11月28日 安心
俺は、古屋と一緒にカフェに来ていた。
俺 「ありがとう」
古屋「どうよ?最近は?」
コーヒーを運んできてくれた古屋は、席へと着いた。
俺 「楽しくしてるよ」
古屋「そうか、それはよかった。ハハハハ」
俺 「うん」
笑みを浮かべながら、俺の方を向いた。
古屋「で、今日なんで来たんだっけ?」
俺 「今日は、なんて言うか、、、、、。いろいろ言われて」
急に言われて、言葉につまってしまった。
古屋「そうなんだ」
俺 「悪いな、急に来て」
彼がどう思っているかわからないからとりあえず謝ることにした。
古屋「いやいや、こっちこそ。来てもらってるし」
俺 「そんなことないよ」
どう思っているのだろうか?本当のところは。
古屋「なんかためになること話せたら嬉しいな」
俺 「じゃあ、会社立ち上げた話聞きたいな」
せっかく東京まで来たんだ。聞きたいことを聞いてみよう。
古屋「ああ、会社ね」
俺 「うん」
優しく相槌をうった。
古屋「会社は、もともと作る予定はなかったんだ。でも、たまたまみんな集まることになって。だったら、なんかしないかってなったらいつの間にか会社を作ってたんだよ」
初めて聞いた。
俺 「へぇー。そんな理由だったんだ」
古屋「ホントにたまたまたでしょ?」
俺 「そうだな」
たしかに、言う通りだ。
古屋「別に自分たちが成功したとも思ってないし。俺たちは、社会から見ればポンコツの集まりだから」
俺 「どういうこと?」
ポンコツ?
古屋「俺たちが集まったのって、たまたまなんだよ。学校には上手く馴染めてなくてさ。みんな。でも、何かモヤモヤして。このままじゃ嫌だってどこかにはおもったりして」
意外だった。まさか、社長である彼自身がそういう風に思っているなんて。
俺 「そんなことあるんだ」
古屋「不思議に思う?」
俺 「うん」
すぐに返答する。
古屋「まぁ、そうだよな。みんなからしたら、イケたら風なのかもしれないな」
俺 「めっちゃ、そう思ってた」
なんとなく客観視していることはわかった。
古屋「そんなことは全くないよ」
俺 「そうだったんだ」
どこか同じ高校生で安心した自分がいた。同じ高校生なのにどこか古屋たちの方が上であると感じてしまうことがどこか嫌だった。




