12月5日 お母さん
俺 「めんどくさいんだよな」
篠木「まぁ、わからなくもないけど」
話は俺のお母さんの話になっていた。
俺 「だろ?いちいちムカつくんだよ」
篠木「許してあげなよ。お母さんがいるだけでマシだよ」
このセリフを言われたら、もともこもない。
俺 「お前の立場なればそう思うんだろうけど」
篠木「私は、お母さんのこと好きだったからね」
その通りだ。篠木がそう思うのも理解できる。
俺 「いいお母さんだったもんな」
篠木「うん。今思い出しただけでいろいろ考えてしまうよ」
何も言えずゆっくり頷いた。
俺 「お父さんの方は、どうなの?」
篠木「うーん。まぁ、相変わらずって感じじゃないかな」
俺 「そっかぁ」
お母さんが亡くなってから、アイツがすべて母親代わりだった。
篠木「この話してたら、いろいろ考えちゃうからやめよ」
俺 「ああ。ごめんな」
ただの俺の愚痴を言うべきじゃなかった。
篠木「別にアンタが謝ることはないよ。学校は、どうなの?」
俺 「普通だよ、普通」
すぐに突っぱねてしまった。
篠木「なんか変わったことないの?」
俺 「変わったこと?」
篠木「うん」
俺は、頭を使い始めた。
俺 「あっ、、、、、、、そうだ」
言わなきゃなければならないことがあった。
篠木「どうしたの?」
俺 「BIG3」
篠木「BIG3?」
驚いたように話してくる。
俺 「うん。お前がいるBIG3だよ」
篠木「どういうこと?」
まだ、わかっていないみたいだった。
俺 「知ってるんじゃないの?」
篠木「知ってるけど、どうしたの?」
篠木を煽るかのように話した。
俺 「この前会ったよ」
篠木「誰に?」
俺 「高田真波」
この名前を聞くと大抵の人がビックリするらしい。
篠木「真波?」
俺 「うん」
篠木「どこで会ったの?」
あの日のことを思い出す。
俺 「東京で」
篠木「東京???」
七海の顔にハテナがたくさん浮かんでいるみたいだった。
俺 「ああ。まさかだよな」
篠木「なんで会ったの?」
俺 「なんでって言われてもな」
少し混乱しながら俺は答えた。
篠木「たまたま会ったわけではないでしょ?」
俺 「まぁ、そうだな」
なぜ会ったのか、とても気になるみたいだった。




