12月9日 一人目(春風未来)
休み時間。みんないろいろ話をしていた。昨日、高田さんと話をしてから、すぐに人数集めを開始していた。俺が最初に思いついたのが春風だった。コイツを誘った理由はいろいろあるけど、なんとなく来てくれる気がしていた。
春風「バスケ?」
俺 「ああ。興味ないか?」
冴えない表情をしていた。だめか?
春風「ないよ。バスケ部じゃないし」
俺 「まぁ、暇つぶしにはいいだろ?」
春風にどうしても来てほしいというのはない。けど、コイツの本気を見たいというのは本音だった。
春風「まぁ、今はグラウンドあんま使えないしな」
俺 「だろ?」
春風「うん」
バスケ部は、他にもたくさんいる。けど、バスケ部の奴と一緒にやりたいという気持ちはまったくなかった。
俺 「じゃあ、やろうぜ」
春風「いつやるの?」
たしかに、気になるだろう。
俺 「今度試合やるんだよ」
春風「誰と?」
俺 「友だちと」
まだ明確に決まっていなかったから伝えられない。
春風「へぇー。そうなんだ」
俺 「興味ある?」
春風「おもしろいならいいぜ」
コイツは、野球部をやめてからずっとくすぶっていた。今のままでいいか、ずっと悩んでいると他の野球部から聞いていた。誰か、声をかけてあげないと。そう思ったのがコイツと話すきっかけだった。
俺 「よし。じゃあ、今度試合始まるまでに練習しようぜ」
春風「ああ。教えてくれ」
どこのポジションを守らせたらいいかな?頭に思い浮かべた。
俺 「難しいから覚悟しとけよ」
春風「いや、やれるだろ。俺なら」
俺 「どんだけ自信あるんだよ」
春風「ハハハハ」
たしかに自信あるだけに思えるけど、それだけじゃない。そこには何か自信を裏付けるものがあるんじゃないかと思っていた。
俺 「いつ時間ある?」
春風「言ってくれたら合わせるよ」
俺 「じゃあ、12日とか空いてる?」
そろそろ体を動かさないと俺もやばい。引退してから俺はずっと体を動かしていない。男女差はあるものの、このまま、高田さんと試合をしても絶対に勝てない気がしていた。
春風「たぶん。空いてるかな」
俺 「じゃあ、その日にしよか」
春風「おっけー」
俺たちは、明日からの生活がいつの間にか楽しくなっていた。機会を与えてくれた高田さんに感謝するしかなかったのだ。




