上げると言ったものの、もう書いてる部分は仕方ないよね!ね!!


俺はメイドのナターシャさんに連れられて朝食の部屋に来ていた。

何人かの生徒はもう来ていたようで部屋で椅子に座って待機している。


朝食を食べる部屋は長いテーブルが2列に並べられておりその横に椅子がずらっと並んでいた。

部屋の壁際には先に集まっていた生徒達のメイドが待機している。


「よう、樫村! お前のとこのメイド、美人だなー、もうやったのか?」


朝から下世話なネタでニヤニヤしながら絡んで来るこいつは、氷室誠也。お調子者でゲスい。正直嫌いなタイプで、他校の生徒とツルんで女子と色々やっているという噂を耳にしたことがある。


「やってねーよ。やる気もないしな。てか朝からそんなネタは辞めてくれ」


「なんだよつれねーなー。せっかくの美人なメイドなのに勿体ねーぞ、やらないなら俺にやらせてくれよ!」


そうか、さっきナターシャさんが言ってたヤツは絶対コイツだな。


「本人も合意の上なら構わないと思うけど、残念だけどお前には話しかけないように言っとくわ。だから話しかけんなよ」


そう言いながら俺は軽く氷室を睨む。一応それなりに剣に覚えがあり、殺気というかその類のものを相手に意図的に向けるというのも可能だ。

なので殺気で氷室に威圧を掛けて無理矢理納得させる。

こういうタイプは自己保身だけは一端なのだ。少し威圧を掛けておけば無茶をすることは無いだろうと思う。


「チッ、わーったよー。手は出しませんよー」


氷室はそう言うと俺から離れた席に座った。氷室が俺が今いる位置から遠目の場所に座った。自ら近付くなど絶対に嫌なので俺はその場の椅子に座ることにした。


朝から大分不愉快な気分にさせられた。


そんなことを考えている時、部屋の扉が勢いよく開けられる音がした。


「みんなおっはよー!! ってあれ、そんなにいないんだね。あっ、ゆーくんおはよー! 隣いい?」


「詩織は朝から元気だな、うるさいくらいだ。隣いいぞ」


「うるさいとは失敬な!! 元気ならいいことじゃんっ! ゆーくんこそテンション低すぎ!!」


「俺くらいが普通だろ、絶対」


「そんなことないよー、ゆーくんがテンション低すぎなだけ! 今日お給料日だっ、て思ったら間違ってて明日だった人くらいテンション低いよ!!」


例えが生々しすぎである。


そんな話をしている間に大半の人間が揃っていたようで席はほぼほぼ埋まっていた。


「おはよう、詩織、樫村くん」


そう言いながら詩織の隣に座ったのは当然九条である。


「おはよー、朱里ちゃん!!」


「九条か、おはよーさん」


「テンションの凸凹感が凄いわね」


俺、詩織、九条が席に揃った。他の席では有栖川が中心となって塊ができている。

有栖川の周りにいない生徒は席に座り少し疲れた顔をした者や、ちょっとツヤっとしている者、眠そうにしている者とそれぞれだ。


各々が各々のやり方で朝食を待っていると、部屋に王女が2人の騎士を連れて入ってきた。


「皆さん、おはようございます! 朝食の前に本日の予定を少し話させていただいてよろしいでしょうか?」


「はい、僕たちも聞きたかったところです!」


答えたのは有栖川。


「ありがとうございます。本日皆様には朝食を終えられましたら戦闘の訓練をしていただきます。訓練にはこの国の騎士団に手伝わせますので、スキルの事や魔法のことなど、何でも聞いてください」


戦闘訓練と聞き数名の生徒がビクッとしていた。

やはり平和な日本で育ってきたただの高校生には戦闘と言うのは恐怖を感じさせるようだ。


「そして、訓練後昼食、その後は座学、この世界について知っていただきたいと思っております」


「わかりました。みんなもそれで大丈夫だよね?」


有栖川は生徒達に問いかける。


「あぁ、大丈夫だ!」


「わかった」


多少元気がある返事をしている奴は恐らく訓練に対して前向きなのだろう。正義感故か、下心からか、帰りたい一心なのか。


大体のものはこの後の訓練のことを考えて気が重そうだ。


「それではみなさん、朝食をお召し上がりください!」


王女がそういうと生徒達は朝食を食べ始める。

食が進んでいるものはあまりおらず、どこかどんよりとした朝食だった。


元気印の詩織ですら訓練の事が気になるのだろう。さっきまでのテンションはどこに行ったのか黙ってご飯を食べている。


「まぁ、こうなるわよね。みんな寝て落ち着いたら冷静になったのかしらね」


九条もそう言いながらも食べる手は重そうだった。


かく言う俺も気が重い。

何せ戦闘となるとオレの内に眠る魔王がどうなるか分からないのだ。

これはどういう条件で発動するものなのだろうか?


