二話 キスを見られました
二話 キスを見られました
要はエスパーダの下着を全て見せてもらった。彼は何度も興奮して、何度も冷静になる事が出来た。
エスパーダは下着祭りの後、洗濯物が大量になった事を嘆いていた。
そして朝が来た。
いつもはがっつり食べる派の二人だが、まったりとコーヒーを飲んでいる。
「なんかやり切った感じがする」
「でも私は不満。やっぱり種族が違うっていうのがなぁ」
エスパーダは要の、主に股間の辺りを見る。
「それはアックスみたいだから、やめなって」
「でもでも要だってそう思うでしょ?」
「出来ない事はしょうがない。無理してやっても苦しいだけさ。出来ないからって俺の事嫌いになったって他の人と付き合うの?」
「そうじゃない。二人なら無敵っていう気持ちが欲しいの。感じたいの。そう思いたいの」
「じゃ、キス。あんまりしないよね」
「キスなんてしてるじゃん」
「いや、エスパーダからしてくれたのは四回だ」
「数えてんの?」
「だからキスしよう。近付きやすいように伏せてるから」
要はテーブルに顔を近付けた。エスパーダが顔に近付くだけでキス出来るように。
エスパーダは恥ずかしがっていたが、やがて要の顔に近付いていく。
「要、愛してる」
そう言うと要の唇に突撃する。勢いがつきすぎて、要は唇がちょっと痛かった。
「ヒューヒュー」
「姉御達熱いね」
いつの間にか近くにスミス姉妹がいて、要達を見上げて囃し立てている。
「なんでいるの?」
エスパーダは見られた事に動揺していて聞けなかった。代わりに顔を上げた要が聞いている。
「涼しいうちに刺身をいただこうと思ってね」
「決してお楽しみの姉御達を冷やかしに来たわけじゃないよ」
最初は本当で、次のは嘘だ。
「むきゃー!」
エスパーダの奇声を上げてスミス姉妹を追いかけまわすのだった。