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第6話-再会-

お久しぶりです。

春ですね。


「お前は…」

大和は驚きを隠せない。

正直会うことはないだろうと思っていた。

いや、会いたくなかった。合わせる顔がない。

彼女も驚きの表情を一瞬浮かべはしたが、すぐにいつもの、懐かしののんびりとした表情に戻った。

「久しぶりだねぇ…大和…」

「あぁ…久しぶりだな…」

目を背ける大和。

彼女は神谷みこと。

20年前に死んだ大和の親友である飛鳥 美琴の恋人だった。

みことコンビでいいんじゃないかと言った覚えもある。

「元気かい…?」

「あぁ…」

会話が続かない。

そんな状況を見越してなのか、そいつはやってきた。

「感動の再会ってやつかぁ!?笑えるネェ!」

みことは驚き、大和は怒りの表情を浮かべた。

声の主は大和に武器を渡した白衣を纏う男。

そして、アダムとイヴに関係しているであろう男だった。

「久しぶりだな、ブリューゲン!」

大和は怒鳴りつける。

ブリューゲン博士。

彼は一般的にアイスを発見し世界に公表した偉大な研究者として評価されている。

だが、実際は裏でなにかをしていると、大和はそう推理している。

みことはブリューゲンと聞いて唖然としている。

「おぉ!よく俺様の名前を調べ上げたなぁおい!よくできましたーってか?くくく…っ」

ブリューゲンは大和をわざとイラつかせるように煽る。

「まって大和…博士がなにをしたの…?」

みことが話についていけないので大和は説明をすることにした。

「みこと。俺は奴が飛鳥を殺す計画を立てていたんじゃないかと思っている。実際俺は20年前、奴からこの武器、八岐大蛇を受け取った。その後イヴが現れたんだ。」

「ちょっと強引すぎるよ…大和…」

ごもっともだ。だが、本人は否定すらしない。ただ、あざ笑っているだけなのか。

「いや〜。いい子だねぇ、みことちゃん。37には見えねぇなぁ!あー、そうそう。たける君はお元気ー?」

「たける…?誰のこと…?」

話が噛み合わない。大和はふと、疑問に思った。

「なにって、お前……あぁ、こっちじゃてめぇは孕んでねぇのか。クキャキャキャキャッ!!まぁ、どっちにしろたける君はこの俺様がぶっ殺してやったから変わりはねぇんだけどよぉ!」

大和とみことはブリューゲンの言っていることが理解できない。

何を言っているんだ、こいつ…?という感じである。

「まぁ、特別に教えてやるよ。大和!てめぇの言うとおり、飛鳥美琴をぶっ殺すように仕向けたのは俺様だよ!クキャキャキャキャッ!」

「嘘…嘘よ…」

「嘘だと信じてぇよな?でもねぇ、事実なんだよ!あぁ…そういや、お前は俺様の研究を尊敬してたんだっけなぁ!クキャキャキャキャッ!」

大和は八岐大蛇を使い、竜の波動をブリューゲンに目掛け放った。

当然、ブリューゲンはそれを避ける。

「あぶねぇなぁおい!安心しろよぉ。何もしねぇっつーの!」

「信用できるかよ、クソが」

再び構える大和。

それをみことが制した。

「何のために現れたの…?」

みことはブリューゲンを睨みながら言う。

大和はブリューゲンが妙な動きをしたら即座に攻撃出来るよう備えた。

「何のため?…クキャキャキャキャ…!ホントはみことちゃんに化けて大和暗殺しようかと思ってたところにみことちゃんが訪れただけの話だぜ。いやー、タイミングいいねぇー。命拾いしたなぁ、みことちゃんに感謝しろヨォ、大和ぉ?ックキャキャキャキャ!」

