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11月30日 二日間

 二日間の東京の旅が終わり、俺はいつものように学校生活を過ごしていた。昨日、一昨日と古谷、中野と話し自分が何か変わったかと言われればそうではない。けど、あの二人と話して少し見る景色がわかったというのは事実だった。二人とも学校にはいないタイプ。古谷は、典型的な起業家の行動。思い立ったり興味が湧いたらすぐ動く。失敗を恐れないあの心臓はとても羨ましかった。

 一方、中野は、あまり行動しない。じっくり考えて動く。しかし、動く時が特徴的。古谷と違って変な行動をすることが多い。例えば、急に沖縄に行ったり、新しい会社に入ったりと普通の高校生では考えられないことばかりしていた。俺は、あの二人とは全然違うんだと思わされた瞬間だった。

 古谷に言われたのは、会社には入らなくてもいい。けど、頑張り続けろと。今のままだと、お前は頑張らなくなるって思われていた。言われたことは間違っていない気がした。たしかに、俺は今まで夢中になるものがあんまりなかった。だからこそ、夢中になるもの、頑張り続けれるものを見つけてみろと言われた。


 俺 「行ってきたよ、東京」

 山城「あっ、そうなんだ。どうだった?」


 お前が会いに行けって言ったんだろと思った。


 俺 「まぁ、普通だよ」

 山城「古谷と会ったの?」


 東京に行って俺は何をしてきたのか?


 俺 「古谷と中野と両方だよ」

 山城「えっ、、、、、。両方?」

 俺 「ああ。そうだよ」

  

 山城がなんで驚いているか理解できなかった。


 山城「なんて言われたの?」

 俺 「うーん。なんだろ、励まししかもらってないな」

 山城「励ましてもらってるの?」


 正確に言えば励ましてもらったわけではない。もっと、頑張れと言われているのだ。


 俺 「まぁな。山城が病んでるっていう話は聞いたぜ。ハハハハ」

 山城「やめてよー。その話」

 俺 「山城の話は、面白かったよ」


 山城が恥ずかしがっているのは微笑ましかった。


 山城「どこまで聞いたの?」

 俺 「中野からほとんど聞いたよ」


 中野は、山城の挫折を惜しみなく言ってくれた。でも、これは俺のためを思って言ってくれたのはわかっていた。


 山城「まじー。アイツむかつくなぁ」

 俺 「そう言うなよ。俺が聞いたんだから」

 山城「もう、聞かないでよ」


 俺は、山城の言う通り東京に行ったけど、何かしら得て帰ってきたかどうかはわからなかった。

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