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プロローグ

お読みいただきありがとうございます!!


タイトルの描写はいつなのか!!

気づいたらそこまで随分掛かっておりました。

びっくりです。


これから更新がんばります!!


その日も俺、樫村 悠はいつも通りの毎日を送っていた。


まだ陽の光も周囲を照らし始めた頃に起きて、道場の掃除をして朝稽古を行う。誰に強制されるでもなくこれは小さい頃から現在高校2年になるまで続けている体に染み付いる日課なので特に苦に感じることはない。

俺の家はどうやら随分昔からある剣術道場らしく、綺麗に使われているとはいえ中々に迫力のある道場だと言えるだろう。

そのせいなのか父の教えは非常に古風だ。


「剣術とは今の時代では、剣道として世間一般に普及しているものだ。だがな、所詮は剣を相手に向けるという行為は人を殺すという事に繋がる。だからお前は使い方を間違えるなよ、何かを守るためにその剣を握れる男になって欲しいと俺は思っている。」


これは俺の父の口癖のようなものだ。過去に何かあったのではないかと匂わせる発言だと思う。

父は剣(といっても普段は竹刀だが)を握っている時は常に相手を殺すという事を意識しているらしい。

実の息子に対してもこの姿勢なのだから、徹底しているとはいえ物騒だ。


そんなことを考えながら道場の掃除を終わらせ、朝稽古をしている頃にこの道場の師範である父が俺の朝稽古に参加した。


朝稽古は大体父との実戦形式だ。試合ではない、実戦だ。

他の門下生がいる昼か夕方の稽古ではちゃんと剣道の稽古をするというのに、俺と2人の時は何故かいつも実戦形式なのだ。

何が違うのかというと、竹刀で打ち合うだけではない。殴る蹴る頭突きなんでもありだ。

俺も小さな頃、剣術では父に全く歯が立たなかったので、文字通り歯を立てて噛み付いたりしたものだ。

ダメージ的には大したものではなかったため、嫌がらせの要素が強かったようにも思えるが...


それはさておき、現在実戦形式にて朝稽古をしている俺たちだが、どちらが強いのかというと勝率という面ではまだ父の方が上だろう。ただ、純粋な剣術や身体能力では高校2年になった今俺の方が強いと言えると思う。

ではなぜ勝率面では父の方が上なのかというと、駆け引きや相手の攻撃を先読みするという実戦における経験の差が大きいと考えられる。

正直このご時世に実戦の経験差とか言っている時点で何を言っているんだと思わなくはないが、実際に負けているのだからそういう事なのだろう。多分。


まぁそんなこんなで、本日の朝稽古が終わったわけだが、今回は一週間で3回ほどある俺の勝利の日だった。


「今日は負けた、か。お前も徐々に俺に勝てるようになってきたなぁ、悠。」


「そうだなー親父弱くなってきてるんじゃないか?」


いつも負ける時ボコボコにされているのでその意趣返しでもしてやろうとニヤッとしながら答える。


「この俺が弱くなったか、言うようになったじゃないか。ならもう一本いっとくか?」


今まで座っていた親父がサッと立ち上がりファイティングポーズをとった。


「や、やめとくよ。」


小さな仕返しくらいの気持ちで言った言葉であったため弱くなったなど全く思っていない。

今でこそ朝稽古の後も疲労で立ち上がれなくなるようなことはないが、もう一戦は勘弁していただきたい。


「そうか」


親父は短くそう答えるとこちらを見ながら一度だけニヤッとすると、道場から出て行った。


(あのクソ親父め、分かってて言ってやがったな?)

悔しい思いを感じながら、やはりまだまだ経験の差は大きそうだ。とさっき考えていたことを確信するのだった。



朝の稽古が終わり朝食は毎朝俺の役目なので目玉焼きと冷しゃぶサラダ、みそ汁にお漬物。まぁ普通?の朝食だと思う。他の家の朝食を知らないし比べる対象もないんだが。


朝食を食べ終え学校へ向かう。


「ゆーくん、おはよー!!」


登校中の道で後ろから声をかけられた。そう珍しいことでもないので声の主ももう分かっている。


「おぅ、おはよう、詩織」


こいつの名前は大宮詩織。俺の家から徒歩5分くらいの距離に住むいわゆる幼馴染というやつだ。

身長は俺が175cmで詩織の頭が胸より少し下くらいだから150cm前半って所か?多分そんなもんだろう。

髪は少し茶色がかった黒。日本人でも比較的よくいる髪色ではあるが詩織の場合は胸の辺りまである髪がまるで絹の糸のように細く艶やかで綺麗だ。それに加えて大きくぱっちりした目が少しタレ目がちで一緒にいるとどこか安心感をおぼえる。鼻筋も通っており高すぎも低すぎもしない、大きな目と比べると少し控えめな口。顔という部分を見た感想としては10人中10人が美少女というだろうという感じだ。さらに、なかなかに胸が大きい。大きすぎるわけでもなく絶妙にいい大きさだと思う。

