11月10日 会場
俺たちは、会場に来ていた。
俺 「おはよー」
山城「おはよ。今日は、ありがとうね」
俺 「おう」
山城「眠たかった?」
俺 「新幹線で寝てたから大丈夫だよ」
山城「そっかぁ。後で、みんな来たら紹介するね」
俺 「おっけ。今、何人来るの?
山城「今は、二人かな。二人とも奥にいるよ」
俺 「そうなんだ」
山城から紹介された二人は、古屋と中野という人物だった。古屋というのが、この"緑黄食会社"の社長だそうだ。古屋は、身長180cm以上あり、とても大きく見えた。短髪で、爽やかな笑顔を見せていた。あんな社長だったら、社員もついてくるだろうな。あと、モテる。俺は、そう思った。奥の方で別の話をしている姿がとてもカッコよく見えた。
そんな古屋と対照的に見えたのが中野だった。中野は、古屋より小さく肉付きもあまりよくなかった。痩せている印象しかない。そんな中野は、髪の毛も長く目にかかっている。さわやかな古屋と比べると、とても無愛想なイメージだった。しかし、風華の話を聞いていると、中野がこの会社の二番手という位置付けになっているそうだ。とてもじゃないけど、二番手には見えなかった。しかし、そんな俺を察したのか、中野の凄いところを語り始めたのだ。高校では、全国模試で数学3位をとるほどの頭脳の持ち主だそうだ。
風華によると、二人は補っているそうだ。お互いにできないところを助け合って、前にと会社を進めているそうだ。俺は、二人を見るのは初めてだったから、よくわからなかったけど、実際はもっといろいろあって複雑なんだろうな。
山城「私、あっち行ってくるね」
俺 「手伝いか?」
山城「うん」
どうやら、会場のセッティングが始まるみたいだ。
古屋と中野が動いたのと同時に風華も動くみたいだった。
俺 「もし、よかったら俺も行こうか?」
山城「いいよ、ここで待ってくれてたら」
俺 「せっかく来たし手伝うよ?」
せっかくここまで来たんだ。ただ、遊んでいるだけでは意味がない。
山城「ホント?ありがとう」
俺 「当たり前だろ、金もらってるんだから」
山城「助かるよ。そう言ってもらえたら」
ホントは違うのかもしれない。口ではああ言ったけど、じっとしていられないのだった。
俺 「そうか?」
山城「うん」
俺たちが話していると、前の扉が開いたのだった。