五話 近況を話し合いました
五話 近況を話し合いました
サイズが来るまで、近況報告で盛り上がっていた。
近況は目新しいものはなかった。エスパーダはさっき聞いたし、スミス姉妹はサイズの銃にかかりきりだった。アックスはハトタクシーと宅配の二足のわらじでフクロウの資金を稼いでいて、残るは黒星だが、半分世捨て人みたいな感じで陶芸に勤しんでいるらしい。
「コビット社は順調で、シールドも忙しいみたいだな」
「銛は?」
要がまだ会ったことのない小人、上杉銛。だが彼についてみな語ろうとしない。
「どうしたの?」
「お前、知らなかったのか」
「何が?」
「銛は死んだんだよ」
「海に漁に出て波にさらわれて」
「いつ?」
「二年前くらいかな」
「姉御は葬儀に行かなかったもんね」
「その頃はスマホにしてすぐくらいかも」
「スマホって要さん名義なんでしょ?」
「寄生じゃん」
「違う! 私達は同棲をしているの」
「偉そうに言うな。ともかく銛は死んだんだ」
「でもこの前返信が来たよ。銛はウサギおいしそう派だって」
「え?」
「怖!」
二人が震えている。怪談で怖がるなんて、夏を謳歌しているなと要は思った。
「銛には美人の奥さんがいたから多分その人だろ」
「アックス、なんで知ってんの?」
「そういえば葬式の時に声かけてたな」
「サイテーじゃん」
エスパーダがアックスに白い目を向けている。もはやアックスは女性なら誰でも良いんじゃと要は考えてしまう。女性陣に受けが悪いのも納得だ。
「日本刀で首斬られそうになってたから、報いは受けてる」
それを聞いて、女性陣は当然の報いだと言っていた。