今の俺にとって1番重要なのは昼からの座学だ。訓練などいつも父とやっていたものに比べれば楽勝だろう。


皆が朝食を終え、専属のメイドたちが食器を片付けていく。

片付け終えた頃、騎士団長であるガリウス自ら俺たちを迎えに来た。


「みな朝食は終えられただろうか? 終わった者はこれから訓練となる! 城の訓練場で行うので俺に着いてきてくれ!」


ガリウスがそう言うと、部屋の空気がまた暗くなる。


「みんな、行こう。これも僕達が地球に早く帰るために必要なことだ」


率先して立ち上がったのは、やはりというか有栖川だった。勇者スキルと元々のカリスマ性も相まって、もはやこのクラスのリーダー的な存在となっている。


「そ、そうだな。やらなきゃいけないんだよな」


誰かがそうポツリと零すとゾロゾロと立ち上がっていく。

俺も横にいる詩織や九条もそれに合わせて立ち上がり、ガリウスの案内で訓練場へと向かっていった。




訓練場に着くと、そこには50人ほどの騎士達が整列して待機していた。

大半の生徒達はそれに気押されてちょっと後ずさっている。


「今から諸君にはここにいる騎士達とともに訓練をしてもらう! なに、まだ初日だ。そんな過激なものにするつもりは無い! まずは魔法系スキルを持っている者と近接戦闘系スキルの者、もしくは生産系のスキルしか持たない者に分かれてくれ!」


ガリウスがそう指示を出したので、俺たちはそれに従い分かれていく。

魔法系スキルが約10人、近接戦闘系スキルが約15人、生産系スキルしか持たない者が3人だった。


ちなみに俺と九条は近接戦闘系、詩織は魔法系のグループだ。


俺達が分かれ終わるのを確認するとガリウスは整列している騎士達に指示を出していく。


おそらく騎士達にも魔法が得意な者と近接戦闘系の者が居て、それぞれがそれぞれに教えて行くつもりなのだろう。


そうなると、生産系スキルしか持っていないものはどうするのだろうか?

その疑問にはガリウスがすぐに答えを出してくれることになった。


「生産系スキルしか持たない者は私が見る事になる。スキルというのは訓練を積めば後からでも覚えることが出来る。なのでお前達3人には得意な戦闘スタイルを見つけてもらい、スキルを覚えるまで私が訓練を付ける!」


うわー、めんどくさそう。剣術スキル持ってて助かった。


しかし、ふと思ったが、魔王スキルって戦闘スタイルは何なんだ?

破壊系とかだろうか?支配系とかそんなんだろうか?どちらにせよ物騒なことこの上ないな。


くだらないことを考えているうちに、俺のいる近接戦闘系グループの所に騎士が来ていた。


「私が近接戦闘系スキル組の訓練を担当させてもらうサラ・ガレイオンだ。よろしく頼む。」


そう言って挨拶したのは、身長160cm程で真っ赤な髪を肩までに切りそろえた美人さんだった。

小さい訳では無いが気の強そうな切れ長の目にスっと高く綺麗に伸びた鼻、髪と同じで綺麗な赤に染まった唇から犬歯のようなものが見えている、どこか肉食獣を思わせる女性だ。


サラと名乗った女性の後ろにも20人ほどの騎士がおり手を後ろに組んで整列していた。


そこから、また俺たちは4人から5人ほどの3グループに分けられ、そこにグループ分けされた騎士達が着いていた。


訓練はガリウスが言っていた通り初日ということからかそんなに過激な事をすることは無かった。

簡単に言うと、剣の持ち方や振り方、近接戦闘系に必要なスキルや訓練の仕方などが中心だった。


ちなみに、俺のいるグループにはサラと名乗っていた女性がいた。

少しの時間しか話を聞いていないし、なんの根拠もないのだが、サラという女性は脳筋天才肌というやつだと思う。


なぜそう思ったかと言うと、身体の動きや佇まいからなかなかに強いということはわかるのだが、教え方が致命的に下手くそだ。


「剣の持ち方は脇を締めて、こう、ギュッと持つ感じだ!」

「剣は最初は上から下に向かってサッと振り下ろす、これだけ練習してればいい! 慣れてくれば応用も効くようになりシュッと振り下ろしてシュバッとこんな風に動かせるようになる!」


自らの身体を使い見せながらのレクチャーだったのだが、肝心なところが擬音なのであまり伝わっていない。


何人かの生徒は首を縦に振りながら「そうやるのか!」などと言っているが、分かっているのかどうなのか怪しいものだ。


そんなこんなで、初日の訓練はサラの擬音だけが頭に残って終わりを告げた。

次回、座学!!

無駄に長いし、退屈かも。

明日は出来れば2話投稿でいきます。

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