高笑いが耳に障る。

「それなら姿を晒す必要もないでしょう…暗殺失敗から撤退ですむし、本当の目的は別にあるはず…」

ブリューゲンは拍手をする。

パチパチパチ…。

「くくくっ…みことちゃん…てめぇはやっぱ

死んだ方が良さそうだなぁ!」

大和はみことを背に隠した。

が、その時はすでに遅い。

ブリューゲンは大和の背後に移動していた。

さらにブリューゲンは大和の脳天にかかと落としを放った。

「ちっ!」

不意をつかれた大和だが、彼もまた竜の波動を身に纏いブリューゲンの攻撃を防ぐ。

かかと落としを防がれ、着地したブリューゲンはそのままサマーソルトを放つ。

大和もまたサマーソルトを放つ。

相殺。

共に回し蹴り。相殺。

そして、大和は竜の波動を纏った拳を。

ブリューゲンは腰のポーチから取り出した。ピストルを。

互いに眉間の手前に向けていた。

「はっ!そんなもんで俺を殺せると思ってんのか!」

「てめぇも八岐大蛇程度で俺様を殺せると思ってんのかよぉ!笑えるなぁおい!」

それぞれ距離を取る2人。

♪〜〜。

電話がなった。

「あん?…あぁわかった」

ブリューゲンの携帯だったようだ。

なんか興ざめしたと思った大和だった。

「悪いなぁ急用だ。近いうちにまた会おうぜぇ」

言うとブリューゲンは立ち去って行った。

急に静かになった。

「命拾いしたね、大和…」

みことが大和の肩に手を置く。

大和は肩で息をしていた。

しゃがみ込む大和。

疲労困憊とも言える状態だ。

「それ…八岐大蛇、使い過ぎよ…」

「…っ…うるせぇよ…」

使い過ぎ。

そんなことはわかっている。

大和の持つ八岐大蛇。

この武器は対アイス用武器の中で最強の攻撃力を誇る。

しかし、その力の代償と言うべきか、使用者の命を蝕んでいく。

大和は始めてこれを手にして使用し、アダムを攻撃していたときのアダムとイヴの一言。

『ちょっとヤバい』と言うのは自分ではなく、大和の身の危険を察知して漏らした言葉ではないかと、今ではそう思う。

イヴの一言だった

『彼のため』というのがその考えに繋がった。

当時の大和は強大な力を手に入れ、それを有効に活用していたが、時が経つに連れ次第と自分の命、生命維持に何らかの影響があるのを感じていた。

そして今に至る。

「しばらくは休みなさい…」

「…すまねぇ」

みことはとんがり帽子からステッキを取り出すと魔法陣を大和を中心に描いた。

その中にみこと自身も入り、ステッキを魔法陣に突き刺す。

すると眩い光が放たれ、光が消える頃、2人の姿も消えていた。








ツインズと輝は海に来ていた。

なぜ海か?

ツインズの呑気な変態の方(以降ツインズ表と表記←どこの解説だ)

が「海で特訓!じゃないと自殺する!」

と、意味のわからない脅しをしかけてきたのでなるがままに海に来たのだった。

「で、海に来たはいいがどーすんだ」

ツインズのイかれた殺人狂の方(以降ツインズ裏と表記←だからどこの(ry)は言う。

「僕に聞かれても困るよ、ツインズ」

輝も困った様子。

「まぁ、時が来ればわかるさー」

と、ツインズ表。

一応、輝の為らしい。胡散臭いが言わないでおくと決めた輝だった。

「とりあえず、ここにいる全員を血祭りに……」

「…冗談でもダメですよ」

ツインズ裏のキチガイ度にも一苦労するようです。乙。

「まぁ、いい。ところで輝」

「なんですか?」

突然イケメンボイスになるツインズ表。

嫌な予感がする。

「お前、いまから一緒にナンp(ry

「却下です」

嫌な予感は当たった。

どうせナンパしにいこーぜー。とかに決まっている。

「なんでだよ!最後まで言わせろよ!」

「うるせぇ、殺すぞ」

「あ、はい…スミマセン」

ツインズ表と裏の会話。

新手のお笑い芸人かと思えてくる。

最初はちょっとヤバい人かと思っていたけど、割といい人。だと思う。


風が気持ちいい。海の風もなかなか。

「海か…懐かしいな…」

ツインズ裏が呟く。

「海に思い出でも?」

「まぁね。僕の、僕たちには思い出の場所さ」

ツインズは海を眺める。

思い出の場所か。

自分にはそんな場所はない、なくなった。

いや、奪われた。

輝の表情が陰る。海を眺めていたツインズだが、そんな輝に気づき頭をわしゃわしゃと撫でた。

「僕にはそんな場所なんてねぇってとこか」

返事に詰まる輝。

「ねぇなら、作ればいい。それだけだろ?」

輝は目を丸くした。

ツインズ裏はただのキチガイと思っていたが、見かけによらないようだ。

輝は笑う。かわいい。

「そうだね!」

ツインズ表が発狂する。

「やっべぇ、くそ可愛い。抱かせてください!」

「うるせぇ、死ね」


しばし海で遊んだ後(といっても遊びまくっていたのはツインズ表だけである)