学校でも二大美少女なんて呼ばれているからなぁー。(本人は知らないみたいだけど)


「ねえ! ゆーくん! 聞いてるの??」


「ん? わりーわりー聞いてなかった、なんだって?」

しょうもないことを考えていたらいつのまにか詩織の話を無視していたらしい。プリプリしていらっしゃる。まぁ全く怖くないのだが。


「もう! だから、目玉焼きには絶対にお醤油だと思うの!! ソースという選択肢があるのは知ってるし、それを頭ごなしに否定する気は無いよ? でもね、それでもお醤油が一番合うと思うんだよね、私は!」


非常にどうでもいい話だった。

正直なぜこんな話題になっているのかも全くわからないし目玉焼きの食べ方など好きにさせてやれと思う。ちなみに俺はソース派だ。


「そーだなー、お醤油だよなー」


ここで俺はソース派だ。などと言うと絶対にめんどくさいことになるのは火を見るより明らか。ここは戦略的徹底が吉だろう。


「だよねー、ゆーくんならそう言ってくれると思ってたよー!」


満面の笑顔でこんなことを言うのだから、こいつは素で俺の良心ブレイカーだろう。


そんなどうでもいい話を詩織としながら気付くともう学校についていた。詩織とはクラスも同じなので一緒に教室に入る。いつも教室に着くのはそんなに遅くは無いので教室内にはそれほど人はいない。

そして基本的に視線を集めるのは詩織なので俺の方にそれほど関心のある奴などおらずさしたる注目を集めることもない。いつも通りだ。

何をするでもなくただボーっと外などを眺めたりたまに話しかけてくる詩織を適当にあしらっている間にチャイムがなり教師が入ってくる。

その後も何もなく、実にいつも通りだった。


昼休憩になりみんなが昼ご飯を食べ始める。

俺はというと昨日の晩御飯の余り物と簡単に作った玉子焼きやウインナーなどで彩られたちょっと悲しいお弁当を教室で1人で食べていた。


「ゆーくんまた1人でご飯食べてるー!」


厄介なのに見つかってしまった。


「詩織か。別にいいだろ、俺が1人で飯食ってても誰にも迷惑かからないんだし。」


「またそういうこと言うー! いつも一緒に食べようって言ってるのになんで1人で食べ始めちゃうの!」


などと言いながら近くの机を持ってきて俺の机にくっ付ける。


「樫村くん、ごめんね。樫村くんも分かってるとは思うけど詩織ってば頑固だから。止めたんだけど無理だったわ。」


そんなことを言いながら詩織と同じように近くの机を俺の机にくっつけながら謝罪を述べてくるのは、この学校の2大美少女のもう1人九条朱里(あかり)である。

髪は綺麗な黒髪で詩織よりも少し長めの髪をいつもポニーテールにしている。身長は女性にしては少し高め、150cm後半くらいだろうか160cmあるくらいだろうか?スラッとした体に、詩織とは反対で大きいが少しきつそうな印象を思わせる目。全体的に凛とした雰囲気を持っている。胸は少し控えめではあるが平均値位だろう。どこかふわふわしており保護欲を駆り立てられる詩織とは違ったタイプで、九条はお姉様、と言った感じだ。

実際にその手のファンが居るらしい。九条からたまにそのような愚痴を聞かされている。


学校の2大美少女独り占め!と普通はテンションを上げるべきなのかもしれないが、俺の今のテンションは絶賛下降中だ。

周りからの視線が痛い。


それもそのはず。

俺の学校での方針は、出来るだけ目立たず安心で安全なスクールライフを!である。

普段大して目立ってもいないし、顔立ちも悪くわ無いが上の下くらいの顔。詩織とは近所で幼馴染であるというだけの関係の奴が学校の2大美少女を独占しているのは周りの連中からすれば実に面白く無い話だろう。

俺はゆっくりお昼を食べたいだけなのに・・・


こいつらと一緒にいる限りそれは机上の空論と言えるだろう。机だけに。

そんな後ろ向きな現実逃避とは裏腹に詩織は満足そうにお弁当をパクついていた。



朝同様、全く怖く無く口いっぱいに食べ物を詰め込んだ小動物のような詩織がプリプリとした態度をしている時に突然にそれは起こった。


教室の床が突然光り始めたかと思うとアニメや漫画などでよく見る魔法陣のようなものが浮かび出した。

その魔法陣のようなものはなおも光を発し、次第にその光は強くなっていく。すると、目を開けていられないくらいの強い光を放ち俺は思わず目を閉じた。


瞼を閉じていても明るく感じるほどの光はやがてなくなり、ゆっくりと警戒しながら目を開ける。

いつのまにか下を向いていたようで目を開けて最初に見えたのは赤い絨毯が敷かれた床だった。



さぁ次回より異世界編!!

タイトルの回収はいつなのか!!

乞うご期待。


期待しないで下さい。

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