12月26日 説得(バスケットボール)
早速、冬休みの宿題にとりかかっていた。冬休み自体は明日からなんだけど、早く終わってほしいという気持ちが強かった。俺は、答えを見ながら、問題集に書きこんでいた。
ー12月20日ー
俺 「疲れた?」
山城「いや、もう疲れてるね」
たしかに、疲れていそうだ。普段、運動しない彼女があれだけ走ったんだ。仕方ない。
長尾「フフフ。風華は、飛ばしすぎだよ」
山城「そうかな?頑張ってたんだけど」
2人の会話を見ていると微笑ましくなった。みんなが見ている風華は、会社を作っている人。そんな山城がまったく役に立たないのも珍しいと思う。
長尾「それはわかるけど。ただ走ればいいわけじゃないからね」
巻 「その取りだね。フフフ」
山城「えー」
仕方がない。山城には、山城の武器ががある。ここで、その武器が力を出せるわけではない。
山城「そんなこと言われたら、余計頑張ってしまうね」
巻 「なんでそうなるのよ」
長尾「後ろいたらいいじゃない」
巻と長尾に説得されている。
山城「何もしないのは嫌だ」
来たからには何かそうする。そんな姿勢を感じた。すると、古谷が残り1分と声を出した。
俺 「じゃあ、後半も山城が後ろでいくか」
山城「えー。嫌だよ」
俺 「我慢しろ。勝たせてやるからさ」
みんな笑顔だった。
長尾「凄い自信ね」
巻 「なかなか言えないよね?」
長尾「わかる」
私は、緩んだシューズの紐を強く結び直す。思えば、このシューズも使い始めて随分長く経つな。高校生活でシューズを変えたことは一度もなかった。買えるお金がなかったこともあるけど、このシューズはそれだけお気に入りでもあった。
俺 「よし、じゃあそろそろいくか」
山城「まだ、10分くらいしか経ってないでしょ?」
止まっている時間は、9分33秒だった。たしかに、私たちにとっては全然時間が経っていない。
俺 「ああ、まだまだこれからだよ」
山城「じゃあ、もっと頑張らないとね」
意気込む山城に待ったをかける。
長尾「風華は、頑張らなくてもいいよ」
山城「なんでそうなるのよ」
仕事をしている風華は、頼りがいがあるけど、今日だけは違うみたいだった。
巻 「私、どのあたりにいたらいい?」
俺 「じゃあ、春風の後ろくらいで」
巻 「おっけー」
巻に指示を出しながら、俺たちは再びコートに戻った。