輝とツインズは特訓とやらを開始することにした。

「ところでさ、お前剣術はどこで覚えたんだ?」

「手にした途端なんかしっくりきたの」

さらりと返答。嘘ではないけど。

「さては天才か…」

納得してしまうツインズ。

(もしかしてアホ?)と思ってしまう輝だった。

「普通疑わない?」

「あん?んなもんは目を見りゃわかるんだよ」

すげぇ(確信)

実際に初めて刀を持った途端に力が湧いた。

刀が吸い付くような感覚があった。

ただ、それだけなのだがなんか剣術っぽく扱えた。実に謎だ。

「目で思い出したけどさ〜。あの海面に浮かぶ目はなんだろうねー」

ツインズ表ののんびりとした声が聞こえた。

海面?

輝は海を眺める。しかし、なにも見えない。

「なにも見えないよ?」

「俺にも見えん」

(あ、そこらへんはリンクしてないんだ)

ツインズが興味深い生物に思えてくる。

人間らしいけど。

「ちょっとちょっと!怖くなるじゃん!僕だけにしか見えない幽霊!?」

騒がしい。

ツインズ表も波の音も……波の音?

もう一度海面を見るとうず潮が発生していた。その中心にはツインズ表が言っていた出あろう、眼のようなものがあった。

「アイス獣!?」

「の、ようだな」

武器を構える輝。

うず潮からアイス獣が飛び出す。

海辺だからなのか、姿形は海の生物に近い。

その数30。

「は?」

「…おいおい、多くねぇか」

唖然とする輝とツインズ。

30対2。

さて、どうしようか。

「こりゃ、ちょっとヤベェかもな…」

頼りになりそうなツインズ裏が言ってしまった。

「や、やるしかないよね…」

刀を構え直す輝。

どうする?どうする…?


「仕方ねぇ、雑魚どもは俺が相手をするから親玉を叩け」

ツインズが言う。

「親玉って言われても…どれ?」

魚介類っぽいアイス獣がたくさんで、親玉み

たいな奴が見当たらない。

「はぁ?そこの海面に立ってるお前と同じくらいの奴だよ」

アイス獣がデカくて見えなかった。

よくよく見ると奥の方に人影が見えた。

しかし、僕があの人影に向かうってことは…。

「ツインズ1人でこの数を!?」

「大丈夫だ、このくらい。むしろあの親玉を相手にする方がキツイぜ?」

「1人でっていうか僕もいるんだけどねぇー」

「いないのと変わらねーじゃんか」

「酷い!」

漫才できるくらいなら大丈夫だろう。少し心配だけど。

「じゃあ、お願い!」

輝はそういうと魚介類アイスを通り越して人影の方へ向かった。

当然の如く、魚介類アイスは輝に攻撃を仕掛けようとするが。

「てめぇらの相手は俺たちだ!」

もちろんツインズがそれを防ぎ魚介類アイスたちの矛先を自分へと向ける。

「俺たちだってさー。嬉しいなぁ」

「言わなきゃよかったか」

なんだかんだで仲のいい2人。

魚介類アイスたちがツインズに襲いかかる。

「わりぃが、シーフードラーメンになって貰うぜ!」









「ツインズ…大丈夫かな」

海面に立ってる人影へと向かう輝。

その人影もまた輝の方へ近づいてくる。

砂浜で立ち止まる輝。

「お前…!」

ここで会ったが100年目。仇を取ってやる。

殺してやる。

そいつは輝を眺めると不敵な笑みを浮かべながら言った。

「よぉ、久しいな。冬輝。春姉は元気かぁ?」

そいつは輝と瓜二つの姿をしていた。

この間から腰を痛めました(´・ω・`)

不定期更新ですが暖かく見守ってやってください。

では、また

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