表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
72/75

1月16日 バーベキュー16

 "1098"。これが私の時間番号だった。今日まで一生懸命勉強をしたというわけではなかったが、2日目の今日も試験会場に来ていたのだった。


 ー1月2日ー


 キャッチャーの雄大は、高校生のピッチャーということもあり、どこかビビっているように感じる。一方、バッターの蒼大は楽しそうな表情だ。一体、この後どうなるのだろうか?私には全く想像がつかなかった。


 新田「勝負は、一打席」

 春風「ああ。問題ないよ」


 完全に本気モードの春風。なんだろうな、凄い覇気をまとっている。一ノ瀬の室内練習場は、とても過ごしやすい。冬だというのに、あまり寒さを感じさせない。バッターの蒼大は、上着も脱いでいたのだ。静かな空気の中での対決が始まった。ピッチャーの春風は、さっきキャッチャーの雄大を呼び寄せていた。おそらく、サインの確認だろうな。どの程度の変化球を使うのだろうか?キャッチャーのサインにうなずき、春風はセットポジションに入った。


 私  「こういう時って、どっちが勝つんだろうね?」

 一ノ瀬「さぁねぇ、、、、。春風の怪我がどの程度治ってるかじゃないか?」

 

 怪我してるんだ。あの人。足をあげ、腕を大きく振り上げた。先ほどのピッチングと違って、速いボールはこなかった。まさかのスローボール?バッターの蒼大は、ボールを振らなかった。


 私  「今のスローボール?」

 一ノ瀬「あれは、スローカーブじゃないの?」

 私  「あれ、カーブなんだ」


 野球初心者にはなんのボールかはわからなかった。


 一ノ瀬「これでワンストライクか」

 私  「次は、何投げるの?」

 一ノ瀬「どうだろうな?」


 再び、キャッチャーのサインに頷き、セットポジションに入った。バッターの蒼大が立っている地面には、打席用のマットが敷かれている。おそらく、春風が作ったんだろうな。春風はグローブを握りしめ、ゆっくりと足をあげる。蒼大はも同じくタイミングをはかる。いつもより少し緊張した面持ちで、春風から放たれるボールを待っていた。静寂の中、投げられた2球目は、さっきよりボールが速い。素人の私は、それがストレートだけではないということしかわからなかった。スイングをし始めた蒼大だが、バットは出さなかった。「ストライク!!」。キャッチャーをしていた雄大がコールをしたのだった。


 一ノ瀬「これでツーストライクか」

 私  「ですね」


 ツーストライクノーボール。これで後がなくなった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