あなたとの断捨離
あなたへの想いは
黒いゴミ袋に詰め込んだ
一つじゃ入りきらなかったから
四つに分けたんだよ
こうやってみると少ないね
いや、多いのかな
これはあなたと出会った日のこと
前の席に座っていたあなたは
後ろの私と目を合わせて
おはよう。はじめまして。
って、挨拶を交わしてくれた
あの柔らかな笑顔が
私の心に一瞬で溶け込んで
あなたの笑顔しか見えなくなったの
ああ、これはあなたを名前で呼んだ日
それまで名字で呼んでいたあなたを
からかうように名前で呼んだ
あなたは驚いて、それから照れたように
私のことも名前で呼んでくれた
あのやさしい声が
私の頭に何度も響き渡って
あなたの声しか聞こえなくなったの
これはあなたに告白された日のこと
夕焼けが落ちるその瞬間
好きだと真っ直ぐに伝えてくれたあなたは
太陽みたいに眩しくて
日が落ちたというのに明るいままだった
あの熱い鼓動が
私の心臓にずっと残って
あなたのものになると決めたの
これはあなたが他の女といた日のこと
私の誘いを断ったくせに
私が一番だと言ったその口で
あなたは私じゃない誰かへの愛を囁いた
あの煮え滾るような怒りが
私の胸で今も燃えていて
あなたのことを許せなくなったの
並ぶ黒いゴミ袋が四つ
恋と温もりと愛と憎悪を詰め込んだこれは
あなたへ贈ってあげるから
あなたの夜が明けませんように
ご覧いただきありがとうございました。
あなたへの想いはもう捨てる。
誰かに届きますように。




