11月11日 会場ニ
もうこの時期は、寒い。まだ、12月にもなっていないけどコートが必要だと感じた。俺は、ゆっくり歩きながら昨日のことを考えていた。昨日、家に帰ってきたのは夜の12時を過ぎていた気がする。家に着いてすぐにベットに寝転がった。気がついたら、もう寝ていた。昨日は、会場で朝からずっと説明をしていた。社長の古屋のサポートをするために、俺たちは必死に動き回っていた。そして、もう一つわかったことがあった。これは、俺のこれからの退屈な高校生活を変えてしまうくらいの出会いがあったからだ。
ー11月10日ー
前の扉から出てきたのは、男性と女性だった。男性は、高校1年生かと思うくらいとても童顔だった。女性もなかなか見ない可愛さだった。あんな可愛い子はなかなかいない。横にいた山城よりも、数倍可愛かった。入ってきた二人は、奥にいた古屋と話し合っていた。この説明会は、彼らにとって、とても重要なものらしい。俺には、どの程度のものなのか理解できないけど、みんなはこの説明会のために、相当準備してきたということは見てたらわかる。俺は、その手伝いが少しでもできたらと思っていた。
山城「あっちの男の子が三田くん。あっちの女の子が高田さん」
少し距離があったから、なんとなくでしかわからなかった。
俺 「そうなんだ」
山城「挨拶しにいこか」
俺 「うん」
俺たちは、離れていたこともあり、挨拶しに行く
ことにした。ゆっくりと歩き出した。
山城「二人ともいい子だから、大丈夫だよ」
俺 「そうなんだ」
山城の後ろをついていくように、進んでいく。
山城「でも、あの高田さんは、私たちの割と近くに住んでるんじゃないかな?」
俺 「そうなの?」
近くってどこら辺のことを指しているのだろうか?高田なんて名字はたくさんある気がする。
山城「うん。あの子はバイトだから」
俺 「そうなの?」
山城「うん、社長の古屋の紹介だよ」
古屋とどういう繋がりなんだろうか?
俺 「あっ、そうなんだ」
山城「そうなのよ。三田、中野、私が正社員になるかな」
会社の立ち上げってそんなもんなんだろうな。わからないけど、勝手に納得していた。
俺 「おっけ。覚えとくよ」
山城「うん。じゃあ、私があの人たちに話しかけてくるからここで待ってて」
俺 「わかった」
そう言って、山城は、三田と高田の方に向かった。