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12月2日 比較

 俺は、タブレットを開きながら考えていた。これから、どうしていこうかな。もう、12月になったし、そろそろ進路のことも考えないと色んな人から言われるのはわかっていた。今までは、なんとなくサラリとかわしてたけど、もうそれができなくなってきていた。自分の中では何も決まってなかったけど、先生には進学しないことを告げようと思っていた。進学に関しては、自分の中で全くなかった。というのも今さら、勉強していける大学なんてそんなに行きたくない。どうせ行くなら有名大学がよかった。

 かといって、就職したいわけでもなかった。お母さんがいなくなってからずっと仕事をしているお父さんを見ていたから、どれだけ仕事が大変かは知っていた。お母さんがいなくなった当時は、帰ってくるのがいつも夜の10時を過ぎていた。こんなに働かないと、俺を育てるお金がないんだと思うとお父さんのことが虚しくなってしまった。出て行ってしまったお母さんが何をしているかすらわからない。そんなお母さんからもお金をもらってるのかすらわからない。けど、あそこまでしないと子どもを育てられないなら、結婚したくないし子どもも欲しいと思わない。そんな俺は悲しい人生を歩んでいたのかもしれないな。何も熱中できない自分と仕事に熱中している古谷たちを比較すると自分に何もないことがすぐわかってしまうのだ。俺は、どうしたらいいか?そういうことを考えていると、会社のことを思い出してしまった。緑黄色会社とROUTE株式会社。どちらもそこそこ認知度はあった。俺がやりたいことではないだろうけど、会社に熱中できる二つの会社はとても羨ましかった。

 緑黄色会社は、古谷たちがいる緑黄色会社は、健康系のアプリを開発しそれを運用するサービスだった。まさか、このアプリを高校生が開発するなんて。というところから、一気にメディアにも取り上げられるようになった。人間の健康データをアプリに打ちこむと、体の課題の可視化や改善をサポートするシステムを導入しているみたいだ。一方、間宮がいるROUTE株式会社は、果実飲料・野菜飲料などの清涼飲料水を売るサービスを作っていた。今は、いろいろいな飲料水を作っている会社と提携先を増やしている段階らしい。どちらの会社も素晴らしい会社であることはわかる。けど、そんなのを見ていても仕方がない。会社じゃなくてもいいから、何か熱中できるものを俺も見つけてアイツらと同じ土台に立ちたいと思っていた。

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